3人の子どもの子育てをしている専業主婦の知り合いがいた。
ご主人の仕事柄、全国区で引っ越しがあるそう。

引っ越しをし、その土地を知り、愛着が涌き始めると、また次の土地に引っ越すというサイクルらしく、私に対しても、割とスピーディーにグイグイくる彼女。
そんな彼女は節約を愛してやまないらしい。

ある日、お呼ばれした。
育ち盛りの子どもちゃんたちにと思い、季節の果物を手土産にして、おじゃました。
彼女は、話し相手に飢えていたみたいでガツガツと話を始め、やがで話題は「節約」になった。

「節約」になると一層、熱くなる彼女。
色々と節約レシピを伝授してくれた。
すると「あっ❗今、いくつかあるよ~❗」と冷蔵庫から4つの、ラップがかかった皿を出してきた。

① 野菜の皮きんぴら
② 野菜の皮かき揚げ
③ 野菜の皮スープ
④ 野菜の皮ふりかけ だ。

全てが、野菜の皮中心。
節約のためか、素材の味がよくわかるようにか味付けはシンプルに塩のみ。

材料は主に人参、ゴボウ、じゃがいも、さつまいもの皮がスタメンらしい。
が、彼女曰く今日は少し運がいいらしい。

今日のかき揚げには、青ネギの根っこ入れてるんだよと、満面の笑みで教えてくれた。

この家に買われた野菜達は、本当に幸せだろう。野菜たちの思いを越えて、皮も根までも使ってくれる。エコの極みだ。
ただ、私にとってはなかなかきびしい時間であった。

その日の晩、落ち着きを取り戻したわたしは野菜の中身(❔)はいつ食べてるのかと、手土産に持って行った柿と梨の皮の行方が気になった。

数ヵ月後、彼女は引っ越した。

この季節、柿と梨を見るたび彼女を思い出す。