瞬の面会謝絶がなかなか解けない。
だが、どうしても瞬の顔が見たいので、こっそり忍び込むことにした。
真夜中、瞬の病室のドアを開けたその瞬間。
「ちょっと、アナタ何やってんです?」
いきなりつかまってしまった。
巡回していた看護婦さんだ。
「あ、スミマセン。私はケフェウスのダイダロスと申しまして、ここに入院しているアンドロメダの瞬の保護者です。」
「ハァ!?何言ってんの?頭ダイジョーブですか!?病室に戻りなさい!」
俺は首根っこを掴まれて、その場から引きはがされてしまった。
俺はすごすごと隣の病室に戻った。
「バカね、先生。」
クスクスと、ジュネが笑っている。
「駄目よ、そんなパジャマ姿じゃ。もっと目立たない格好で忍び込まなきゃ。いらっしゃい、私が用意しておいたから!」
「すまんな、ジュネ。」
さっそく着替えることにした。
「ジュネ…これに着替えろと言うのか?」
全身タイツだった。
「そうよ。これなら闇にまぎれて目立たないわよ。キャッツアイみたいでしょう。私もレオタードに着替えて一緒に行くわ。さ、急いで!」
キャッツアイって…
おっさんがやっていいものじゃないだろう。
ジュネはもう、着替えてしまった。
さすがにスタイルがいいだけあって、決まっている。
俺も着てはみたが…
股間が気になって仕方がない。
「ジュネ、ちょっと恥ずかしいのだが…」
「大丈夫!これなら絶対見つからないから!」
「そ、そうか?」
では、いざ!
・・・・・・
病院の廊下に、全身タイツの人影が二つ。
周りには誰もいない。
俺とジュネは、お互いに頷き合い、瞬の病室のドアに手をかけた、その瞬間。
「ちょっと!?あっ、またアンタなの!?」
またさっきの看護婦さんに見つかってしまった。
「あ~、スミマセン、どうしても瞬に会いたくて…でも面会謝絶で中に入れてもらえないし…ただ、顔を見るだけでいいんです。どうか、どうか、お願いします!」
俺は、必死に頼み込んだ。
「駄目です。」
「そこを何とか、お願い!」
「病室に戻れ!」
涙目の俺とジュネ。
すると、病室の中から声がした。
「看護婦さん、ちょっと来てくださいますか…?」
まさか?
今のは瞬の声じゃあ…?
「あんたたち、ちょっと待っていなさいよ!」
看護婦さんは俺たちにくぎを刺し、病室に入って行った。
残される俺とジュネ。
「ねえ、今、瞬の声じゃなかった?」
「うむ…」