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ARK ATERIA と気まぐれブログ

自作小説を目標通り芸大生になったのでリメイクして・・・
ついでに日々の考察をちょいとまとめた
のんびり考察ブログです。只今製作中!

  ・・・あぁ、どうあがいたって正義を振りかざす人間では無くなってしまった。



ザァー・・・・と雨が淡々と降る中、ただ一報の連絡を待つために屋根のない電話口でひたすら待ち続ける男がいた。アーテル港街の外れに位置する住宅街に傘もささないその姿はもはや異様な雰囲気を醸し出す。


肩まである茶髪の髪にブラウンの瞳。雨で蒸し暑い中、茶褐色のコートを着ている。

大きなカバンと翼の紋章。それはまさにその地域を守る防衛隊長を意味するものだった。


(26秒の遅延行動・・・何かあったのか。それとも、イレギュラーな事が起きたのか)


携帯端末は赤い画面に時刻と RE CALLING という文字が記載されている。

連絡先の相手は恐らく電波が届いていないか。もしくは破壊されたかという結論に至る。どちらにしてもいい事ではない。何かあったならば早急に動く事を要する。その為には傘はあまりにも不必要なことであった。


その時、その電話が鳴る。

さっと受話器を取ると、すぐさま反対の腕で携帯端末をポケットに入れる。


「28秒の遅刻だ。どうした、何かあったのか。レイス」


「いえ・・・何も。心配かけてすいません」


そう聞くとほっと肩を落とす。しかし、通話越しに聞くその声は明らかに動揺を隠し得ないものであった。その後。間を開けずにレイスは淡々と連絡事項を告げる。


「例の能力者の生存を確認しました。その他の生存者は会話できる範囲では約1名。」


「そうか。そのものの保護は頼めるか。恐らく、一ヶ月後、大きな空爆が起きるはずだ。ここの地域の人民をできる限り守ることをしなければならない。彼を・・・・・・」


「了解です。言いたいことはわかるので、ただ貴方も無理はしないでください。まだ傘もさしていないんでしょう?」


男は少し微笑み、レイスに告げた。

「君たちは傘をさして、人を助けるのか?」


「そういう事を言うからいつも”濡れ衣”を被せられるんですよ、誰かさんにね」


呆れかえるレイスの言葉に言葉を返せずにいる。

・・・しかし、その言葉の裏には彼女の優しさがあった。


「ありがとう、そういうことにしておくよ。じゃあ僕は仕事に戻るとしよう・・・では」


「はい、ではまた夜の集会に」


(・・・あぁ、やはり名前を聞くのはダメだな。個人主観を持ちすぎてる。しばらくはそっとしておこう)


ガチャっと受話器を置く男。

思いっきり濡れた服をどうしようかと考えているときに誰かがその男に声をかける。


「名前は聞いたのか。リドル、大事なことだろう」


「聞いていたのか、さすがだ・・・神出鬼没なところはそっくりだ」


茜色の長髪に同じコートを来て傘をさす女性。固めは髪で隠れているが、そこからでも見える赤い眼光はある人物だと想定させるにふさわしいものだった。リドルはその人物がきたことを知るやいなや、濡れた髪を上げて、目線をその女性に目を向けた。


「聞いていないが、恐らく大丈夫だろう。そんなに気にすることじゃないよ」


「何が大丈夫だ。そんな言葉は確定してから言え。忘れたわけではあるまい、予定時刻は過ぎている。その時間の間に何があったのか。何を世迷言に耽ったのか聞く必要もあるだろうが・・・・反論は」


「僕は彼女を信じてるからね。血には飢えていない人間ほど信用できるものもないだろう特にあの地域で生存者がいるというだけである程度は特定できる。恐らくレジェン・アーク・・・という人物だ」


その威圧に負けじと、リドルはすぐさま言い返す。

その言葉に偽りはないことを察したか、レイスは少しため息をつく。


「なるほど、アルディウスの羊供か。まだ生き残りがいたとはな。多少の記憶混同も仕方がないわけか」


「あぁ、しかも彼女は直ぐに名前を言わないだろうね。僕たちを信用していないから。濡れ衣っていう名目とはまったくもってね。皮肉で嫌だな」


そう言うとリドルは何もない空虚の空間に大きな片手でギリギリ収まる本を創りだす。天・地の部分から無限に投影されるページは全く終わりのない人生教本(ライフブック)とも言える程の情報量を持つものだ。

