いよいよシリンダーヘッドの分解に取り掛かります。
エンジンブローしたエンジンですが、ブローした原因は・・・
カムカバーに穴が開いています・・・
こっちは正常です。
カバーを外した所です。
ローラーロッカーアーム方式という機構が採用されています。
こちらも低フリクション、低騒音を狙っての事でしょう。
ロッカーアーム、ピボットの数が足りません・・・
オーバーレブにより、ロッカーアームが外れ、カムシャフトとカバーの間に挟まり、カバーを突き破ってしましました。
ロッカーアーム脱落は、アプライドA型B型は多いトラブルのようですが、オーバーレブには注意しましょう・・・
カムシャフトです。下の大きな丸い部品が可変バルブ機構のプーリーになります。
この中の油路を切り替え、バルブタイミングを変更しています。
バルブタイミングを変更して何をしているのか?と言いますと・・・
・低負荷時はオーバーラップを無くし、排気ガスの吹き返す事を防いでいます。燃焼室内に綺麗な混合気をしっかりと吸い込み、
燃焼を安定させ、燃費向上を図っています。
・中負荷時はIN、EXバルブの開閉タイミングを変え、排気ガスの一部をシリンダー内に戻し、排気ガスの清浄化を行っています。
燃焼温度を下げ、NOXを減らし、HCを再燃焼し、HCを下げる(内部EGR)
と、同時に排気ガスが燃焼室に残っている為、酸素濃度が少なくなっているので、スロットルを大きく開き、ポンピングロスを減らし、燃費向上を行っています。
最近のエコカーもEGRを使用しているのは、少しでもポンピングロスを減らし、燃費を稼ぐ目的があると思います。
・高負荷時は、エンジン回転数に応じて閉じるタイミングを遅らせていきます。
混合気の流れる慣性に合わせ、混合気を効率よく燃焼室に送り、パワー向上を行っています。
可変バルブタイミングを採用しているのは、パワーと燃費&低排出ガスの両立を行う事が出来ています。
・・・と、いう事です
シリンダーヘッドです。
エキゾーストバルブがナトリウム封入中空バルブになっています。
採用されているのはRB26、VR38等のハイパワー志向の車に採用されています。
最近だと、N-WGNにも採用されています。
常温ではナトリウムは固形になっています。中空の中身は全てがナトリウムで満たされて無く、
空洞がすこしあります。バルブの傘が高温に晒され、中のナトリウムが溶けだし、中でナトリウムが動き出します。
動いたナトリウムがバルブガイドの方へと熱を移動させ、バルブの放熱性を上げ、ノッキング対策を行っています。
バルブの傘を切って、中身を見たいのですが、後処理が大変なので、写真はありません(汗)
気になる方は画像検索してみて下さい。