作:松田美優
イラスト:奈良千春
2009.3
超個人的評価:★★★+☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


彼女を作るよりも男友達とつるんでいる方が楽しい。
そんなごく普通の高校生、智鶴はふとしたことから二つ年下の綾子と付き合うことになる。
少しぎこちなくて、おだやかで優しい関係に「付き合う」ってこういう事かと思い出した
頃、智鶴は彼女の兄である秋成と出会った。
トラックの運転手をしているという秋成のひりひりした瞳に絡め取られる智鶴だったが……


恋人の、兄との恋。
高校生で、まだ子供っぽいの智鶴が年上の男に惹かれていく過程は自然でした。
その逆、秋成がなんで智鶴に惹かれたかはちょっと弱い気もするけど。
ただね、全体的に葛藤成分が足りない気がするんだ。
恋人の兄と色々あってそういう関係になってしまった時も、その恋人に対する想いも。
恋人がいい子ちゃんすぎるのもちょっと疑問でした。
もうちょっとこうぎすぎすどろどろした展開を期待していたのでちょっと肩すかしというかさ。


個人的にはそれよりもなによりも作中に2回も出てきた「グレーチング」という言葉に視線釘付けでした。
グレーチング……
この言葉は一般的なのか?
あ、ものはよく側溝とかにはまっているあみあみの金属のふたのことです。
ちなみに本文中にその説明はなし。っていうか、しいてグレーチングという言葉を使う必要も
ないシーンだった。
うちの親が土木関係なので家では普通に出てくる言葉ですけど。

なんだか変な方向にテンションが上がってしまったことだけ書いておこうと思います。

夜空に煌めく星の下 (SHYノベルス)/松田 美優
¥903
Amazon.co.jp

作:栗原ちひろ
イラスト:THORES柴本
角川書店(ビーンズ文庫)
2005.9
超個人的評価:★★+☆☆☆

オペラ・エテルニタ 世界は永遠を歌う (角川ビーンズ文庫)/栗原 ちひろ
¥500
Amazon.co.jp

病を負って旅をする薬師で剣士の青年、カナギ・サンスイ。
とある因縁から追われるカナギは、追撃者たちを倒しながら自分の罪を償うためあるものを求めて旅をしていた。
ある日出逢った完璧な美貌を持つ自称詩人の男。
その人を食った言動にいらつくカナギだったが、運命に導かれるように再び男は彼の前に現われて……


決して読みにくい文章じゃないんだけど、なーんか話に入り込むのに時間がかかりました。
キャラクター?設定?世界観?
その理由は自分でもはっきりしないのだけど。
物語の流れとか、キャラクターの掛け合いなんかはちょっと前の少年系のラノベの流れかなあと思いました。


物語は色々と謎を残しつつ。
これ一冊で完結というよりは長い話の第一巻って感じです。

作:美樹静
イラスト:如月弘鷹
白泉社(花丸文庫)
2003.4
超個人的評価:★★★-☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


両親を凄惨な事故で亡くして4年、15歳の陸は義父の双子の弟でカメラマンの夏生と一緒に暮らしている。
まだ若々しく、優しい夏生が大好きな陸。
たまたま知り合った夏生の仕事相手でトップモデルの章子に束の間母親の面影を見るが、彼女が夏生との結婚を匂わせたため、思わず手ひどい言葉を投げつけてしまった。
ところが数日後、その章子が死体で発見されて……


いつも良い意味であんまりBLらしくない作品を書くのが美樹さんの持ち味だけれど、今回はちょっと着地点を見失ってしまったような感じがしないでもない。

義父(母親の再婚相手)の弟との恋愛と、殺された女優を巡るサスペンスと。
ふたを開けてみればどっちがメインなのかわからないというか、ちょっと軸がぶれてしまった感じというか。
特に恋愛に関しては惹かれあい、さらには肉体関係も含めてくっつくまでにはちょっと色々弱いかなあという印象をうけました。


いっそこの流れだったらBL部分よりもサスペンス部分メインの方が読み応えがあったかも。


八月の疵痕 (白泉社花丸文庫)/美樹 静
¥580
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作:榎田尤利
イラスト:やまねあやの
角川書店
2009.12
超個人的評価:★★★★☆

妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず/榎田 ユウリ
¥1,470
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突然発見された妖怪のDNA。それを持つ「妖人」は人とは異なる力を持っていることが多い。
そんな妖人の犯罪を取り締まる警視庁妖人対策本部に新しく配属された脇坂は、妖怪を愛する新人刑事だ。
ベテラン刑事のウロさんに連れられて彼がやってきた巨大なお屋敷に住んでいたのはお茶室「妖琦庵」の主で、口が悪いが頭の切れる男、伊織だった。
少しずれた夢と希望に燃える脇坂に手ひどい一撃を食らわせた伊織だったが……


一つ一つの設定自体にはそれほど目新しさはないけれど、榎田さんはやっぱり上手い!!
話の持って行き方や個性的なキャラクター、それからお話の底にある毒がたまりません。
ずれているけどやたらポジティブな新米刑事と、ベテランだけどなんか苦労人っぽい刑事のウロさん。毒舌が素敵な茶道師範伊織に彼の家に住んでいる若き家令とショタ分担当の小豆洗い(でも実年齢は二十歳)。

とってもおもしろかったのだけど、なぜこれをハードカバーで出したのかしばらく悩んだ記憶があります。一体どの層をターゲットにしてるのかなあと。
ハードカバーって聞いて、最初は普段ラノベを読まないような層をターゲットにしてるのかなあと思っていたけれど(なんか一時期そういうの流行りましたよね?)表紙は思いっきりマンガ絵。
やまねさんの絵は好きだから個人的にはとってもうれしいよ。うれしいんだけど、なぜ。
となるとやっぱり小金を持ったお姉様方か?
榎田さんの本を読むためなら金にいとめはつけない(とまでいったらさすがに大げさだ)けど、ハードカバーは場所を取るので個人的にはちょっと厳しい。
それでももちろん買うけどね!!


内容的には軽めの講談社ノベルズくらいかなあ。

探偵は出てくるけどミステリというほどではなく、ラノベ風味で、ええと薬屋シリーズみたいな感じです。


伊織と青目の関係性に踊らされていると知りつつもにやにやしてみたり、たまたま放蕩長屋シリーズを読んだばかりだったので伊織の職業(茶道師範)にもときめいて
みたり。

裏表紙で思いっきり青目の正体ネタバレしてないかと冷や冷やしつつ?
続きをお待ちしております。

作:玄上八絹
イラスト:竹美家らら
幻冬舎(ルチル文庫)
2008.8
超個人的評価:★★★-☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


信乃は人間の細胞から作られた「犬」だ。
犬の仕事は危険な現場で人の代わりに働くこと。
警視庁に備品として存在する信乃とコンビを組むのは無愛想な刑事、智重。
ただひたすらに「主人」である智重を慕う信乃に、智重の態度はいつも冷たい。
身体をつなげてもつながらない心に信乃は……


玄上さんの話は毎回ピンポイントにツボをついてきてくれるんだ。
人外とか人外とか健気受とか。
だけど、どうも文章に慣れるまでに時間がかかります。
具体的に何って言いにくいんだけど、今ひとつ共感しづらいです。

過去に疵を持つせいで目の前の存在に優しくできない不器用な攻と、ただただ彼を慕う受と。
もともと「主人」を慕うように造られているとか、主人との関係が上手くいかないと不安定になるとかそういうのがいちいちツボなんだけどなあ。


攻の心情と事件や流れや、全体的に今ひとつ唐突な感じがするのですが、受の健気さとシチュエーションの切なさに押し切られた気がする。


しもべと犬 (幻冬舎ルチル文庫)/玄上 八絹

¥580
Amazon.co.jp

作:秀香穂里
イラスト:祭河ななを
徳間書店(キャラ文庫)
2003.9
超個人的評価:★★-☆☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


ゲーム会社に勤める澤村は少し傲慢なところがあるが自他共に認めるやり手広報。
ある日、新しいゲームのために移籍してきたトップディレクター、水嶋の担当になる。
高いプライドと、それに負けない実力を持っているという水嶋に興味を惹かれる澤村だったが、なぜか水嶋の態度が澤村にだけ冷たい。
あの男を押し倒したい、そんな欲望に駆られる澤村だったが……


ゲーム会社の広報×ディレクター。
世界観が世界観だけにイラストの二人のキラキラっぷりや美形設定にファンタジーだよなあなんて思っている私はBL読者失格なのかも。
(ゲーム業界の皆さまごめんなさい)

入り口から少しさめた視線で眺めてしまったので、あんまり作品には入り込めませんでした。
作中で作っているゲームがものすごく(僕夏+動物森÷2)な感じで、それがなんか笑えて笑えて、それもひとつさめてしまった原因かもしれない。


