何年ぶりだろうか。
コブなしの自由の身になったのは・・・
朝からゴロゴロしても、酒飲んでも、掃除をサボっても、ジュネに怒られる事もない。
オッサンに見えても、俺は、まだ若い青年なんだからな。
しばらく自由を謳歌させてもらうぞ!
・・・といっても、このアンドロメダ島には、娯楽なんてないのだ。
思い出の品々を片付けながら、ジュネと瞬の思い出にでも浸るかな。
いや、やはり、何も手につかん。
瞬は、どうしているだろうか、生きているだろうか。
ジュネは、ちゃんとジャミールまで行けるだろうか。
ああ~、心配だ。
もう、ジュネと瞬のことで、俺の頭の中はいっぱいだ。
俺、すっかり子持ち体質だな・・・
頭を抱えながら、床の上をゴロゴロ転がりまわっていた。
「何やってんです?」
「あ。」
顔を上げると、船頭が帰ってきていた。
「もう帰ってきたのか。ジュネはちゃんと送ってくれたのか?」
「はい。しかし、なんであの子はあんなにツッコミが鋭いんでしょうね。」
「そんなこと、知らん。そうか、行ったか・・・しかし、そこからは歩きだからな。何日かかるかな・・・」
「何ヶ月とか、かかるんじゃないですか。歩きで大陸横断ですよ。」
「ああ・・・寂しいな・・・もっとおいしいものを食わせてやればよかった・・・もっとほもサイトも見させてやればよかった・・・」
「まあまあ、しばらくは独身貴族なんですから、自由を楽しんではどうですか?テレクラとか、電話してみます?」
「いや・・・ジュネや瞬のことが気になって、とても楽しむ気になどはなれない・・・酒でも飲まなきゃ、とてもやってられん。飲もう、船頭。」
「本当に、子煩悩なお父さんですね・・・」
俺は、涙を堪えつつ、酒の用意をしていた。
「取り込み中、すまないが。」
外で、誰か、声がする。
「あ、忘れてた!ジュネちゃんと入れ違いに、お客さん乗せてきたんだった。先生、お客さんですよ。」
外を見ると、背の高い、綺麗な男が薔薇をくわえて立っていた。
「私は魚座のアフロディーテ・・・いつまで待たせる気だ・・・」
魚座・・・黄金聖闘士か。
えっ、刺客?