四年前の事。

俺達はホストクラブをオープンさせようとしていた。

神戸でどこにも負けないホストクラブをやる。

それを目標に様々なプラン、戦略を練って一つひとつオープンへの準備を整えていた。

ホストクラブのオープンの準備は予想以上に大変だった。

思い通りにいかない事の連続。

当然時間も人出も足りない。

しかしやるしかない。

その時は代表と俺とひでさんしかいなかったんだ。

だが、三人で力を合わせればきっとうまくいくと確信していた。

しかし

ある日突然三人の内の一人、ひでさんがこう言い出した。

「ちょっと四国に行ってきます。二ヶ月ぐらい」

その時、俺と代表の思考は停止した。

なぜだ。

なぜ今四国なんだ。

教えてくれひでさん。

しかし彼は行ってしまった。

土産は買ってきます。

そう言い残して。

それでもやるしかない。

俺と代表は二人でオープンの準備を進めていた。

あの頃は二人とも寝る間も無かった。

当然オーナーである代表は一番大変だっただろう。

しかしそれでも何とか準備も終わりを迎えそうだった。

後は店名だ。

格好良い名前を付けたい。

様々な案を出すが中々決まらない。

そんな折、ひでさんが四国から帰ってきた。
何だかリフレッシュした顔をしている。

俺達は唇を噛んだ。

ちょうど店名を考案中だと彼に告げると、開口一番、

「クラブ ビッグバンで行きましょう」

なぜホストクラブなのにビッグバンなんだ。

四国で何が有ったんだ。

教えてくれ。

教えてくれひでさん。

この宇宙の始まりなのに俺達の野望が終わりそうな店名に、

俺と代表の思考は二ヶ月振りに再び停止した。

もしあの時ビッグバンで始めていたら、

俺はビッグバンの統括の新堂淳だった訳か。

悪い冗談だ。

代表なんてビッグバンを代表してしまう。

苦虫を噛み潰した様な彼の顔が目に浮かぶ。

出勤して看板を見るたび

店の名前を呼ぶたび

心から思う

「Club ArK」で

本当に良かった。







キャバクラとかならまだ良かったんだけどねぇ…。

ビッグバンでも。

楽しそうだし…。

これからもビッグバン改め、クラブアークをよろしくお願いします。

おやすみなさい。