子どもと手を繋ぐおかあさんが言う。
もっと勉強しなくちゃだめよ。
馴染みの魚屋さんの店頭でおばあちゃんが言う。
お兄ちゃん、もっと勉強してよ。
勉強しなさい。
同じ言葉もそれを使う人、使う場所、使う時で意味合いを変える。
だが
共通するのは、どちらも相手に無理を強い、努力することを求めている。
おかあさんは、その気がなくても予習、復習をしっかりやりなさいと無理を強いている。
魚屋のお兄さんは、もっと安くする努力を求められている。
勉強とは、読んで字のごとく「強いて努める」こと。
無理して頑張ること。
そこで考える。
おかあさんの言っていることは、学校で習ったことを身体にしっかり覚え込ます意味合いが強い。
それに対して、
魚屋さんは、考える、検討する、工夫することを求められているようだ。
で、
また考える。
これって、学習と学問の違いともいえるかもしれない。
学習とは、学んだことを繰り返し習うことで頭に定着させること。
いわゆる、覚える意味合いが強い。
学問とは、学んだことを基礎に、なぜ?どうして?と 考えてみること。
言うならば、
違う見方ができないか?
違う世界で生かせないか?
学ぶは、学(まね)ぶで、本来は真似をすること。
学ぶと真似るはルーツを同じにする。
したがって、
学びの第一歩は真似ること。
繰り返し頭に刷り込むことにある。
これは、考えるための基礎である。
たった20分経っただけで人は覚えたことの4割以上を忘れるそうだ。
で
1か月後に記憶に残るのは、せいぜい2割ほど。
この「エビングハウスの忘却曲線」はよく知られる。
したがって
憶える、記憶に定着させるには何度も反復すること。
覚えたことを「自分でテストする」とさらに記憶に残りやすい、というアメリカの大学の研究報告があった。
その実験はこうだ。
学生を4組に分け、教科書を渡してそれぞれのグループに取り組ませる。
1.1回読む
2.4回繰り返し読む
3.教科書を見ながら内容を図表化する
4.教科書を読んだ後、本を伏せて覚えた内容を書き出す自己テストを2回繰り返す。
1週間後にどの程度覚えているか試験した結果はこうだ。
1回だけ読んだ組の正答率は平均27%。
4回繰り返しは、49%。
図表化グループは、45%。
これらに対し、
自己テストをした組は、67%と最も成績が良かった。
学んだことをテストする。
知識を詰め込むだけでなく、思い出させることで脳から引き出す。
強いて努める、この思い出しテスト。
これが記憶を定着させるに有効という研究報告である。
先ずは、読む、聞く、見る。
そして
頭に入れる、覚える。
それを何度も反芻して、記憶に残す。
自分なりに整理して図式化してみるのも有効だ。
そして、
次に、なぜ?どうして?とその背景に迫って考えてみる。
単なる知識に終わらせないで、なぜ?を考える力をつける。
体得とはこういうことだろう。
さて、
先生から、もっとまじめに勉強しなさいとしなさいとたしなめられた女生徒を一人、ジョークの世界からご紹介し終わります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先生が女生徒たちに質問した。
ある条件のもとで、おおよそ通常の6倍にもなる身体の器官はどこでしょうか?
先生は、さらに問うた。
その時の条件とはいかなるものか?
女生徒「A」は、顔を真っ赤にしながら言った。
先生、このような質問は不適切です。
学校当局に告発します。
先生は平然と別の女生徒「B」に同じ質問をふった。
指された女生徒「B」は、当たり前のように答えた。
それは眼の中の瞳です。
瞳は暗いと大きくなります。
それを聞いた先生は、「そのとおり。正解です」。
そして
先生は、女生徒「A」に向けて言った。
Aさん、あなたには三つほど言っておかなければなりません。
一番目に、
授業と言うものはもっとまじめに受けなくてはいけません。
二つ目は、
あなたの心は汚れています。
そして、三つ目は、
あなたが何を考えたか分かりませんが、6倍になるなんて思っていたら、きっと近い内に失望する日がくるでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・