リドルの持つ本は今までの人生に記憶されたものを紙媒体として保管できる能力を有している。つまり、レイスが連れてくるであろう人間の目星はあらかた認識済みという事になる。


「20056の3に記載はされているね。アークか。いい名前じゃないか。親は分からないが、どうやら選外地区の外れに住んでいたとある。しかし記憶にない名前だ。どこでこんな事を聞いていたのかは覚えていない」


「珍しい、そんなことがあるのか。その本は記憶をするんだろ?状況把握は完全のはずだが」


「いや、盲点があるんだ。情報を聞き流すとかね。僕もそこまで完全じゃないよ、だけど・・・」


そのページから約数枚の空白。何も書き込んでいない逆に恐怖を感じるくらいの空欄がそこにあった。

NO MESSAGE という言葉と、人物の顔だけが消されている。いわば、リドルが拒絶したほどの内容だったのか。それとも、その人物に対して情報量が多いのか。


       (・・・ここまで穴の空く事はなかったハズなんだけどなぁ。)




――――――――――――


「ふうぅ。リドルさんの連絡も終わったし・・・」


レイズは一通りアークを見たあと。彼に問いかける


「どうこの場所?いいところだと思うけど・・・」


「まぁ、周りの目を除けば」


そう、アークの服は多少血のかかった血生臭い服を着ていることに代わりはなかった。

確かに他の人からすれば、異端でしかないだろう。


「ほらぁ、そこの大人さんっ!変な目で見ない!」


そうアークが呟く後にレイスはそんな大人を叱り散らす。少女がなぜそんな男をかばうのか。

その時点で察するものがあるのか、周りの人は普通の生活に戻っていった。


「・・・やっぱり僕はここにいない方がいいんじゃ」


「そんなことないッ!!絶対大丈夫!私がいるものっ」


その目に嘘はないとアークは感じていた。

少なくとも周りの人間よりは・・・とも思っていたのも事実。


「だから、正直に答えて欲しいこともあるの。これからの貴方にとって重要な事、能力について」


「能力?そんな現実離れな・・・」


「それを貴方は持っているんでしょ?色識別。」


数秒間沈黙を保った後、アークはその口を開く。


「最初は見えなかった・・・でもあの時に。あの、雨の時から―――その間の事も覚えていないんです」


「あの時?」


「最初にレイスさんに会う時まで・・・だから残ってるのは数時間の記憶だけ。」


(本当は少し残ってるけど。ここで言っても信用はされないな・・・話したくもない。)


そう言うとレイスは聞いてはいけない事に感づいたのか少し目をそらす。

いわば―――暗黙の了解。


「・・・ごめんなさい。でもそれでも聞くしかないの。少しでも状況を報告しないといけないからせめてなにか知ってることでも無いかなぁ?」


レイスはそれでも引くことは許されなかった。

何かあれば報告をしなければならない。もし変な素振りをしたら殺害も試みる必要もある。そんな緊迫する状況でも優しく接するのがレイスの信条だった。だからアークもそれに答えようとする。


「力がなかったから・・・立ち尽くすしか無かった。でもきっと夢だと思うんです。あまりにも現実味のない物なので」


決死に思い出すアークにレイスはどんな表情で向き合えばいいのか分からずにいた。

笑顔か冷淡な表情か。どちらにしても彼の気持ちを考えると無理をさせていると思ったからである。


「何かあったの?」


「黒い、あれはまるで――――」


その時、アーク達の上空を’何か’が通りすぎた。

大きく影を残し、頭上を去っていく。風が一気に体を通り過ぎる。その姿をレイスは目で咄嗟に追い状況が危機的状況であると察知した。いや、誰でも判断できるほどの巨大な影は、大きな兵器。

