最近蚊が多い❗️
アクロバティックな態勢で作業している時に限って見える所に蚊がとまります…
手は離せないし、吸われるがままと言う拷問を味わっています
ところで、そんなこんなでランクル100を整備しているのですが、ランクルに使用されているATFはトヨタ純正「D-Ⅱ」と言うものです。
知らない車屋さんも多いと思いますが、ATFにも色々規格や分類があったりします。
そもそもATFを何種類も在庫しているなんて方が珍しいと思います。
逆に言うと、ATFを何種類も揃えている車屋さんは信用できる❗️…可能性が高い
かもしれません(笑)
エンジンオイル、ギアオイル、ATF
一般的に存在する規格や分類は数字が大きいほうが「上位互換」であると説明される場合が多いと思います。
純正の「トヨタオートフルードD-Ⅱ」とはDEXRON-Ⅱを指します。
現在広く普及しているのはDEXRON-Ⅲですが、上位互換であるならばDEXRON-Ⅱ指定のランクル100(前期)にDEXRON-Ⅲの一般的なATFを使用しても問題ないと言う理屈になります。
理屈ではね❗️
確かに、壊れたりはしない… のかな?
でも、実際にD-Ⅱ指定の車にD-Ⅲを入れるとどうなるか…
はい メチャクチャ気持ち悪いです。
使える(?)と言えば使えるのでしょうが、こぅなんて言うか…
経験した人ならわかると思いますが、常にヌルヌル滑っているような感じで、トルクも無い(=加速が悪い)し、わかりやすい所ではクリープ現象が無くなります。
古い欧州車もD-Ⅱ指定の車は結構存在します。トラクターや重機にもD-Ⅱは現役ですね。
D-Ⅱ指定の古いベンツとかに最新の規格のオイルなんか入れたらズルズルですよ(笑)
私はD-ⅡとD-Ⅲは別物だと考えています。
石油元売りがDEXRONは数字が高い程上位互換で、むしろ積極的にD-Ⅲを使用するように推奨しているのは信じられません。
またD-ⅡとD-Ⅲの違いとして一般的には動粘度の違いが多く指摘されます。
もちろん動粘度は違うのですが、もっと大きな違いは摩擦係数(摩擦特性)です。
うちのブログでは「デフオイルとmtオイルの違い」でもたびたび出てくる用語ですね。
ザックリ言えば、兄弟でもキャラが全く違うって事❗️
動粘度的にも摩擦係数的にもD-Ⅱの方が滑りが少ないように設計されています。
コレは基本的に「質量の大きなもの(重いもの)にエネルギーをシッカリ伝える」と言う考え方です。
D-Ⅲはより滑らかでFFのトランスアクスルに対応可能な極圧性を有した設計です。
コレは基本的に「より高効率にするためにエネルギー損失を減らし、極圧性を確保する」と言う考え方です。
似ているようで違う両者のズレが、なーーーーんとなく理解できましたか??
数字が1違うだけじゃん、と処理されてしまいがちですが、それでは車の持つ本来のポテンシャルを発揮できません。
それに「1」違ったら世界は大きく変わります。XとYの染色体の組み合わせが違うだけで、あなたの「奥さん」を「おっさん」に変えてしまう事だって可能です。
ゾワワァ〜
エンジンオイルの規格、デフオイルの規格、そしてATFの規格に共通して言える事は、「最新=最善=最高」ではないと言う事です。
既に現在売られている新車で「D-Ⅱ」を指定している車種はありませんが、古い車でも大事にしたいと言う思いからうちにたどり着くお客さん(と言うか車)が多いので…
私はその依頼にできる限り答える必要があります。
そしてもし❗️ ご自分の車で「なんかおかしいな?」と思ったら自分の感覚を信じて下さい。
人間の感覚ってスゴイんです
旧車乗りやクラシック欧州車オーナーは、そぅそぅそれそれ❗️そこいい加減にされると古い車はすぐにヘソを曲げちゃうんだよなぁーと思いながらブログを読んでくれているはず(笑)
今後ガソリン車も無くなるって言うし、ガソリン車=旧車 なんて未来が遅かれ早かれ必ずやってくるんです。
古い車を大事にする術ってのは、そんなにすぐに身につくものではありません。
それは私もそうだし、お客さんだって同じ