次男が小学校に上がって最初に担任になった細田先生は今も強く印象に残っている
当時30代半ばだっただろうか
業務に忙殺され適当な対応ばかりの小学校教諭の中で彼は異色な存在だった
自信の教育の理想があり、強い信念を抱いていた
私はなにかと理由をつけては先生に会いに行った
彼が好きと言うよりは教師としての彼の力に惹かれた
小学校の教師とはとても罪深い
子供は先生次第でいい子にも悪い子にもなる
彼らはその責任を意識しているのだろうか
細田先生は時々ちょっとハイレベルな問題を小1の子供たちに投げかけた
頭の良かった次男はすぐに先生の意図を理解して興味を持った
「〇〇くんは精神年齢が高いですね。みんなより少し難しいことがわかる」
先生はよくそういっていた
子供が先生を好きなとき、親も先生を信頼する
私がサッカーの応援でグランドにいるとよく職員室から出てきてくれた
いろいろな話をした
2年生になってクラスがかわりそのまま疎遠になった
それから5年の月日が経ち次男は卒業式を迎えた
卒業式の会場の後ろで飾られたお祝いの電報を読んでいると声をかけられた
「毒島さんですか?」
細田先生だった
「卒業おめでとうございます。僕も今日でこの小学校にお別れです。〇〇くんたちの学年が卒業するまでそばで見守ることができてよかったです」
先生に会うのは久しぶりだった
「いろいろありがとうございました」
「いろいろお話しできて楽しかったです」
「私もです」
「教師っていうのはプライベートも拘束されている気がします。自分は知らなくても自分のことを知ってる人がたくさんいますから。自分の心のままに行動することはできないことがあります」
先生は突然そう言った
「そうですね」
「○○くんの将来が楽しみです。楽しかったです。お元気で」
「ありがとうございます。先生もお元気で」
次男が小学校に上がったころ私も今よりずっと若くてきゃぴきゃぴ(死後?)してたな
ママ友と一緒に先生をからかったりしたな
楽しかったな
先生、本当にお世話になりました