明らかに武装されたモニュメントである。


「嘘!?こっちになんで来てるの、あんなの!?」


「あれは昇降兵器・・・実在したのか」


十字架を形どった中には藍色の結晶が埋め込まれてる。




その日、少年は白い輝く雨を見た。


それは彼にとって人の死を受け入れることのない心の居場所を探すにちょうど良かったかのような美しさ。

何十人もの人が流され・・・殺され、自分だけが生きているという状況にただただ逃れるかのように上を向いた時の偶然の出来事だった。


その目下。

爆ぜた人の波、見まみれの少女に無数の刺衝。

その赤い視線を通り過ぎた時には、周りの生命はこの世の次元とは隔離されたほどに無残に散った後であった。肉片は彼に付くこともなく、夢と思わせる様な血の幻想。

彼が爆ぜる約142日前の出来事である。



その時、世界はまるで合わせ鏡のように輝いていた。



そして―――その同刻に列車が過ぎる。定時13・00。


「・・・生存者は4名でした。その内意識不明者2名、記憶喪失者1名・・・」



水没した街に轟音が鳴り響くと共にくり返される内容。

レールが軋み、冷静に走る列車。大きく角を曲がり被害地を抜け、崩れかけた城門を抜けるとそこには一面の海が広がっていた。


特別輸送貨物船を運転している青年と付き添いの少女。それと被災地の少年少女達。

彼らは被災地に救助に向かい、安全な場所に送るという仕事を任されたのである。今やそのような事は日常茶飯事で行われていた。

「以上で報告を終わります・・・はい、失礼します」

連絡を終え、受話器を元の場所へ戻す。軽快に事を済ませたようにみえたのだが、連絡を終えた瞬間に彼の表情に陰りが見え始めた。


多少の生存者は嬉しいのだが、その生存者は意識不明が半数。情緒不安定な人もいる。列車内がまだ周りの匂いが抜け切れておらず多少の死臭と焼け焦げた匂いがそれを連想させる。

正しく自分がそこにいたら同じ目に会うという感覚。その場所に何回もこれから向かうという不安。いつ巻き込まれるかわからない場所に足を踏み入れる事。


「始めてそういう場所に行った人はそうなるよ。落ち込まないで・・・」

付き添いの少女が彼の顔を見ながらそう言うが、彼の同様は耐える事はない。あまりにも見かねたのか列車の動力制御のレバーを青年の手を握りそっと放してあげていた。


「レイス先輩・・・」

彼は少し落ち着いたのか付き添いの少女・・・レイスにようやく目を向ける。


「私が運転変わるからちょっと休んできたら?まだまだ先は長いしねっ」


「はい・・・」

少し元気を振舞うレイスに対して彼は若干の笑みを零す。

レイスの言葉を聞き、運転席を離れ、生存者の方に向かう青年。それをレイスは少し悲しそうに見ていた。


「最初で心折れないといいんだけど・・・少し心配よね」

レイスはその手を離したレバーを強く握り、一面の海を颯爽と走る列車を動かしていく。焦る気持ちを抑えながら。彼の気持ちを考える余裕を持ちつつ、もし発狂したら気絶させるくらいの面持ちと思考を巡らせて目的地の場所へ視線を遠く伸ばす。


一方。

青年はその後、心を落ち着かせるために列車の窓に映る海を眺めていた。

曇天の空からポツリと水滴が落ちていく。

一粒・・・3粒。数えていくうちにそれは数を成し、彼が雨粒を10つ程数えている間に周りは景色を雨へと変えていた。列車のライトが雨に反射する。少し暗い景色を照らす照明が若干の直線の光の道筋へと見える。


「また雨か。今は雨ですら、心を癒してくれるとは思わないな」


ウィルにとって雨は大好きなものだった。彼には晴れが眩しすぎるのだ。経歴も人生も。

全てにおいてそれは嫉妬の対象に成りうるものだった。

その上に誰かがいる。今その社会格差の上下が目に見えて分かってしまう。



「そうでもないですよ、今回は赤い雨ですけど」


その正常とは言えない発言とともに少年が彼のそばに近づく。その言葉の返答に窓に釘付けになっているウィルがハッと現実に戻る。今の彼にとって赤という原色は様々な不安をよぎらす色であることに変わりがない。何を言ってるのか分からないが故に一瞬恐怖を覚えたのか、はたまた返させる返答ではない事に驚いたのか。少し髪をイジりながらどう返そうか悩んだ故に思いついたものはたった1つしかなかった。


「赤いって、君はあれが血が降り注いでいるように見えるのか?」


彼の名前は救助した際に持っていた学生の証明書で把握していた。

今回の生存者の1人、アーク・レジェン。

発見当初は死人の漂う中、ただ上を見て膠着状態で発見された。それがまた異常なほどに、現実を見ないように上を向いているのかという雰囲気を漂わせた中白いと何度か呟いた後に救助させた。

何故か死人の中で上を見続けていたが故に彼がその人を殺したのではないのかという疑問すら漂わせるからこそ、彼の存在はアークを重要視していた。


「白い雨では無いんです。何か赤い光が見える、そんな気が」

アークが指をさした方向は窓の向こう。ただ雨が降っている景色であり、赤という印象を受ける者は何1つとしてない。ウィルはその指差す方向へ視線を向けるが全く理解できなかった。


