家の引出で手袋を探しながら、ふと、昔読んだ「手袋を買いに」を思い出しました。
人間の優しさを表現した話だと思うのですが、引っかかるところが二点あります。
一つ目は、母きつねの足がすくんでしまった後、子ぎつねだけを人間の町へ行かせたことです。
私も子どもの親ですが、自分が恐ろしくて行きたくないところへ、子供だけを行かせるということは、絶対にしません。
全体を通して、母きつねが子ぎつねを愛していることは疑いないのですが、それならば子供だけを人間の町へ行かせるというのが、腑に落ちません。
二つ目は、店の人が子ぎつねからお金をもらうところに引っかかります。
例えば、本当は新品だけど、売れ残りの手袋ということにして、タダであげることにした方が、より優しい話になると思います。
お金を要求すると、冷徹な商人という印象が残ります。
反面、きつねであることがばれたのに、害意を持たれなかったという点が話の焦点ですので、手袋をタダであげてしまうと、焦点がぼけてしまうという弊害はあります。
そんなことを考えていると、モヤモヤして納得がいかない話だなあと思います。
子どもの頃は、胸が暖かくなる話だと思っていたのですが、現在読むと、単純に胸が暖かくなるだけではない気がします。