先日、新聞に阿修羅像のことが載っていました。



復元すると、もとはこんなに真っ赤だったとかガーン

私は今のほうが好きです。

親しみがあるからでしょうね。



私はお寺や仏像が好きですが、阿修羅像は一番好きです。

数年前、阿修羅像が東京でお披露目されてから、
阿修羅ブームが起きました。

私としては嬉しくもあったのですが、
恋人をとられたような複雑な気持ちも(笑)



阿修羅像を語るとなれば、萩尾望都さんの漫画のことを
書きたくなります。

「百億の昼と千億の夜」の原作は光瀬龍さんです。
萩尾望都さんの阿修羅を見た時、衝撃が走りました。






終章の阿修羅の苦悩する場面が、
興福寺の阿修羅の苦悩している表情と重なります。



最終章の阿修羅が転輪王に問いかける場面より


転輪王「この内の世界では二千億年の昔、
    原初の時点から時は流れ始め
    二千億年のかなたでやむ。

    しかし、それすら外の世界の無限の広がりに
    比べれば、超時間のほんの切片だ・・・」

阿修羅「‘シ”とは二千億年すら一片となす無限の時を
    支配する超越者のことか?」

転輪王「阿修羅よ
    すべての時にも人の心にも願いは常にあった。
    
    願いとは・・・
    なんだったのだろうか?
 
    神・・・
    超越者にとって、われわれや宇宙はなんだったのか?

    われわれの
    存在の意味とは?

    私は、ある時幻を見た・・・
    見たと思う。

    それがなにかはわからない。

    それをお前に見せよう・・・

    それを見た後でどうするかは・・・
    おまえが自分で道を選ぶがよい。

    元来た道をもどって行くか

    さらに先に進むかを」

    




阿修羅「転輪王・・・!
    あれらは何者だ・・・!

    わたしたちはなんなのだ
    
    どうすれば真の道へ行けるのか

    この世界の外にさらに大きな世界の変転があり
    さらにその世界の外に世界が

    そしてまたその外にも   
    さらに永遠に世界が続くのなら

    私の戦いはいつ終わるのだ・・・?」


   ーすでに還る道は無い
    また新たなる
    百億と千億の日々が始まるー
  

              🍀「百億の昼と千億の夜」より