“愛里跨(ありか)の恋愛スイッチ小説(想也くん編20)” | 愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ

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友情


20、睦び合う心



(スターメソッドのD・B・P撮影部オフィス)



想也「来月ドイツへ行くって、どういうことですか」
佐伯「……」
想也「勿論、美琴さんと一緒に行くんですよね」
佐伯「いや。俺一人で行く」
想也「どうして。あんた美琴さんと12月に結婚するんだろ」
佐伯「俺は、仕事に私情は挟まない」
想也「ドイツへは何時まで行くんですか」
佐伯「それは、未定だな」
想也「そんな……じゃあ、彼女はどうするんです」
流星「相楽、その辺でやめとけ」
想也「美琴さんを放おって、一人ドイツへ逃げる気かよ!」
佐伯「逃げる?ふん。ガキみたいなこと言いやがって」
想也「それじゃあ答えになってねえよ」
  



俺の頭の中で疑心の渦が波紋のように広がり、
それと同時に怒りまでも泉のように湧いてくる。
美琴さんを諦め、やっと受け入れた佐伯さんとの関係は、
少しずつ培ってきた信頼が一気に崩れ落ちる。
怒りで赤面した俺が彼に攻め寄ろうとすると、
透かさず北斗さんが遮るように俺の前に立ちはだかった。
その顔は俺に負けず劣らず、顔の底に憤りを湛えている。
そしてぐっと俺の二の腕を掴んで桑染さんに目で合図すると、
何も言わずに廊下へと連れだしたのだ。
抵抗する俺を思い切り廊下の壁に押しつけると、
北斗さんは息も乱さず語り出す。






想也「北斗さん!」
流星「ここで頭を冷やせ」
想也「どうして止めるんですか!」
流星「俺は前に言ったよな。
  これからは業務に私情を持ち込ませないって」
想也「でも、いきなりドイツなんて聞かされたら!」
流星「遊大はレタッチも含め、与えられた撮影はしっかり熟してる。
  その引き継ぎを信頼できる桑染に頼んだだけだ。
  俺達の仕事では、遊大のような例は珍しくない。
  一つの仕事で人間が足りなきゃ、突然シフトチェンジさせられる。
  いきなり『明日からドイツへ行ってくれ』だの、
  『来月から未定でフランスの撮影に行け』だの日常茶飯事。
  だから、ド素人はああだこうだと意見するんじゃない」
想也「俺は美琴さんをどうするのか、あいつに聞きたかっただけなんだ」
流星「それは遊大と美琴ちゃんの問題で、至らん事だと言ってる」
想也「彼女を心配するのが至らないことですか!」
流星「ああ」
想也「じゃあこの仕事に関わるチームの一員として言わせて貰いますよ。
  いきなり居なくなるなんて言われたら困ります」
流星「そうか。木島さんに聞いたぞ。
  君も7月末でサカキ株式会社を辞めるそうだな」
想也「そ、それとこれとは話が違うでしょ」
流星「それを言うなら、俺もそっくりそのまま同じことを言おう。
  美琴ちゃんの事を諦めて一度は遊大を受け入れたなら、
  あいつに関することは何も言うな」
想也「……」
流星「確かに今は撮影も順調に行って、
  画像処理が済めば後は製本までの流れになっていく。
  このままのペースなら約束通り、
  7月末で“bijou(ビジュ)”の企画は完成して、
  君の職場に商品は無事届けられるだろう。
  でももし、突発的なトラブルが起きて長引いたとしよう。
  君は自分の仕事を中途半端にしたまま後の者に引き継ぐ気か」
想也「仕方がないでしょ。
  幾ら俺が残ってスターメソッドで業務を続けたいと言っても、
  上から命令されればいきなり他の部署に飛ばされるんだ。
  それは俺だって貴方達と一緒ですよ。
  自分が巻いた種とはいえ、俺に選択肢なんてないんだから……」
流星「その時は俺が相談に乗るさ。
  君の上司に相楽さんなしで“bijou(ビジュ)”は完成しないってな」
想也「……」
流星「だから遊大と美琴ちゃんの事はこれ以上構わないでくれ」
想也「交換条件ですか」
流星「ああ。そう思ってくれ」



一歩も譲らず意を決したような北斗さんの態度に、
俺は全身の力を解いて抵抗を止めた。
その時一瞬過ぎったのは、美琴さんと佐伯さんがうまくいってないという思い。
二人の仲がうまくいっているなら、
きっとドイツに連れて行くなり、結婚を早めるなりするだろう。
俺ならそうする。
なのに腫れ物に触るように守ろうとする北斗さんを見ていると、
二人の愛が破局に向かっていると確信に近いものがこみ上げる。
冷静になった俺の両腕を放した北斗さんは、
普段の穏やかな表情になり「休憩室へ行こう」と言ってくれたのだ。



