駄文です。
とある女性兵士の独白。
兵器への恋。世界への布告。
仕方のないことだ、と君は言うだろうか。
人のために作られた君だから。
当然のことだ、と君は言うだろうか。
望みのための手段だったのだから。
それでも、私は世界を許せない。
反復戦争
XXXX年X月XX日。
どうせ燃やしてしまうのだ、この日記は誰にも読まれないだろう。
第XX次世界大戦が終結して数日、国はとうとう全兵器を廃棄すると決定した。
誰もが望んだ平和な世界が訪れたのだ。
二度と戦いの起きない世界には、兵器など必要ないということらしい。
なんと身勝手なことだろう。
私は怒りと悲しみに打ち震えた。
戦争終結のために国が作った兵器。彼等は戦力を補うことを目的とした、機械の兵士だった。
世論は戦いの中で生まれた負の産物だと言うのだ。
けれど違う。
私にとって彼は、悲しみも痛みを共有した相棒だった。
それなのに平和になった途端、見捨てろというのか。
家族よりも長くを共に過ごした、共に死地に赴いた自らの半身を。
共に勝利を喜ぶこともできないままに、失うのか。
誰よりも平和を願い、人のために戦い、最も国に貢献した彼と。
一番に笑い合いたかったのだ、私は。
平和などいらない。彼のいない世界など、私にとって世界ではないのだから。
このスイッチを押せば、国のとある重要な施設が爆破される。
通信係は誤報するだろう。敵国からの襲撃だ、と。
ともすれば、また戦争が始まる。兵器が必要になるだろう。
なんと甘美なのだろうか、愛するXXX。
平和を犠牲にしてでも、君を失いたくない。
私達が共に果てるまで、ずっと一緒に戦おう。