クールビューティ設定の受が最終的にはわかりやすくかわいこちゃんになったのが残念。
最後までつんつんしていてくれた方が楽しいです。
一方の澤村もなんだかあっさり改心というか、傲慢キャラだったら少しは痛い目にあってくれた方(逆に受にすがる展開になるとか)が安心して読めるんだけど。


タイトルにまつわるエピソードがすごくちょびっとだけ出てきたんですが、なんか今一とって
つけた感というか、ういている感じが否めない気はします。

くちびるに銀の弾丸 (キャラ文庫)/秀 香穂里
¥560
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作:諸口正巳
イラスト:タカハシ
中央公論社(C☆NOVELS)
2008.1
超個人的評価:★★★-☆☆

不死身のフジミさん―殺神鬼勧請 (C・NOVELSファンタジア)/諸口 正巳
¥945
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出張先で突然謎の犬男に撲殺されてしまった窓際社員の富士見さん。
気がつけばうさんくさい自称医師の城田に助けられ、しかも体はまったくの無傷。
宿についたとたん見たこともない二人組につかまり、かけられた言葉は
「フジミ、三〇〇年ぶりだな」?!
次々と襲いかかるピンチに富士見さんの運命は……


ヘタレのおっさんがなんだか大がかりな争いに巻き込まれ、気がつけば何かに操られて殺人鬼に変身させられるという話。
どかばきぐしゃあで相変わらずグロ多めですが、それはあんまり気にならなかったな。
お人好しでおおらかすぎる富士見さんはちょっとかわいいけど、色々なことをまあいいかで放り投げすぎていてちょっと心配になる。
もうちょっと色々追及しようぜオジサン!


キャラクターとか組織とか設定とか、一巻にしてはちょっと詰め込みすぎでごちゃごちゃ
した印象でした。
色々大変な設定だから仕方ないのかもしれないけれど、続いているんだから細かいことは二巻以降とかじゃだめなのかなあと思わなくもない。
続きどうしようかなー。

作:田中芳樹
イラスト:CLAMP
講談社(講談社文庫)
1995.8
超個人的評価:★★★+☆☆

創竜伝(6)染血の夢 (講談社文庫)/田中 芳樹
¥680
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竜の姿で海を越えた四兄弟はアメリカにいた。
森の中のコミュニティに身を隠し、束の間の平和な生活を満喫する彼らだったが、巨悪の権力が彼らを放っておくわけはなかった。
送り込まれる刺客を次々に倒していく竜堂ブラザーズに、敵はついに大陸横断殺人ビームを放った?!
茉理を人質に取られしまった四人の運命は……


四兄弟アメリカ編。
敵や権力に対する立ち位置や毒舌はあいかわらずでおもしろい。
舞台がアメリカだけに敵の突拍子もなさもバージョンアップです。
日本が舞台じゃ絶対に超能力集団とか殺人ビームとかは出てこないよね。


今に始まったことじゃないけどさりげなく茉理ちゃん最強伝説が幕を開けていた。
こんなんじゃ悲劇のヒロインらしくないわなんて言いながらも決して悲劇のヒロインには
なりえない彼女はとてもかわいい。
強い女の子はいいなあ。

作:藤代葎
イラスト:水名瀬雅良
太陽図書(SHYノベルズ)
2009.2
超個人的評価:★★★-☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


誰も自分を知らないところでやり直したい。
そんな思いを胸に、夏南は幼い頃一度だけ訪れた海辺の町にやってきた。
たまたま立ち寄ったカフェで紹介された住み込みの雑用の仕事を通じて偏屈なカメラマン洸陽と出逢う。
初めは無愛想な上偏屈な洸陽に面食らった夏南だったが、次第にその無骨な優しさに惹かれ初めて……


雰囲気とか話の流れは好みだったんだけど今ひとつ内容に入り込めず。
そもそも夏南がやり直したいと思った理由がちょっと唐突だった気がする。
逆にもっとベタベタの方がわかりやすかったかも。
好きだった人に性癖がばれて拒絶される……とかさ。


無口でクールな洸陽さんには最初もっと怖い人でいて欲しかったかもしれません。
割と最初からいい人風味なので。

全体的にサクサクお話が展開しすぎて、もったいない気がしました。

スイート・セプテンバー (SHYノベルス)/藤代 葎
¥903
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