俺と北斗さんが廊下で言い合っている時、
スタジオの中に居た佐伯さんと桑染さんも話をしていた。
彼は俺と佐伯さんの掛け合う姿からあることを思い出し、
懐かしそうな目で俺のことを眺めていたようだった。
桑染さんは作業する手を止めて、

佐伯さんに疑問に思うことを切り出した。



桑染「相楽だっけ?なんだかさ、以前の俺に似てるな(笑)」
佐伯「あははっ。ヒロさん、自覚あったんだな」
桑染「まあな。
  『ここでは俺の味方は居ない』みたいな態度がさ。
  3年前の千葉勝浦の撮影の時を思い出したよ」
佐伯「あぁ。あの時も血気盛んな奴が集まってたもんな。
  ヒロさんを含め浮城さんに、あいつ何て言ったっけ。
  あぁ。塩田風馬か」
桑染「そうだったな(笑)あん時は毎日がトラブルだったけどな」
佐伯「そうだった」
桑染「それはそうと、何があったんだ?
  相楽が言ってた美琴さんって、遊大のフィアンセのことだろう。
  何故あいつが血相変えてお前に物申すわけ」
佐伯「ん?……それは、俺があいつから美琴を奪ったからだ」
桑染「えっ?今のあいつの態度見てると真逆だろ。
  一体どういうことなんだ」
佐伯「俺が福岡の仕事で一年間、彼女の許を離れてる間に、
  相楽が美琴と出逢ったらしい。
  そこへ東京に戻ってきた俺が割り込んで、美琴と寄りを戻したんだよ。
  だからあいつからすれば、俺は惚れた女を奪った恋敵なわけ」
桑染「ふーん。そうか。
  しかしそれは彼女の意志もあってのことだからな。
  相楽が良ければ、遊大の許へ戻る事はなかったんだから」
佐伯「ああ、そうだな」
桑染「それで?何故美琴さんをドイツに連れて行かないんだ」
佐伯「彼女から断られたんだよ。
  別れてくれってさ」
桑染「はぁ!?」
佐伯「彼女に一緒にドイツへ行こうって言ったんだ、俺。
  ヒロさん。実はつい最近、美琴は俺の子流産しちまって、
  かなり精神的に落ち込んでたからさ」
桑染「そうだったのか。それは大変だったな」
佐伯「だから俺、結婚して美琴を一緒に連れて行くつもりで居たんだよ。
  ドイツには浮城さんとカレンさんが居るから、
  美琴が慣れない土地に行っても寂しくはないだろうし、
  生活するにも心強いだろうって思ってた。
  でも、美琴は俺とは違ってたんだよな」
桑染「それでどうするんだ。
  お前は彼女と別れるつもりなのか」
佐伯「身体の事もあるし、俺は美琴に惚れてプロポーズしたんだ。
  別れたくなんかないさ。
  でも彼女は荷物をまとめて、兄貴の居る実家へ帰ってしまった。
  『私は遊さんの足枷になりたくない』って、全く、意味分かんねえ」   
桑染「そうか。それで一人でドイツか……」
佐伯「まぁ、そんなところだからヒロさん、
  “bijou(ビジュ)”の引き継ぎと相楽のことも宜しく頼むよ」
桑染「遊大……分かったよ」



桑染さんはそれ以上何も聞かず語らず、
さり気なく涙を拭う佐伯さんを見守っていた。
以前の仕事でバディを組んでいた彼だから、
一点の曇りなく理解しているのだろう。
静かなスタジオで二人、
まさに管鮑の交わりといえる友情が睦び合っていたのだ。





夜景




(スターメソッド4階、イートインスペース)



4階にある20畳くらいの広さの休憩室へ案内された俺は、
窓辺の白いカフェテーブルの椅子に腰掛ける。
すると北斗さんがインスタントコーヒーを持ってきてくれた。
バツ悪そうに「ありがとうございます」と言って受け取ると、
北斗さんは窓の夜景を眺めながらコーヒーを飲み干した。



流星「ここで少し休んで頭冷やしてから下へ戻ってこい。
  画像を選び終えたら今日は上がっていいから」
想也「は、はい」
流星「じゃあ、俺は先に戻って作業するからな」
想也「あの、北斗さん」
流星「ん?なんだ」
想也「先程は、すみませんでした。
  仕事中、大人気なく怒鳴ったりして」
流星「ああ。分かればいいさ。
  後で遊大にも謝っとけよ」
想也「はい」



北斗さんは穏やかにそう言うと、
そのまま開け放たれたドアから出ていった。
間接照明の明かりの下、俺は貰ったコーヒーを飲み干す。
そして大きな溜息をつきながら、
ズボンのポケットの中に入れていたスマホを取り出し画面を見た。
すると演人からの着信が何件も入っていて、
ただ事ではないと感じた俺が直様電話をしたのだ。
3回コールの後、演人の「やっと掛かってきた」という威勢の良い声が聞こえた。



