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帰宅後。
心が完全に彼への不信感で埋め尽くされていて、彼との記憶を思い返せば思い返すほど、一緒にいいる未来が見えない。


(もう一緒にいたくないな…)


心はずっと前から決まっていたのに、気付かぬフリを続けていたような気がする。
気づいてしまったら私は独りぼっちになってしまうから。
私のこの数年間は何だったんだろう、と感じてしまいそうだったから。

彼の事を好きなままいられたら、どんなに楽だっただろう…。


それでも私はズルくて“別れたい”と自分から告げなかった。
やはり彼と別れることが怖かったのだと思う。
この大都会で私は一人ぼっちになってしまう。
東京に来た目的が分からなくなってしまう。
彼との思い出も沢山あることは事実だから…。


この期に及んで最終的な決断が出来ずにいた。

考えた結果、彼に送信した内容はこんな文面だった。


『色々考えたけれど、もう好きに生きていいよ。あなたは仕事が大好きだし、私と一緒にいるよりも好きなことをしたらいい。今まで縛っててごめんね』


彼に不満をぶつけることはやめた。
というより最後まで八方美人でいたかったのかもしれない。
いや、正直に言うと別れの理由に相手の悪いところをツラツラと書く勇気がなかった。それだけだ。

彼からの返信。
胸がドキドキと大きく鳴っていた。


『それは別れるということ?』


本当はもっと色々“ごめん”とか書かれていたが忘れてしまった。
別れたい気持ちで埋め尽くされていたはずなのに、いざそう聞かれるとYESと答えることに躊躇してしまう。

本当は彼が駄々をこねたら、別れを取り消せる余白を残しておいたのだ。
どこまでもズルい自分…。


今思えばどう考えても私の文面はお別れLINEなのだが、そう捉えられたら別れるしかないと思ってそこで『うん』と答えた。



これがまた人生の大きなターニングポイントとなった。