「赤いってここは海だぞ?青いって・・・」

そう言った瞬間彼は何を思ったのかズボンから小さい顕微鏡を取り出し、そのレンズの対象物をその雨へ向ける。するとそのレンズから鈍く光る赤が目視出来た。アークの言ったとおり、それは赤い雨だった。


「まさか・・・マナを視認できるのか?」

ウィルは若干焦りながらそう告げると次にそのレンズの取手から隠してあった小さい数センチ程の瓶を取り出す。それをよく振った後アークにその瓶を見せる。片から見ればただの透明な水に沈殿した物体が少しあるだけの物である。


「これは何色に見える?」


「透明な水ですか?」


「そうだ。いや、なんでもない。忘れてくれ・・・」

ウィルはその焦りが解けたのかぐったりと深く椅子に座り込む。その瓶に書かれたメモは青色。

つまり、雨と同様に普通の人には見えないマナの色であった。

「そんなこと出来たらコイツも研究所行きだったな・・・よかった」

そう呟く事で多少自分の気持ちを整理していく。確かに雨の色は偶然に当たっただけだと。恐らく、人の死を受け入れられないから赤色というものが頭を埋め尽くしているのだと。だがそうなると白い雨とは・・・と思考を巡らすうちに列車内にアナウンスが響く。


「ウィル、目的地に着いた。若干速いが彼らを施設に移す。準備して」

そう言うと、さっきの真逆にある窓を見るとそこには港町の旗が見えた。窓を開けると先程と違う焼けた匂い。パンの匂いが列車内の匂いを上書きする。

「そうか、反対は普通に海だったな。忘れてたよ」

さっき持ったレンズと瓶をズボンにしまい、重い腰を上げて彼は列車の運転場所へ戻る。じゃあなというサインと一緒に手をサッと降るとアークは少しだけ頷いた気がした。少し話をしようと思ったのだが、記憶が曖昧な人間に昔を聞くというのもひどいことはない。そう思ったのかウィルはその場をそそくさに去っていった。


「どう?少しは落ち着いた?」


「はい、いつもの景色が見えると少しは楽ですね」

レイスの問いかけに今度はちゃんと返す。良かったと思ったのか、そのまま列車のコントロールをするレイスに不安の陰りも見当たらない様子だった。


「そういや、救助者の状態はどうだった?特にアーク・レジェン。一応記憶障害という形にしておいたけど・・・。案外判別つかないのよね」


「なんでですか・・・?」


「いや、その割には瞳孔は正常。精神メンタルは多少の問題があったけど普通だった。多少変なこと口走っていた事くらいしか判別できないんだけど」


「その事で問題があるんですよ」






その時彼・・・その話の標的となっているアーク・レジェンはただただ雨の降る中窓の外を見ていた。


辛気臭く降り続く雨。いや、そんなことよりも自分が何だったとかという答えに全く答えが出せなかった。何故かそこで思考が途切れるような。一種のトラウマを引き起こす気持ち悪さと同じような感覚に苛まれるのなら、きっと何か問題があったんだという受け流す思考が最終的な結論だった。そのほうが今はいい様なそんな感覚に引き寄せられたのである。


「うぅう・・・」


「うわっ!?あぁ、他の人か。大丈夫かなぁ・・・。なんか嫌な予感がするんだけど」


アークは立ち上がり、そのうめき声のする人の下へ向かう。

若干シートがかぶってあり、異様な空気が立ち込めているようなこの列車の中であまり動きたくない本心と同時に気になってしまう葛藤。後ろを振り向く事も恐怖であるその気持ちを若干抑え

列車のドアへと向かう。ひたすら前に、そうするしか選択肢はない。


「いや、その前にいま列車は止まってる。今ならこの列車からも抜け出せるはずだ。こんなところにいたらこんなふうになってしまうかもしれないんだから・・・あの人はいい人なんだけど」


そっと立ち上がり列車のドアを開けようとする。しかし、そのドアには厳重に南京錠がかかってあり、容易に外に出るのも楽なものはなかった。


「僕・・・いやみんなの事をどう思ってるんだ?ここまで厳重にしなくたっていいだろうに」


「そりゃあ生き残りは厳重に保護しないとダメじゃない」


「・・・誰?」


ふわっと靡く黒髪に金色のアクセサリー。

先ほどあった青年とは違う冷静な感情を感じさせる。


「さっきは私の部下が迷惑かけなかった?」


「いえ・・・・そんなことは」


「変な質問とかしたでしょ?マナの色をどうのこうのとか、いきなり失礼なこと」


「それは聞きましたが・・・あなたは?」


「ごめんなさい、私も失礼だったわね。私はレイス・フリスコフィン。この列車の運転手兼ボランティアで救助活動をしているの。一応説明はしたほうがいいかしら?あなた少し記憶が混乱してるみたい」