想也「演人。連絡遅れてすまん」
演人『もしかしてまだ仕事中だったのか?』
想也「そうなんだ。
  今やっと休憩に入れたんで掛けたんだけど、
  もしかして何かあったのか?」
演人『実はさ、今歌さんと一緒に食事してて』
想也「えっ?」
演人『お前を訪ねて本社の玄関で待ってたんだ、彼女』
想也「なんで……」
演人『それで僕が食事に誘って事情を聞いたんだよ』
想也「そうか。迷惑かけてごめんな」
演人『そんなことはいいんだけど、仕事終わって会えないか?
  歌さんがもう一度、お前と話したいって言ってるんだ』
想也「演人、俺の気持ちはもう」
演人『そんなことは分かってるよ。
  でも、もう一度話せたら、彼女は諦めるって言ってる。
  だから彼女の言い分、聞いてやってほしいんだよ。
  もう一度想也も本音ではなしてみたらどうだ?』
想也「本音って言ってもな……」
演人『今夜は僕が居るんだから、何も問題はないさ』
想也「演人……」



今の俺の頭の中は、佐伯さんの今後と、
美琴さんの身の上がどうなるのかという心配しかなかった。
しかしもう一度話して、歌が諦めると言ってくれてるなら、
今度こそケジメが着くという思いもある。



想也「分かったよ。
  後30分くらいで仕事が終わるから、それからでよければいいぞ。
  何処に行けばいいんだ?」
演人『品川の“焼き鳥 串パク”に居る。
  遅くなっても待ってるから焦らなくていいからな』
想也「分かった。俺が行くまで申し訳ないけど歌のこと頼むな」
演人『ああ。じゃあ後でな』
想也「ああ」



スマホの画面を押すと、またも大きな溜息を漏らす。
演人は俺には勿論のこと、
歌にも気を遣っているのは話していて手に取るように分かった。
無二の親友である彼とは今まで苦楽を共にし、
一番つらい時、ボロボロになった俺を支えてくれた。
そして今日まで頼りない俺を見捨てること無く付き合ってくれる男に、
心の中で手を合わせ感謝したのだ。





オフィス、廊下





飲み終えた紙コップをゴミ箱に捨てると、3階の撮影部オフィスへと戻る。
ドアをノックして開けながら「遅くなりました」と断りながら中へ入ると、
帰り支度の佐伯さんと鉢合わせになった。

俺は北斗さんから言われた通り、「生意気言ってすみませんでした」と頭を下げる。

すると先程とは別人のように、佐伯さんは和やかな雰囲気で話しかけてきた。





佐伯「相楽」

想也「はい」

佐伯「俺がドイツに行ったら、美琴のこと頼むな」

想也「えっ!?……それはどういう意味で言ってるんです」

佐伯「額面通りだよ」

想也「あの。貴方達の間で何があったかなんてもう聞きませんけど、

  美琴さんが佐伯さんを慕っていることは分かってますよね」

佐伯「……」

想也「彼女は知ってるんですか?

  何時佐伯さんがドイツへ行くのか」

佐伯「ドイツへ行くのは伝えてる。

  しかし、何時行くとは彼女には言ってない」

想也「どうして……発つのは何時です」

佐伯「7月1日。昼のフランクフルト行きの便だ」

想也「そんな……あと二週間じゃないですか!」

佐伯「相楽。今日がお前とは最後の仕事だった。

  いろいろ嫌な思いをさせてしまってすまなかったな」

想也「……」

佐伯「明日からそこにいる桑染さんが入るから、

  仲良くやってくれな」

想也「佐伯さん」

佐伯「じゃあ、俺はこれで」



佐伯さんは俺の肩をポンポンと叩き、ドアを開けて廊下へ出る。

俺は去ってゆく彼の後ろ姿に叫んだ。


想也「俺じゃあ、佐伯さんの代わりは出来ないんですよ!

  美琴さんは佐伯さんじゃなきゃダメなんだ!

