高校教員をしている夫が、生徒から受けた悩み相談についてを、話してくれました。

「相談の詳細は話せないけど、彼女は今の教育のあり方について、疑問を感じているみたいでさ。で、相談を受けている最中、前にアリサが“これから時代も変容して、教育のかたちも変わってゆくと思う”って話していたことを思い出して、その子へ、“僕の奥さんがそんな可能性を話してて····”って伝えてみたら、その子の目が輝いたんだよね」と。


時々そういった話を一方的にしていたけれど、彼の返事ときたら「はいはい」と素っ気ないばかり、まったく意に介していなさそうだったのに、多少耳に残ってはいた····言っておくものだな。そして生徒へ話したということは、サラサラ絵空事とは思っていない、ということよね。


その子が思い描く、理想の教育のかたちってどんなだろう。

彼女が高校生の間には、大掛かりな教育の改変は間に合わないかもしれないけど、1人の生徒の人生を展開させたいなら、身近なことを少し変えれば充分なケースもあるだろうな、とも思ったり。

(この間、ワークのお客さんとも教育の話になりました。今がいちばん教育費の負担が大きく感じる時代かもしれないね、など。娘が成人する頃には、大学の価値もガラリと変わっているはず)


それから、その子に訪れた一瞬の変化を見逃さずに「目が輝いたんだ」と表現した夫に対して、あなたは紛れもなく芯から教育者だよ、と胸がじんと温かくなりました。(だからこそ、なぜ教職から一度離れてしまったんだ?と惜しい気持ちにもなる)


教育現場の話を彼から聞く度に、わたしには踏み入れない領域だなと肌で感じるばかりです。縁もゆかりもなかったはずの世界を、小さな窓から覗かせてもらっているような。

そして静かに覗くだけで もう満足で、その中に立ち入ろうとは、やっぱり思わないんですよね。


生徒の輝きを見逃さなかった夫の輝きを、次はわたしが見逃さなかったわけです。そういう連鎖って尊くて美しいなと、我ながら思います。その連なりがあちこちで、永久に続く世界になっていけば良いのにな。


うと ありさ  ✪︶✪︶✪︶✪︶✪


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