「ところで、ここは一体、どこなのだ?君はここで何をしているのだ?」
そもそも、俺は魚座の黄金聖闘士にあっさりやられてしまったのではなかったのかな。
何故ここで、瞬の兄ちゃんと、瞬の思い出話をしているのか。
「ここは、地中海カノン島。傷ついた聖闘士が、火口の中の噴煙に七日七晩身をひたし、再び復活する場所だ。」
「へえ~。物知りなんだな。若いのに…」
「そんなことも知らずに聖闘士をしているのか?」
「うむ。知らん。」
ということは、一輝も負傷しているのか。
ついに聖域で、争いが始まったのか。
「君も負傷しているのか。何があった?」
「別に…ちょっと凍傷にかかっただけだ。」
「そうか、凍傷か。戦いでもしたのか?俺は毒を吸い込むわ、心臓から血を抜かれるわで、死んでしまう勢いだったのだが…確かに少し、回復してきたようだ。」
「あなたも戦いを?」
「うむ。本当は戦わずに話し合いで解決したかったのだが、力不足だったな。」
「そうか…瞬の師らしいな。」
「ところで、俺はどうしてここにいるのだろう。誰かが連れてきたのか?」
「女の聖闘士が、瀕死のあなたをここに放り込んで、すぐに出ていったぞ。その辺の尿瓶なども、置いて行った。」
女の聖闘士…ジュネか。
「その女の聖闘士は、どこへ行った?」
「さあ…知らんな…」
まさか…魚座を追って行ったのではあるまいな。
ジュネの力量では、敵うわけがない。
まずい…行かなければ…
俺は慌てて身を起こそうとしたが、まだ体の自由が利かない。
ジュネ…頼むから変な気は起こさないでくれよ。
「シッ!」
俺がそわそわしていると、一輝が掌で、おれを制した。
なんだ、なんだ、何事だ。
「瞬が…聖域に入ってきた…!」
「えっ!本当か!?なんでわかるのだ!?」
「瞬の小宇宙を感じる…」
「小宇宙!?すごいな、君!」
「ちょっと、静かにしてくれないか。瞬の小宇宙を感じないのか、師のくせに…」
「全然だ。」