ある調査によると2006年から2022年の16年間で国内の書店数は44%も減少したという。高齢者の増加や若者の読書離れ、電子出版の増加やamazonのようなオンライン書店の台頭など、様々な要因があるようだ。

 

日本独自の構造的な問題もある。再販価格維持制度によって、書店の粗利は22%と決まっている。1000円の本で220円しか利益が残らず、そこから人件費、家賃、光熱費をまかなわなければならない。

 

また出版社と書店の間に立つトーハンなど卸会社の力が大きく、書店が自由に本を発注出来る体制にもなっていない。一方でアメリカでは2020年ごろから独自な品ぞろえや、イベント開催など新たな魅力を打ち出す独立系書店が増加、40-50%の粗利を確保する書店も出現している。

 

日本でも最近になって地域に根差した書店づくりや専門書をそろえた独立系書店の気運が生まれつつある。

 

気軽に素早く情報を手に入れられるインタ-ネットは大変便利で、多くの知識を私たちに与えてくれる。一方で長年の知識や経験に基づいて執筆された「本」を読むことは、体系的な知識や深い知見を得る重要な機会となる。

 

街の本屋で一冊の本と出会い、新しい感動や視野を広げる経験は、時代が変わっても受け継がれて欲しいと思う。