リウマチは免疫に関する病気なので

免疫に関する本は興味がある。

 

医学書は無理なので、

一般向けに書かれた本ですが^^;

 

先日読んだ本は

「遺伝子が語る免疫学夜話」

橋本求先生著 (2023年)

 

 

人類が感染症と闘ってきた歴史を振り返り、
なぜ「自己を攻撃する病」が起きるようになったのかを推察。

 

私自身の覚書として、

書き留めさせていただきます。

 

メモ

 

 

ー序章「免疫学」から学ぶことーより

 

自己免疫にかかわる遺伝子が生まれた理由について

「自然選択説」の考え方…

致死性の高い感染症(マラリアやスペイン風邪など)が発生したときには、その感染症に対する抵抗性をもつ遺伝子が自然選択された。

 

発病のきっかけとなる環境について

「衛生仮説」の考え方…

若い頃に非衛生的な環境で暮らすことが

アレルギーや自己免疫疾患の発症を防ぐことにつながる。

 

 

ー第11章 顎の出現とともに現れた病ーより

 

<「危険」か「危険」でないか>

 

PAMPs…自然免疫が病原体由来の物質を見分けるために

目印とする分子構造のパターン。

 

感染微生物由来の物質は「危険」なので、

免疫を活性化する。

 

DAMPs…ダメージを受けた細胞に由来する分子構造。

 

「自己」の成分であっても、

炎症によって細胞死が起こり、

その中身が放出されたような場合は、

DAMPsによって「危険」として認識され、

免疫現象が惹起こされる可能性がある。

 

 

<現代社会における免疫活性化の引き金>

 

様々な感染症や環境由来の物質が、

免疫活性化や自己免疫のきっかけとなる。

 

 

・感染症の場合の例…

 

新型コロナ感染症などのウィルス感染の後に

自己免疫疾患を発症することがあるのは、

PAMPsによるため。

 

歯周病は、歯肉部に感染微生物がいて

PAMPsが存在すると同時に、

慢性の炎症がDAMPsとして働くため、

それが免疫系を刺激し関節リウマチなどの

自己免疫疾患の発症原因となる。

 

 

・感染症でない場合の例…

 

過剰な紫外線に当たって皮膚に炎症がおき、

表皮細胞に細胞死がおきた場合には、

DAMPsとして認識され、

全身性エリテマトーデスの悪化要因となる。

 

喫煙や粉塵、PM2.5などの吸引が

関節リウマチの自己抗体の産生原因となる場合がある。

 

 

ー終章 免疫進化のガラパゴスーより

 

<清潔社会と自己免疫のリスク>

 

清潔な生活様式は、

感染症のリスクを減らす一方、

将来の自己免疫疾患の発症リスクを増やす可能性がある。

 

私たちの体の中には、

先祖が様々な感染症を生き抜いて

獲得してきた免疫を

活性化しやすい遺伝子が存在している。

 

幼少期に様々な感染症を経験し、

それらの遺伝子を適度に働かせるとともに、

それらを働かせすぎない仕組みを育てておかないと、

大人になってから初めて生態が

「危険」と感じる何らかのシグナルが入った場合に、

免疫が過剰反応して自己免疫につながってしまう可能性がある。

 

 

(「遺伝子が語る免疫学夜話」より)