<第3子長男1か所目⑤/3か所中>
第3子を原チャで保育園に運ぶ。
大雨の時はどうしていたのか、思い出すことができない。
必死すぎると記憶は飛ぶから。
タクシーに乗ることに罪悪感を抱く私である。
母親からの刷り込みだ。
そこはまたいつか書く。
ひとつ。
わすれられない傷がある。
帰宅時に大雨だった。
大雨。
風速が速く、横殴りの雨だ。
子を迎えに行かなければ。
原チャは無理だ。
車通勤の職場の先輩の車を借りた。
頼み込んで借りた。
先輩が買ったばかりの新車だ。。。
大雨の中、長男を保育園に迎えに行く。
急いでピックアップ。
大急ぎで職場に帰る。
先輩を待たせているんだから。
大雨で外は真っ暗だ。
初めて乗る車。
先輩の買って数日後の新車。
一刻もはやく返さねば。
職場に着く。
車止めのなんてない。。。
着いた。
停めた。
もう少しまっすぐ停めよう。
ガリ。
ガリガリガリ。
車の前部分をコンクリートの壁に擦った。
気が動転。
どうやったら傷を深めずにバック出来る?
ガリ。
ガリガリガリ。
もうだめだ。
ハンドルと脳が連動しない。
身体中を血がぐるんぐるん高速でめぐる感覚が書きながらよみがえる。
もうだめだ。
先輩に事情を話す。
謝罪しまくる。
大雨の中、擦った部分を確認する。
どうしてあの日。
大雨のあの日。
先輩に運転してもらって、子を迎えに行くことをなぜ頼めなかったんだろう。
今、冷静に考えて、あの先輩なら、頼めばかなえてくれたはずだ。
いや、でもその時の私にそれは出来なかったと、今でも思う。
そんな気持ちになれる当時の私ではなかった。
気持ちに余裕がない。
冷静な判断が出来ない。
はやく、はやく、はやく。
迷惑をかけるのは嫌だ。
頼むストレスを少なくするには、車だけ貸してもらうのが精いっぱいだった。
そして大きく迷惑をかけることになる。
これ、私のパターンだ。
車の修理代だけお支払いした。
もちろんお詫びはしたが、それ以上は無理だった。
私の記憶から消してしまいたかった。
誰にも言えてない記憶。
そして忘れられない記憶。
今も。