烏は玉虫色の羽を片方広げて見せる。
「凄く綺麗だね。」
「これで空を飛ぶんだよ。高ーく飛べるんだ。」
「いいなあ。僕等も高ーく飛びたい。素敵だろうな。」
「空は最高だよ。一緒に飛ぼうよ」
風がその枝を大きく揺らした時。
「今だ!」二枚の木の葉が枝から離れて宙に舞う。
「早く早く。」木の葉たちは大急ぎで空に向かう。
「やったね!」雲の下を漂う二枚の木の葉。
烏は風に舞う木の葉たちに付き添うように羽を広げて進む。
眼下に綺麗な海岸線が見えてくる。
そして、海の向こうから黒い雲がこちらへ向かってくる。
あっという間もなく、大きな風が木の葉たちをさらって、高い空へと連れて行く。
眩しい太陽に照らされた木の葉たちは、はらはらと大型船の甲板へ辿り着く。