そう言うと彼女はスカートのポケットから何やら定期券のようなものを出しアークに手渡す。アークはそれを受け取り確認すると自分の顔、姓名、後は何やら濡れて読めない文字が多く記載されていた。不思議そうに裏面を見てもコードしか見えない。


「これは、貴方のデータカード。濡れてて使い物にはならないけど・・・あなたの名前はアーク・レジェン、もちろん性別は男。それと住所は第一層特区・・・」


淡々と話す彼女に対してアークは全く興味を示す兆しもなかった。


「話を変えましょう。あなた多少記憶はあるようね。瞳孔に陰りがないもの。怪我もないのも不自然」


「僕は、その記憶がないわけでは無くていつの間にかそこにいたというか。何か忘れたような気もするしどうすればいいか・・・」


「だったら、ここではなくて違う場所に移りましょう。あなたと同じ場所にいたけど、先に避難した人がいる。そこなら別に大丈夫でしょ?」


レイスはさっきの厳重な南京錠の鍵を外しながら、話しかけているがその不用意に背中を見せる様子に、アークは多少安心感を持ち始めていた。

どちらにせよ、救助されたのには実感があり、警戒もされてはいない。

ただ一つ、なぜドアに鍵をつける必要があったのかという疑問点には触れずにいるのは億劫なのだが、些か気にしている事もない。ここの空気は何か血の匂いがする安心できない空間。


そう、死傷者がいる車両なのだという実感を持っているためである。


「・・・彼らは」


不意に出た言葉。その言葉にレイスは答えを返す。

全く迷いもない。


「彼らも助けます、さっきの人がね。生存者には事情聴取がいるの。あなたはちょうどいい証言者でしょ?」


レイスは止まった列車からホームへ足を伸ばす。

開いたドアからは水上都市と言わんばかりのウォーターオブジェの数々。


ふっと足元まで伸びる水源は今来た列車の線路から流れている水面からだった。

彼女の体が列車の外に伸びる。

それと同時にアークにそっと手を差し伸べた。


「ようこそ、第一層救済の都市 アーテルへ」



というわけで ARK ATERIA のプロットを作成してみたいと思います。

難しいのですが・・・。ネタバレですので気をつけて・・・。特に空白は。


第一章 


プロローグ


世界は未曾有の危機に陥っていた。

北極と南極に存在する永久凍土(ニヴルヘイム)の異常的な融解速度である。

これにより、世界で多くの地帯が水没、気流の変化による気象変動等、各地で様々な症状を引き起こしていた。


この異常事態をノアの洪水の再来と結論を出し、急遽人類はバベルの塔のように大地を昇降させるという計画「NOARS EARTH」を提案した。そうすることで自然物の法則を捻じ曲げ楽園を作り出そうとしたのだ。そして浮島以外の6割の大地はその計画によって事なきを得たのだが、強制的な行動故に生物等も急速に変化し凶暴化し謎の生体変化を起こし、住める大地を賭けた生き残るための戦いを繰り広げていった・・・。そして、人類もそれ同等の変化が起こったのはそれから数十年後の事である。


バベルの大地が層ごとに政権を取り、ある程度の平穏を取り戻した中。

計画は新たな方向へ向かおうとしていた。

その中で第一層の小さな工業都市「アプフェル」。そこに住む少年アーク・レジェン。

そこから物語は動き出す。



重要な言葉 内容 国家 組織


近代都市 コア・ソリティス

「NOARS EARTH」を提案した都市と共に永久機関「ライブラル」で殆どの生活エネルギーが賄われており、上層の大地で政権を握っている。どうやら最近はマナの結晶化を利用した黒い噂が絶えないのだが、その頃から他の大地で昇降が頻繁的に行われている。最悪拒否した場合は強制撤去をしてまで行うと情報があるのだが詳細は明らかではない。故に何か理由があるのか・・・?


