人を変えるのは大変だけど、自分を変えるのは一瞬でできる、と言います。

 

 人間関係に悩む人は、自分うまくいかない相手が変わってくれるか、自分の前からいなくなればいい、と願います。しかし、そのような願いは、なかなか叶わないものです。

 

他人を変えるのには、10年かかるといいます。よく「男は玄関を出たら七人の敵がいる」と言います。その敵全部を変えようと思ったら、70年もかかります。つまり、敵を全部変えるか、その途中で寿命が尽きてしまい、何で敵を変えるよう努力したのか、分からなくなってしまいます。

 

でも、自分を変えようと思ったら、考えを変えるだけですから、一瞬で変わることができます。

 

考えを変えれば、言葉が変わります。

言葉を換えれば、行動が変わります。

行動が変われば、習慣が変わります。

習慣が変われば、性格が変わります。

性格が変われば、運命が変わります。

 

考えを変えるだけで、運命が変わってしまうというのは、すごいことだと思いませんか。

 

 体内記憶・前世記憶の研究をされて、人が幸せになる道を研究しておられるユニークなお医者さんである、池川明先生の著書『生まれた意味を知れば、人は一瞬で変われる』という感動的な本の中で、人は一瞬で変われる面白い例を取り上げておられるので、ちょっと紹介させていただきます。

 

池川先生の研究に触発されて制作された「生まれる」というドキュメンタリー映画の監督さんの話です。

この映画は、胎内記憶をテーマにして4組の家族を描いたドキュメンタリーです。

監督が、なぜこのような特殊なテーマを選んだかというと、「自分は親に愛されていない」とずっと思い込んでいたから、ということです。

 

胎内記憶のあるお子さんに話を聞くと、親を選んで生まれてくる、と言います。池川先生は、多くの胎内記憶のあるお子さんの話を聞いて、「赤ちゃんは、雲の上から自分で親を選び、生まれてくる」と結論づけています。その話が本当なのか、4組の家族の生活を追いかけて、その真実に迫ります。

 

この監督には、障害を持つ弟がいます。生まれつき目に障害があり、発育も周りの子に比べてゆっくりのため、母親は弟の面倒につきっきり、父親は医療費を捻出するために仕事漬けの日々。兄である監督にまで手が回りませんでした。

そのため思春期の時は、自分は親に愛されていないと思い、「何で生まれてきたんだろう」と悩んだそうです。家族だけでなく、友達も、世の中もすべて否定的な目で見ていたといいます。

 

そのため結婚にも失敗し、このままでは、人生どうにもならないと悩み続け、そのことが胎内記憶のドキュメンタリーにつながり、四組の家族のあり方を追いかけるのでした。

 

映画が完成して、テレビの取材があって、映画を撮った動機を聞かれました。

「僕は親に愛されていなかったから」と答えたのですが、それを見た親戚、友達、近所の人から連絡があり、「あんなに可愛がってもらったのに、なんていうことを言うんだ」というお叱りを多数いただき、思い返してみたそうです。

 

すると監督が幼いころは、一家は近所でも評判の仲のいい家族で、よく家族そろって旅行に行ったそうです。当時のアルバムを見ると、両親は暖かい笑顔で二人の兄弟と一緒に映っているのです。それを目にして、「僕は、愛されていたんだ!」ということに気付くのです。

 

それからのことが傑作です。

監督は、一週間かけて、「生んでくれて、ありがとう」とのひとことを言うために練習し、やっとの思いで両親に告げたそうです。「お前、どこの宗教に入ったんだ」と言われながらも、長い間の親との確執が解けたのです。

 

この監督がこの映画を撮ったことで、多くのあらぬ誤解で確執をもっている家族が、仲良くなる機会を得ることになるのです。

 

自分を変えるのは一瞬です。考えを変えれば、幸せの扉は直ぐに開きます。