長女の私が第一子を生んだ。

願った通りの女の子。

 

私は長女あるあるで、べきねば思考に凝り固まった、がちがち頭だ。

 

子どもは母乳で育てるべき。

育児日記は何から何まで事細かく書くべき。

 

産後退院、ただでさえ睡眠不足。

育児日記は忙しい。

おしっこの量、時間。

うんちの色、形、量、時間。

睡眠時間。

母乳の時間。

その合間に搾乳。

1人目育児はいちいち心配だ。

寝てたら息をしてるのか。

しゃっくりしたら苦しいのではないか。

げっぶはでたのか、これでいいのか。

 

寝ていないからいつも頭が痛かった。

見かねた母が、私が育児日記を書くことを止めた。

聞きやしない。

 

良い母でいたかった。

良い母と言われたかった。

 

寝ていない。

母乳の出が悪い。

でもミルクは飲ませたくない。

母乳で育てるんだ。

 

新生児検診。

長女の体重は減っていた。

医者にこの時期体重が減るのはおかしい。

1週間後に体重が増えていなかったら、入院してなにか病気がかくれていないか調べましょうと言われた。

 

母乳が出にくいせいだとわかっていた。

だから、いっぱい飲ませなきゃと思った。

ミルクも飲ませたけれど、赤ちゃんは飲むのが楽なミルクに慣れると出にくい母乳を飲まなくなる、と焦る。

 

そして育児日記は書き続ける。

睡眠時間は慢性不足。

 

1週間後、案の定、長女の体重の伸びが悪い。

もう降参だ。

 

母子入院をした。

いくつもの検査を長女に受けさせる羽目になった。

ごめん。

病院では、長女の体重管理をしながら足りない分のミルクをどんどん飲ます。

当然だ。

私は母乳で長女を満たす母でいたかった。

 

同時にもう私は降参したかった。

病院は、やっと私を降参させてくれた。

 

長女の身体に問題はなく、母乳不足が原因だった。

2週間入院。

 

降参は完了した。