作:京極夏彦
講談社
2003.11
超個人的評価:★★★★-☆
妖怪。
それは現象を伴った概念として存在する。
ここにいるんだけどいない存在。人間がいるかもしれないと知覚したときにだけ実体化して、湧く。
世界中で人がそう感知すれば同時多発的に発生することもできる彼らは、しかしそれぞれに人格(妖怪格?)ももっていて・・・・・・
本作の主人公は豆腐小僧。
大きな頭に傘をかぶり、両手に持った盆の上にも紅葉豆腐を乗せて立っている。時に舌を出して豆腐をなめてみたり、片足でぴょんぴょんはねてみたりする。そんな益も害もないちょっとまぬけな妖怪。
人の気配のないあばら屋に湧いたがいいがどうしていいやらわからない。
臆病な小僧は豆腐をぷるぷるさせながら、外の世界にさまよい出て行く。
豆腐小僧を筆頭に、家鳴りに達磨、化け猫、死神、鬼火、狸に狐も巻き込んで進んでいく、まったく新しい妖怪本。
妖怪の解釈が新鮮で面白かったです。
民俗学とかの視点で見ると確かに妖怪は概念なんでしょう。
それを物語の中に組み込んでしまったのがすごい。
普通の妖怪モノは妖怪は実体として存在するっていうところは暗黙の了解みたいなもんですからね。
江戸っ子風?の地の文語り口も好きでした。
ただの概念からとキャラクターを持ち始める豆腐小僧の口調が、途中から奇談シリーズの敏生に思えてきてなんだか笑えました。
「~ですよう」とか・・・・・・
たまたま読んだ時期が近かったからだけだと思いますが。
いや、キャラは似ても似つきませんが。
この本外見も正方形で、豆腐チックでよい感じです。
既存の妖怪にうんざりしはじめた方にオススメかもしれません。
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