手術入院 その3 | アリママのブログ〜卵巣がん発見から治療までの闘病記〜

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2013年1月、結婚式を終えた翌年の29歳で卵巣がん告知。卵巣がんの中でも珍しい、卵巣胚細胞腫瘍の未熟奇形種グレード3(悪性)のⅡ期。(卵黄嚢腫瘍も5%以下で混合)無事手術が終わり、抗がん剤も終了しました。マイペースに日々感じたことを書いていけたらと思っています。


手術の日の朝。
手術は午後からだった。
夜中あんなことになってしまった私は、手術が不安で心が弱くなっていた。緊張して疲れたのか、頭痛もしてきてずっと横になっていた。
夜中にあったことを、家族にメールで報告し、午前中早めに家族に来てもらった。

家族:アリママちゃん、大丈夫!?

アリママ:うん・・・夜中辛かった。なんか疲れちゃって、頭も痛いよ。

家族:かわいそうに。マッサージしてあげる!大丈夫、大丈夫!リラックスだよ!

家族が、私の緊張をほぐすために、頭や肩や足をマッサージしてくれた。
ありがとう・・・たくさん心配と面倒かけて、本当にごめんなさいしょぼん

入院した日、主治医の先生から私と家族に、手術についての説明があった。

主治医:アリママさんの手術は、腫瘍と一緒に左の卵巣を取ります。大綱も取ります。(胃から垂れ下がっている部分らしい)右の卵巣にも、たぶん良性ですが何かがあるので、卵巣を残し、そこの部分だけを綺麗に取ります。卵巣は一部でも残っていれば、卵巣の機能は失われないので、安心してください。子宮と直腸に腫瘍がベッタリとくっついているので、綺麗に剥ぎ取るから、出血が多いかもしれない。輸血はなるべくしない方向で頑張ります。

アリママ:右の卵巣は大丈夫なんですか?良性と考えていいですか?輸血は出来るだけしたくありません。

主治医:今のところ、右は良性と考えていますが、手術して病理検査に出して、もし悪性ならもう一度手術して、その時は右の卵巣も子宮も取らなければなりません。が!可能性はかなり低いです。1番最悪なパターンもご説明しなければならないので、ご理解ください。

アリママ:・・・わかりました。もし、右の卵巣が残ったとして、抗がん剤をした後、どれくらいしたら妊娠してもいいのでしょうか?

主治医:それは、他の先生の意見も聞いて、考えさせてください。再発がないかなども見ていかなければならないので、今後様子を見てからになると思います。

ここで、私の母が「アリママちゃんの命あっての子供なんだからね!アリママちゃんがいなくなるなんてお母さん考えられないからね!まだ若いんだから、子供はまだ先でいいんだから、今はこの病気を治すことだけを考えなさい!目の前にあることを一つ一つクリアしていきなさい。この病気が治ったら、次は赤ちゃんのことを考えればいいのよ。」

と言われた。私は“目標がないと頑張れないよ”と思っていたが、母からの言葉に“そうだな・・・私の命があっての赤ちゃんなんだな・・・私がしっかり病気を治さないと、家族にも申し訳ないし、赤ちゃんもかわいそうだ・・・”
私は完全に先走っていた・・・。
反省しょぼん

午後になり、手術着に着替えて、弾圧ストッキングを履いて(手術後の血栓予防の為に履く)いよいよ手術室へ!!

家族に見送られながら、私は車椅子でエレベーターに看護師さんと乗り込んだ。
エレベーターの中で、緊張している私に看護師さんが「私も3年前に卵巣の手術をして、卵巣を取ったの。今はこんなに元気だから大丈夫ですよ!」
同じ手術をしたことがある人が目の前にいて、そう言ってくれた。
なんだか“手術は絶対大丈夫!こんなに元気になれるんだ!”と勇気が湧いた。

初めての手術室!なんだか無機質な空間!ドキドキ!
主治医の先生も手術着だし、麻酔科の先生もいるし、手術を担当する看護師さんたちも数人いた。
手術室に入ってすぐに、横になり心電図など色々な装置を身体に付けられた。
背中から硬膜外麻酔(手術中から手術後の痛みまでコントロールする)をするために、横向きになってうずくまる体制を取らされた。

麻酔科医:背中から麻酔を入れますね!チクッとしますよ。痛かったら言ってくださいね。

アリママ:痛っ!あっ!痛っ!(激痛というよりは、背中に異物を入れられている違和感みたいな感じ)大丈夫・・・です。

麻酔科医:背中に針を刺しました。仰向けになってください。手を縛って、固定しますね。

アリママ:はい・・・

麻酔科医:マスクを付けます。だんだん意識がなくなっていくと思います。どうですか??

アリママ:まだ意識あります。(まだ意識あるから始めないでね・・・)

麻酔科医:大丈夫ですよ。

ここで私の記憶はプツリと途切れている。

どれくらい時間が経過したのだろうか・・・

看護師:アリママさん!アリママさん!わかりますか!?手術終わりましたよ!

アリママ:・・・(あっ、私寝てた・・・手術終わったのか・・・随分と寝た気がするな・・・)

“せん妄”と呼ばれて、全身麻酔をしたあとに、一時的に意識が混濁する痴呆の症状が見られる人がいると説明を受け、心配していたが、私は幸いこれは全くなかった。

看護師:ご家族の方をお呼びしますね。

家族が入って来て、

家族:アリママちゃん、2時間の手術の予定だったけれど、腫瘍の直腸への癒着が酷くて1リットル近い出血で、5時間かかったのよ。でも先生から説明があって輸血はしていないし、右の卵巣もたぶん良性だろうとのことで、本当に良かったわ!先生が癒着していた腫瘍を綺麗に剥がし取ってくださったって!転移や播種もなかったって!先生に本当に感謝だわ!

アリママ:良かった・・・私は大丈夫。帰っていいからね、ありがとう。また明日・・・

家族は帰宅し、私は麻酔から目が覚めたら、身体に色々な管が入っていたので、寝ながら主治医の先生から説明を受けた。

主治医:直腸への癒着が、ひどかったのですが、綺麗に剥がして縫ったので大丈夫です。癒着がひどかったので、リンパ液合わせて1リットル近い出血をしましたが、輸血はしなくて大丈夫でした。右の卵巣にあったものは、断面を切って見てみましたが、おそらく良性だと思います。左の腫瘍とはあきらかに違いました。大丈夫だと思います!

アリママ:良かったです。本当にありがとうございました・・・

こうして、安心した私は眠りに着くことに・・・ここから、長い長い夜が始まりました・・・。

その4へ続く・・・



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