こんにちは。

今日は昨日の出来事を書こうと思います。

 

昨日の夜、テレワークを終えて

夕食を済ませた頃に彼から連絡があり

急遽ドライブに行くことになりました。

 

時間も時間なので

近場をドライブする感じで

途中、公園に寄ってお散歩しながら

他愛もない話に笑いあい

楽しい時間を過ごしていました。

 

その帰り道…

車の中で通院の話をした流れから

HIVに感染していると

発症しやすい病気の話になったんです。


事前にわかっているなら

検査の項目を増やすことはできないの?

もしその病気になってしまったら、

(治療する事は前提として)どうしたいと思ってる?

この先、数値が上がらないままだったら

病院を変えてみる気は?etc.

 

今思っていること

まだ考えられていないこと

その時の自分の気持ちを

ありのまま伝えて

会話が途切れたのですが…

 

病気のことを話しているうちに

私の心がちょっと不安定になり

一人になりたいという気持ちがこみ上げてきて

彼をシャットアウトするような

態度をとってしまったんです。

 

そんな私を見て

彼は優しく手を握ろうとしてくれたのですが

私はその手を払ってしまいました。

 

自分のとった咄嗟の行動に

心の中で“今ひどいことをしてしまった”

と思ったのですが

直ぐに謝ることができず…

横目に映る彼はショックを受けていました。

 

 

車内は沈黙。

 

 

時間にすれば10分くらいだったけれど

とてつもなく長い時間に感じました。


そして、後悔の念に駆られていたとき、

彼が車を停めたので、心から謝りました。

 

すると、彼は何も言わず私の手を握り

車の天井を見るようにして

私の肩に頭を乗せました。

 

本当にごめんね。

そう言って彼の方に目をやると

涙を流していました。

 

私に涙を見せまいと

隠すように泣いていたんです。

 

その姿を見て胸が締め付けられ、

すぐに彼を抱きしめました。

ごめん、ごめん…と何度も謝りながら。

 

彼は堪えていたものが溢れ出るように

嗚咽を漏らすほど泣いて

私に「ごめん」と言って、こう続けました。

 

ごめんね、こんなに泣くとは…。

自分でもビックリしてる。

でも、傷ついたから泣いたわけではないんだ。

手を払われたのはショックだったけど

傷ついたからじゃない。

 

さっき(沈黙の時)、

アリスの病気のことを考えてた。
治療を続けていくことしかできないけど

他に何かしてあげられることはないか?

今の俺は心の支えにしかならないよな…。

でも、もっとできることはないか?

 

そんなことを考えていたら涙が出てきて、

アリスのためになりたいと思う気持ちが

溢れてきて止められなかった。

驚かせてごめん…。

(私の頬に手を当てて

照れくさそうに笑みを浮かべながら)

アリスは病気のことを

一人で抱え込んで考えようとしているでしょ。

それが寂しいというか…

一緒に良くしていきたいから、

もっと頼ってほしいんだ。

アリスが感じる不安を

全部払拭してあげたい。

 

 

 

驚いた。

嗚咽を漏らすほど泣いた彼にでも、

私の頬に手を当てて笑みを浮かべた彼にでもなく、

どこまでも私のことを思う彼の気持ちに驚いた。

 

 

男の人の涙を見たことがないわけではないし、

男の人だって嗚咽を漏らすほど泣く事もあると思う。

 

けれど、昨日の彼が流した涙は

今まで見たことのない種類の涙でした。


 

言葉に表すことのできない、

私の悔やむ気持ちすらも

洗い流してくれるような…

 

一生忘れられない涙でした。