  もし彼女が貴方を追いかけて空港に行ったら、

  その時は彼女をドイツへ連れていきますよね!佐伯さん!」





俺の最後の叫びを受け取ったのか、それとも俺に託したのか、

佐伯さんは振り返ることは無く、

大きく手を振って薄暗い廊下の向こうへ去っていったのだ。

気の抜けた俺に、流星さんも桑染さんも話しかけること無く、

黙々とパソコンに向かい作業をしていた。

俺は我に還ったように直様自分のデスクに座り、

それから30分画像選びに専念する。
仕事を終えて二人に挨拶をすると、
タクシーを呼び品川駅へと向かった。
車窓の流れる景色をぼんやり見つめながら、

佐伯さんの事が気になって仕方がなかった。

想いとは裏腹に、この事実を美琴さんに伝えないといけないと思ったのだ。




ビール2





演人と電話で話してから1時間20分後、俺は焼き鳥屋に着く。
一番奥の座敷の間に二人は居て、
「遅くなってごめんな」と声を掛けると歌は嬉しそうに微笑んだ。
注文した生ビールを飲み、頼んでくれていた銀杏を頬張ると、
待ってましたとばかりに歌が話しかける。





歌 「想也。いきなりごめん。
  私どうしても、もう一度想也と話したくて、
  それで今日本社まで行ったの」
想也「演人に聞いた。
  俺に話って何?」
歌 「うん……単刀直入に言うね。
  私と、もう一度付き合ってほしいの」
想也「えっ。俺、本心言ったよね。俺は」
歌 「美琴が好きなんでしょ?
  重々わかってるし、それでもいいの。
  私を抱きながら美琴を思い浮かべても構わない」
想也「構わないって言っても、俺がかまうんだよ」
歌 「それでももう一度、私という一人の人間だけを見てほしいの」
想也「……」
演人「想也。彼女が単刀直入に話すから僕も単刀直入に聞くけど、
  お前が歌さんと付き合ってた時、好きって気持ちはあったのか?」
想也「好き……って言えるんだろうか。
  こんなこと言うと身勝手かもしれないけど、
  美琴さんに逢えない寂しさが紛れていたのは事実だよ。
  だからと言って、気持ちが全くない女を抱けるほど、
  俺はドライな男ではないしね。
  情はあったと思うけど、それが愛情なのかどうかは正直分からない」
歌 「それでもいいと私が言ったら、想也はヨリを戻してくれる?」
想也「それは……」



正直、参った。
酒の勢いだからなのか、歌がこんなにストレートに突進してくるとは、
全く予想していなかったからだ。
しかしここで曖昧な言葉を言ってしまえば、彼女に期待させてしまう。
俺は心を鬼にして本音を吐いた。





想也「歌、ごめん。
  やっぱりヨリを戻すのは無理だよ」
歌 「……」
想也「以前も今も、俺の頭ん中も心の中も、
  美琴さんでいっぱいなんだ。
  彼女が佐伯さんと結婚して幸せになったのを見届けたら、
  もしかしたらこの気持は冷めてしまうかもしれない。
  でもそれは今じゃないんだ」
歌 「少しの可能性もないの?」
想也「……ああ。ごめん」
歌 「そっか……きっと無理だろうって覚悟はしてたけど、
  こうやって想也と面と向かって言われると結構痛いな」
想也「歌」
歌 「分かりました。
  逢ってくれただけでも嬉しかった。
  ありがとう、想也」
想也「……」
歌 「そして演人さん」
演人「はい」
歌 「今日は話を聞いてくれて、
  想也に連絡してくれてありがとうございました。
  貴方が居てくれたから想也の本音を聞けました」
演人「そんな。僕は何もできなかったからさ。
  でも僕も話せてよかったよ」
歌 「はい。それでは、私は帰ります」
演人「えっ。もう帰るの?
  タクシー呼ぼうか。
  夜道の女の一人歩き、危ないからさ」
歌  「大丈夫です。お店の人にタクシー呼んでもらいますからここで」
演人「そう。気をつけて帰るんだよ」
歌  「はい。……想也」
想也「ん?」
歌 「私は想也の数ヶ月の恋人だったけど、幸せな時間をありがとう。
  どうか元気でね。さようなら、想也」
想也「歌……一つ教えてくれないか」

歌  「えっ。何?」

想也 「美琴さんの新しい連絡先、知ってるだろ」

歌  「えっ」

演人「想也!それは無いだろ」

想也「頼む、知ってるなら教えてくれ。

  急を要するんだ。

  美琴さんに大変な事が起きようとしてるんだ。

  だからどうしても彼女に連絡を取りたい。

  お願いします」

歌  「想也は、最後まで美琴なんだね。

  ……分かったわ」





畳におでこを擦りつけて頭を下げる俺に、

歌はバッグの中のメモとスマホを取り出して、

携帯番号を書き写すとその紙を俺に差し出した。

「ありがとうございます」と言い、ゆっくり頭を上げて受け取った俺に、

歌は怒るどころか深々と頭を下げて、
優しい笑みを浮かべったまま静かに帰っていったのだ。
演人は心配になったのか直様立ち上がり、

歌を店の玄関まで見送った。
俺はデジャブのような罪悪感に襲われながら、
大ジョッキを持ち、なんとも言えない苦い寂しさと一緒に生ビールを飲み干す。
それから一時間、戻ってきた演人と二人、
終電間際まで飲みながら話していたのだった。



カタルシス


(続く)



この物語はフィクションです。




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