作:北原理生
イラスト:北畠あけ乃
太陽図書(SHYノベルズ)
2008.5
超個人的評価:★★★★-☆
この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。
妻と別居中の野田のもとに数年ぶりにかかってきた一本の電話。
それは大学時代、わずかな時間を共有した男、若杉からだった。
しばらくの間泊めてくれという申し出を断ることは容易だった……けれど、受け入れてしまったのは一体なぜだろう。
長い時間を超えて始まった、熱病のような恋は……
ひどく臆病な男と、ひどく優しい男の恋の物語。
主人公の野田の「私」という一人称からか全体的に文学っぽい印象を受けた。
臆病だからこそ自分の幸せを受け入れ切れない野田は、些細なことをきっかけにぐらぐらと揺れる。
対する若杉の優しさも野田の言うことを受け入れる優しさであり、逃げる彼を追わない優しさだ。
この行き違いがとても切ない。
そういう微妙で繊細なゆらぎを読ませてくれる作品だと思います。
結末は、正直そこで終わるの!!?とすごくびっくりしました。
ハッピーエンドはまだまだまだ先にある感じです。
二人の関係も不安定で脆そうで……だけど、だからこそすごく綺麗だ。
この曖昧さはすごく心臓にわるいけれど、その分印象深い。
あああ、もうなんだか上手く言えなくて悔しいです。
とにかくこれは読んでみて欲しい。
あなたの目で、心で確かめて欲しい。
そんな作品です。
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