ママ友からLINEがきた

 

「大通りで髙川さんみかけたよ、最近会ってる?」

 

合ってないし、みかけてもない

 

「偶然に会うこともないよ。どこにいったら会えるのかな?」

 

返事を返す

 

しかし、その日の午後偶然駅前のスーパーで髙川さんを見かけた

 

店は混んでいて家族と一緒なのかもしれないと思うと私は話しかけることができず

 

ただ人ごみに紛れて足早に店を後にした

 

次男はこの春野球ではなく勉強を選んで進学校へ進んだ

 

野球に一区切りついたこと、それは高川さんへの思いにも一区切りつけるべきなのかもしれないときだ

 

髙川さんはいつも次男のプレーが好きだと言ってくれた

 

いつも次男を褒め、応援してくれた チャンスをたくさん与えてくれた

 

下級生の保護者からその家のお子さんが次男にいじめられていると言われたときも

 

髙川さんは「次男くんのことは1年生の頃からよく知ってる、絶対にそんなことをする子じゃない。心の優しい子ですよ」

 

私より先にそう言ってくれた

 

大事な試合で書類を学校に忘れてきてしまって狼狽する私に、高川さんは笑顔で「大丈夫です、僕がすぐ取りにいきます」と言ってくれたこと、

 

試合会場がわからず選手たちを連れて道に迷った私に「落ち着いて、大丈夫。僕が誘導するから」と電話口で冷静に慌てる私を落ち着かせてくれたこと

 

試合の帰り道に知らない街の縁日に遭遇し、「寄ってみましょう」と子供もみたいにはしゃいだこと、

 

もうずっと昔のことなのに私は忘れられずにいる

 

なにもできないただの主婦なのに、いつも私の横にいて、楽しい気持ちにさせてくれた

 

本当は野球なんてどうでもよかった 試合なんてどうでもよかった

 

ただ髙川さんに会えることがうれしくて

 

それが恋ってものでしょう

 

とても自然にとても穏やかにやってくる

 

櫂を好きになったときの、もう忘れかけていた遠い気持ちを、呼び起こしてくれたのが髙川さんなのかもしれない