バンダルの塔

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記事書き終えたところで、内容全部消えた! なんだこれ。。。結構いい感じでまとめられたのに、最悪だ(笑)
しょうがないまた書きます。。。
 
今日は、朝一で美容院に行って髪を切りその後図書館に行く予定が、結局家でグータラ。来週試験だというのに、何という体たらくでしょう。自分で受けると決めてしまったわけですから。それが終われば長野が待っているからとにかく頑張るしかない。社内試験に続いてサクッと合格と行きたいですが、このままじゃ無理だろうな。髪を切って頭はさっぱり、でもやる気はさっぱり。。。(汗) 座布団もらえませんかね??
 
さて、少し前に読み始めた高杉良の小説「バンダルの塔」、やっと読み終わりました。これまで読んできた彼の小説の内容からすると、しっとり始まって中盤にかけて盛り上がり、終わりにかけてしっとりと締めるのが特徴かと思っていましたが、このバンダルの塔は最終章で一気に盛り上がる感じがしました。ただ、登場人物がどの会社の人かわからず読むのに時間がかかってしまったうえに、終盤まではいまいち面白くなかった気が。。。
この内容はイランと日本によるIJPCプロジェクトの始まりから頓挫までを描いています。石油ショック前のイランは有り余る原油とそれによるオイルダラーで潤っていました。イランはその有り余る原油をただ輸出するだけではなく、原油を加工して付加価値をつけたいと考えていました。内政もパフレヴィー王朝独裁のもと安定し、このイランの話に乗ったのが当時三菱商事の後塵を拝し、商社トップを奪還したいと考えていた三井物産を中心とした三井グループと東洋曹達(現:東ソー)だったわけです。当初からイラン人労働者の管理に手間取っていたわけですが、石油危機で原油価格の価格決定権がメジャーからOPECに移ると、原油価格は4倍に跳ね上がり、ますますイラン人をつけ上がらせるきっかけとなってしまい、プライドだけ高いイラン人は単純作業を嫌い、ますます仕事をしなくなります。彼らはプロジェクトの規模だけは大きくしたいと願い、ただでさえ石油ショックでプラント建設資材の価格が上昇し、当初からの建設コストが数倍まで跳ね上がってはいましたが、それでもパーレヴィ国王がいる限りは続けるとする日本の各企業。イランの石油権益がかかっていた当時の日本としては簡単には撤退できなかったというのもあります。2000年代に入ると手に入れた権益が中国の手に渡るなんて当時の人はだれも思っていなかったことでしょうね。余談でした。
すでに、この石油ショックで暗雲が立ち込めてはいたのですが、それでもプロジェクトは続行されたものの、革命のにおいが。ただ、独裁政権を敷いていたパフレヴィー朝は安泰、そんなに簡単に倒れないと思っていた現場。しかしながら、あっけなくパーレヴィ国王はイランを脱出、パフレヴィー朝はいとも簡単に打倒されてしまいました。実質王とのプロジェクトであったIJPCプロジェクトもとん挫を余儀なくされ、イランを一時撤退するというところでこの話は終わります。てっきり、イラン革命ですべて終わったのかと思いきや、1990年代までプロジェクト自体はすすめられたようです。結局IJPCは清算に追い込まれますが。
 
昨今、中東やアフリカで革命により独裁政権が打倒されましたが、このイラン革命はその先駆け的なものだったような気がします。灼熱のバンダルシャープールで荘厳なプロジェクトを遂行しようとする当時の日本人のたくましさ、熱い志がすごく伝わってきました。私のような冷めた人間からすると本当に格好いいなと! バンダルの塔とは当時建設されていた巨大プラントをバベルの塔と絡めたようです。砂上の楼閣といってもいいのではないでしょうかね。この小説では中心の三井物産よりも東ソーの社員に焦点が当たっています。何事もどこで撤退を決断するか、これって株にも言えることですが、いくら熱く語ったところで、見込みがなければ無駄な資金を投入するだけに終わってしまう可能性もあるわけですね。ただ、物産の威信回復、日本の石油権益拡大など様々な思惑がある中で冷静になって撤退できるのかといえば、難しい話ですよね。出来上がったところで黒字で操業できるかもわかりませんし。。。ただ、主人公の最後までプロジェクトを進めたいという意思はすごかったなと。
 
さてさて、次の小説は城山三郎の「鼠」。第一次世界大戦にかけて三井・三菱を凌駕するコンツェルンになった鈴木商店について書いている小説です。なんで鼠と思うんですが、まだ読み始めてばかりなのでわかりません。鈴木商店の金子直吉といえば、小脳取引や第一次世界大戦を読み、投機的買いつけによって鈴木商店を業界の頂点へと、そして大戦後の不況を見誤りこの鈴木商店を破滅へと追いやった人物というのが頭にあります。
まさにバブルに乗った企業の代表格とでもいいますか。でも結構優良な企業をグループに持っていたんですよ。今も残っているところで神戸製鋼所、帝人、日商岩井(現:双日)、石川島播磨重工(現:IHI)など、地味ではありますが、現在までしっかりと生き続けています。鈴木商店破綻後は多くのグループ企業が三井財閥の手に渡ってしまったと何かで読んだような。。。
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