「我が家は母子家庭」。
若いころ、切れる寸前のカミさんの口癖だった。
思い返して、恥じ入るばかりだが、家事や子どもの学校関係など、すべてカミさん任せで家庭の事は一切しない、ぐうたら亭主だった。
出張に明け暮れ、在京中も帰宅はほとんど深夜。
今でこそ、笑い種の一つだが、出張から帰った親父の顔を見て、子どもが泣き出すほどだった。
もう5~6年前になるだろうか、山形の鶴岡市に引っ込んで病気療養に努める高校時代の旧友を訪ねた。
手料理の手厚いもてなしを待つ間、友は奥さんの手伝いに楽しそうに勤しんでいる。
食事と酒の宴の後は、これまた、二人仲良く洗い物と片付け。
その間、二人の楽しそうな会話も弾む。
これにカルチャーショックを受け、帰京して、すぐカミさんに言った。
今日から洗い物はオレがする。
どうしちゃったの?
カミさんは目を丸くし、不思議なものでも見るように言った。
なんか、気味悪いから、変なこと言うのはやめてよ!
それもほんの数日、今では私の食後の洗い物は我が家の常識になっている。
その後、ゴミ出し、風呂掃除なども加わったが、料理だけはいまだ手付かず。
カミさんが寝込むことなど想定し、最低限、飢えを凌ぐくらいは料理も作れるようにと思わぬこともないが、これだけは、いまだに行動が伴っていない。
さて、
数日前、カミさんに言われた。
孫と犬、どっち?
ほんと、わからない人!
それで、冒頭の“我が家は母子家庭!”のカミさんの古い口癖を思い出した次第。
末っ子が柴犬を飼い始めたことを書いた。
それから以後、毎日のように誰に言うともなく口をついて出ているらしい。
あいつ、今頃どうしているかなぁ~?
あいつとは柴犬で、孫たちの事ではない。
カミさんの言うこともよくわかる。
近くに住みながら、息子たちの家に出向くことは、数年に一度がせいぜい。
なのに
末っ子の家には、この10日間に3度も足を運んでいる。
目的は、あくまでも柴犬、孫ではない。
前回、息子が、言った。
もう少しいたら。
孫たちも帰ってくることだし。
今度の楽しみにするよ。
うまく言っておいて。
この前、万歩計で測ったところ、末っ子の家まで片道で約3500歩。
私の足で、25分ほどだった。
往復すれば、ウオーキングにはちょうど良い距離。
嫁に嫌がられるから、ほどほどにしなさいよ!!
カミさんには盛んに釘を刺されるが、ウオーキングに名を借りた孫詣でならぬ柴犬詣では、続きそうである。
一方的に叱られ、嫌みを言われるばかりの日々であるが、そんな我々も今年は金婚式。
結婚記念日は11月21日。
すっかり忘れていたが、釣り師さんの記事が思い出させてくれた。
新婚旅行から帰国の機中で、三島由紀夫の割腹自殺を知った。
あれから、半世紀。
経ってみると月日の流れは本当に早い。
歳のせいか軟弱になっている自分を知る。
久しぶりに三島さんを再読してみようと古い本を引っ張り出した。











