「ああ~、瞬が心配だわ・・・日本に行こうかしら・・・」
ジュネが、落ち着き無く、部屋の中を行ったり来たりしている。
「よせ、ジュネ。危険だ。それに、お前が行ったところで、状況は何も変わらん。」
「でも、心配なんだよ!瞬に、もしものことがあったら・・・!」
「大丈夫だ。瞬は誰よりも強い。」
「先生・・・」
「それより、お前に頼みたいことがある。壊れたケフェウスの聖衣を、ジャミールまで運んで欲しいのだ。」
「ジャミール?」
「うむ。そこに、ムウという、腕のいい聖衣の修復職人がいるらしいのだ。一応、俺も命を狙われているらしいから、壊れた聖衣を直しておこうかと思ってな。」
「エエ~?やだよ。自分で行ってきなよ。」
自分でって・・・
「これは師匠からの命令だ。逆らうのなら、破門だ!」
「マジ!?」
「あ、いや、ちょっと大袈裟だったな。とにかく、お願いだ。行ってくれ、頼む。」
「仕方ないわね。でもそれが人にものを頼む態度?」
「お願いします、女王様。」
こうして、ジュネがジャミールに行ってくれることになった。
翌日、身支度を整えたジュネに、袋を差し出した。
「さあ、用意ができたら出発しろ。」
早く行かないと、刺客が来てしまうぞ。
お前まで巻き込むわけにはいかん。
「うん・・・じゃあ、行ってくるよ・・・」
「はい、いってらっしゃい。」
しかし、海岸までは来たものの、いつまでもグズグズと、なかなか行かないジュネ。
「おい、船頭も待っているぞ。どうした?」
「・・・先生、約束して。」
「なんだ?」
「死んじゃ、ヤダよ・・・」
「心配するな。さあ、行け!」
「先生…」
ジュネを無理やり船に押し込んだ。
「じゃあ、頼んだぞ。」
不安げな瞳で俺を見ているジュネを乗せた船は、沖へと漕ぎ出していった。
しかし、ジュネのヤツ、なんだかんだ言って、俺のこと、心配してるんだな。
ちょっと嬉しい・・・