便秘薬(下剤)を飲み続けると、どんな害があるの? | 【神戸市北区】漢方健康みっちゃん先生のブログ【有野台薬品】

便秘薬(下剤)を飲み続けると、どんな害があるの?

前回まで、便秘の3つのタイプについて、それぞれのタイプによって飲む薬も違うということをお伝えしました。

 

 

でも、皆さん、タイプ別に選ばずに同じような便秘薬(下剤)を飲んでおられると思います。

 

 

日本で一般的に使われている便秘薬(下剤)は大きく分けて2つに分かれます。

 

1つ目は「浸透圧性下剤」という分類の下剤です。

 

皆さんも知っておられる方は多いかもしれませんが、
「酸化マグネシウム」がこれに当たります。


 商品名でいうと「マグミット」や「カマグ」です。

 

マグネシウムは腸内で炭酸水素マグネシウムとなり、 

浸透圧維持のため腸壁から水分を奪い、
 便を軟らかくすることにより排便を容易にします。

 

つまり便の水分を増やし軟らかくし、
 排便がスムーズに行われるようにするもので、
 量の調節も簡単でよく使われます。

 

ただ便は柔らかくなりますが、
腸管の動きを良くするという働きはないので、
便は柔らかいけど出ない方には不向きです。

 

また長期間に多量に使用していたり、
腎機能が悪い方では、
血液中のマグネシウムが上昇することがあります。

 

しかし、 便秘薬の第1選択薬として、
 最も頻繁に使用されている薬です。

 

 

 

では、腸の動きが悪くなり、
 便が腸管に停滞するために起こる便秘は、
どのようなお薬を使うのでしょうか。

 

これが2つ目のタイプで、
 「刺激性下剤」に分類される下剤になります。

 

 

皆さんは「センナ」という成分をご存じですか?


 商品名では「プルゼニド」 「センノシド」という名前のお薬です。

 

このセンナという成分は、
腸管を刺激し蠕動を促進することにより、
大変よく効く下剤として頻用されています。

 

また、市販の「コーラック」や「スルーラック」などの下剤

この「刺激性下剤」になります。

 

特に長年便秘で悩んでいる方は、
多くの方がこれらの下剤を使用しています。

 

それだけよく効くのです。

酸化マグネシウムのように、
便を柔らかくするだけでなく、
腸の蠕動も亢進するので、
排便後は非常にすっきりします。

 

しかしこのお薬も欠点があり、
長期に使っているとだんだん効果が
薄れてきます

 

つまりこのお薬には、「依存」「耐性」の問題があり、
同じ量では少しずつ効果が減弱するため、
だんだん量が多くなり、
またこれなしでは便秘が解消されなくなり、
腸管がマヒをして頑固な便秘を引き起こします

 

イメージとしては、
長年腸管を鞭打って便を出してきたために、
最後には疲弊して動けなくなるような感じです。

 

さらに「大腸メラノーシス(黒皮症)」を引き起こし、
 大腸粘膜が黒ずんでいきます

 腸の動きが悪くなり便秘が悪化していくことがあります。

この画像は、久里浜医療センターのHPに掲載されている画像ですが、

左がセンナを長期間服用した女性の大腸粘膜で、

右がセンナを減量していって2年後の大腸粘膜です。

とてもきれいになっています。

 

 

皆さんもよく効くからといって、
軽い気持ちで飲んでいると、
だんだん量が増えていってしまって、

そして、腸も黒くなっていってマヒして弱ってしまいます。

 

だから、刺激性下剤はできるだけ使ってほしくありません。

 

 

また漢方薬では、「大黄」という成分が、センナと同じようなものになります。

 

「大黄甘草湯」はよく効きますが、
大黄が大変多く含まれていて注意が必要です。
よく使われる「タケダ漢方便秘薬」は実は中身は大黄甘草湯なのです。

テレビのCMでは、いかにも腸にやさしい自然な便秘薬というふうに宣伝していますが・・・。

 

 

以上より、センナがメインの便秘薬は、
あまり若いうちから長期で飲まないようにし、
便秘時のどうしてもの時の頓用として使用すべきです。

 

ただし、今までお話ししてきたセンナというのは、センナの葉のことです。

一般的に下剤として使用されているのはセンナの葉が使われていることが多いです。

当店でもセンナの製剤をお勧めすることがありますが、

センナの葉ではなく、センナの実をおすすめします。

センナの実は、葉に比べて刺激が少なく安全に使えるからです。

 

 

 

また、同じ刺激性下剤で、
「ピコスルファートナトリウム」というものがあります。
商品名「ラキソベロン」というお薬です。

このお薬には液体タイプがあり、
水の中に5滴~10滴を落とし服用するもので、
錠剤に比べ微調整がききます。

 

やはり腸管の蠕動を起こしますので、
腸の動きの悪い方には有用ですが、
こちらも依存や耐性の問題はあります。

 

ただセンナよりかはましです。
それでも常用するのはよくないです。

 

 

 

当店では、これらの下剤をなるべく使わず、

腸の機能を高め、腸内環境をよくし、便秘体質を改善していく、漢方薬や天然薬をおすすめしています。

ただし、上記の下剤を長期間ずっと常用している方は、

それらの下剤と併用しながら、だんだん減薬していって、最終的にいらなくなるように目指していくことを

おすすめしています。

 

 

便秘でお悩みの方は、有野台薬品へお気軽にご相談くださいねウインク

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