翌朝、既に船はコルトレカン島近海まで来ていた。
ロイ達が目を覚ましたのは、部屋の前を先ほどからバタバタと走り回る者のせいである。
寝ぼけ眼をこすりながら、ロイが戸を開けると、走り回っているのが昨日の猫連れの男だと気づいた。
そして、猫男が走る原因となっているのが猫男から逃げる猫だとわかった。
ロイが戸を開けているのにも関わらず、目の前を行ったりきたりする猫男の服の袖を引っ張った。
ロイの存在に今気づいたような顔をしながら、失礼とだけ告げると猫を再び追いかける。
ロイは猫男と目があった瞬間、一瞬だが恐縮してしまった。
昨日の食堂では気づかなかったが猫男は右目が灰色、左目が朱色と
異端な顔立ちをしていた。
猫が甲板の方にでも逃げたのか、廊下には静寂がもどっていた。
身支度を整えると、ロイ達は甲板に向かった。
昨日のことを思うと部屋のセキュリティーは安心できないので、リュックなども身につけていた。
甲板で再び猫男とバッタリ会った。
猫男の腕の中では先ほど逃げていた猫がすやすやと眠っていた。
猫男はリネットと名乗った。
そして、リネットは数少ない 「猫魔術士」 だという。
猫魔術士とはガイやマルクと同じようにペットと協力して戦うが、魔力を重視した技法を使う。
リネットとすっかり意気投合したロイ達は食堂で共に食事を済ませた。
お昼過ぎには到着するそうなので、甲板に出て時間を潰すことにした。
この船で時間の潰せる場所といえば、食堂と甲板しかないのだ。
だから、甲板は時間潰しという名目で重宝されている。
やはり皆同じで甲板に出ている冒険者が多く伺えた。
甲板で暇つぶしを始めて小一時間ほどたった頃だった。
意味もなく、ただ海を眺めていたロイ達の顔に影がかかる
快晴の空を見上げたロイ達の目に映ったのは、巨大な鳥であった。
iPhoneからの投稿