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A氏のあーかいぶのブログ

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 ある事象に対する受け止め方は十人十色である。これは、ある男が見た一つの世界、一つの真実の物語である。

 

 コロナ蔓延下の2021年、いよいよ財務システム更改作業が本格化した。財務システム更改は、コロナ終息まで待てないのである。

 最初に決めることは、ベンダーであった。個人的には、現行のN社の新システムに乗り換えることが、各課の財務処理の円滑な継続のためにはメリットが大きく、N社の提供する新システムは、現行のシステムの問題点をクリアできるものであった。特にM区において数量が多い負担行為併合支出に対応していることであった。負担行為併合支出は、支出元の予算科目が複数の場合で、請求書が1枚の場合の支出のことである。支出命令書は、契約ごとに作成されるので、契約のもととなる予算科目が複数であれば、契約自体は1本でも、支出命令書は複数になる。ところが、請求書は1枚しかないので、その請求書はどれか1枚の支出命令書に添付する。残りの支出命令書には請求書が付いていないまま保管することになる。そこで、その経過をそれぞれの支出命令書に手書きで記すという運用をしていた。その煩わしい課題が解消されるのがN社の新システムであった。

 財務システムは、予算担当課、契約課、会計課の3課で稼働させるものであり、開発企業(ベンダー)の選定には、この3課の意見が反映されるのであるが、そのウエイト付けが均等ではなく、予算担当課である財政課に重みをつけていた。そのため、今回の財務更改は、財政課主導でなされてきた。会計課はおまけ程度であった。情報政策課の担当者から、先にウエイト付けの説明がなされた。新財務システムのベンダーは、現行のN社と売り込みに熱心のJ社の2社のみで、どちらかを選択する。この選択の前に2社からの仕様をもらっており、疑問点は聞いていた。私は、N社を選択すべきだと考えていた。契約課もほぼ同様の考えであった。唯一、財政課はJ社の開発する新公会計システムやPDCA評価システムへの期待が大きく、J社を望んでいた。この財務更改のベンダーを決める会議には、財務関係3課以外の課もいくつか参加していた。出席者が点数付けをし、その集計をウエイト付けについて説明した情報政策課の担当者がまとめた。結果は、N社・J社ほぼ同点で、N社の方がほんの少し優位であった。これで決まりと思われた。

 ところが、さきの情報政策課の担当は、ウエイト付けが間違えていた。本来はこのような形であると、急に条件変更を持ち出した。条件変更をして再計算をした。結果、J社がN社を上回ることになった。情報政策課の担当は、専管部局のみなさんの評価はわかったので、この結果を参考にして、管理職からなる選定会議に報告する。どのベンダーにするかは、今回の専管部局の点数と、管理職からなる選定会議の点数と、M区職員にアンケートを取った点数を加味して総合評価すると語った。

 この決め方には、唖然としてものが言えなかった。財務更改は、財政課主導で最後まで行うのが、今回のM区の方針である。会計課はその中心ではないということであった。

 このようなこともあり、新しい財務システムはJ社と決まった。会計事務に関しては、J社のシステムは、N社と比べると、不親切で見劣りがするものであった。唯一のメリットは、しっかりとした操作マニュアルを作成し、操作研修も行うというのが、プレゼン時の発言であった。

 ところが、いざ、開発が始まると、財務執行部門のまとめ役であった財政課は、そのまとめ役を降りてしまう。

 次回、「あなたがリーダーだ。ベンダーの総責任者の発言」に続く。