本来の目的は神に反抗するための神脈「ライブラルノート」の出現を成功させるためである。

その為にバベルの塔の知識を借り、世界自体を動かすことによって何処か1部でも繋がるところを探し出していたというのが本来の目的だが、その為に何億人もの犠牲が伴う可能性がある為1部幹部は反抗していた。その中で軍隊からレイラ・フリスコフィンとリドル・グライフェルゼは脱退。ゼファート・アドヴイードはそこに続こうとするが彼の大切な少女ルーシア・フライハウトをマナの結晶化の第一実験体に選び人質にとった為仕方なくコア・ソリティスの内情に従うしかなかった。


自然国家 アーテル・ナテューア 「斜交層」

主に下層の周辺を指揮している国家。自然を多く残し、生物の管理・育成を行っている。

常に生体の変化による被害を救助しているのはこの国家であり、いわば雑用国家と言われているほど様々な事を行っている。最初はただの街だったのだが、今の国王代理「リドル・グライフェルゼ」が持ち出した謎の機関により、十分な供給とそれに伴う軍事力も持つという第二の近代都市と化した。

その中で国王代理が指揮を取る軍隊「スティレット」は唯一の能力を集めた万能部隊であり、国力を増長させて他の外敵から守っている。


愚連隊 デ・ハビランド・ノワール

通称「デビル」と言われる何か間違っているような気がするならず者。

いわば今の生活に満足しない反乱分子である・・・のだが元々リドルと面識があるのか彼の言うことには素直に聞いている面がある。何処の国家にも見向きされない為仕方なく雇ったと思われている。


実は、その見向きがされない故にある程度の力を持っていたとしても隠密兵として暗躍できる唯一の情報屋に育て上げていた。その中でも電車の運転手兼配送業「アムル・ミレイ」は国家間で避難民を内密に移動させ救助したり等、様々な行動を起こしている。一部何やら巨大な飛行機を作ってる人もいるとか。


「世界の重要な要素・存在」


マナ

この世界で大地の昇降に関わっている重要な要素。視認できる。

永久機関や武装のためにも必須であり、いわばこの地脈を持っている国家しか成り立たないとまで言われている。実は死者の魂が根源であるため地脈がある=門が存在するということである。そこにアテリアが来れば上に上がり、ヴァランシアが来れば下に下がる。世界はその箱庭の大地の核に魂を打ち込無事で、神戒の範疇を裏切り、原始の光を発動させないようにしていた。いわばバベルの塔は神に復讐することであったのに対し、大地は人の上に立つという絶対的な理想ゆえに天罰を下せなかったのである。


アテリア

マナの中でも純粋源である光の3原色を模したマナの光。普通の人には紫外線のように見えないのだが、視認出来る存在は一割存在しそれを利用した戦いを行う者もいる。色は赤・青・緑。それぞれ発動する能力に違いがあり、それを引き寄せる為の技術も必要である。複合し、能力を加算する応用も存在する。又は最高色「白」を出すこともできるのだが・・・。

アテリアは世界を上げるため。つまり魂の昇華に必要な力である。その為には自身が死に近づくと自身の体と反応し能力が向上する。三途の川はその魂の流れ道であり、アークが見ていたマナを視認出来るという中で白が見えていたのは、半分がある人物の神の架空の輸血であったことから本来の体は半分死んでいることになる。それを掴んだ事により、アークの心は少しずつ死人の感情を受け入れなくなり、黒の能力が垣間見えてしまうのである


ヴァランシア

マナの中で純粋色である色の3原色を模したマナの光。普通の人にはアテリア同等見えないのだが、この光は純度が高くなると結晶化するという点があるため個体であれば見ることができる。色は黄色・マゼンタ・シアン。それぞれアテリアと同じであり、色が対比色であるということだけだということだが・・・。

ヴァランシアは死者の魂を下に送り込む封印と消滅させる力である。コア・ソリティスが必要としたマナの結晶化はこの原点であり、軍事能力として視認できる為、アテリアのような神の力と根元よりも復讐を選んだという裏付けになる。またライブラルの永久機関はその魂が動力源なため無作為に生命を死滅させなければ能力にムラが出てしまうのである。故に別次元からその源を引っ張り、強制的に神の領域にまで達した能力は体に結晶が纏わり、圧倒的な力を引き起こせる。光とは違い元々が黒という存在であるため能力自体を会得したければその中にいれば能力を得ることは可能である。又、感情をモロに受けてしまう為、繊細な人がその能力の恩恵を受けると精神が崩壊し身体がその能力を反発する為、体自身が結晶化し亡くなってしまう。かのルーシア・フライハウトは第一被験者故に相当な濃度のヴァランシアを引き込んでしまい、目の瞼が消滅し、縦に開くというまともに目視できない状況に陥った。しかし、それがヴァランシアの能力である限界を突破した証拠であり、それをコントロールした人間も隠れて過ごしている。