間が空きました…!

実はインフルエンザにやられて「男」ならではのみっともない日々が続いていました…

まるで振り込め詐欺のようにますます狡猾になって、半ば暴力的にあなたをネラっています…

みなさんご自愛ください!

 

 

平屋建てのバンガローです…

角柱ですが、わずかにテーパーをつけてグレコローマン風に仕上げています…

ドアや窓枠にこの「家」の個性が表れています…

日本にもきっとこんな内装を作りたいと願っている後継者がいるはずです…

 

 

 もう一つの「B」の家は…皆さんもうお気づきでしょうね…そう、あの…

バンガロー・スタイル…Bungalow…です…!

 

 その起源は以前にもこのブログで書いたんですが、もう一度おさらい、ということで…

もともとはインドのバンガロール地方の家を、当時の宗主国だったイギリス軍が本国に持ち帰った「家」の形式です…基本的にこの地方特有の暑さや湿気を避けるために、通気をよくするため高床式で、さらにゆるい勾配の広い屋根と、建物正面をぐるっと大きなポーチが取り巻いています…このポーチですが日本の濡れ縁のようなもので、半自然を楽しめるようになっています…ただし日本と違うのはあくまで人が行き来できる屋根付きの高さで幅もあり、ここにテーブルや椅子を持ち出して、日中の暑さを避けて自然を楽しめるということです…いわゆる「ポーチ」です…サー・コンランにはこの「家」の原型を再現したガーデンハウスがあります…

 

 この特徴を備えたデザインが、当時のアメリカで急成長を遂げつつあった住宅問題を解く鍵の一つになります…つまり労働力の需要から都市周辺に安価な家が作られます…やがてその中から比較的富裕な中産階級の住宅は、高級な郊外型へ姿を変えます…クルマ産業とも無縁ではありません…

 土地の狭い日本では考えられませんが、道路からセットバックされた前庭をもち、個性やステイタスを主張した家々が次々と立ち並びます…ポーチは家の正面を飾る大事な、いわば象徴的な作りになり、彼らの大好きな BBQ も季節感も楽しめる重要な要素になります…!

 

 このポーチを飾る、柱のデザインが独特なのもバンガロー・ハウスの特徴です…!

こんな発想はオリジナルにはありません…あくまでもアメリカ人の発想です…

大抵はグレコローマン=ギリシャ・ローマ風の円柱で、全体はドーリアやコリント式で、その頂部や基部はやはり幾層かの同じ形式で成り立っています…

 

 円柱ではなく角柱も作られますが、これもアメリカで生み出された形式のようです…それでも柱頭や基部などは先のグレコローマン型にそっくりで、これが屋根を支えてポーチを作り家の正面を印象深く見せています…

 

 このグレコローマン「文化」への傾倒は、ことの外アメリカ人にとっては大きなものです…

故国からこの国にやってきた彼らにとって、郊外に家を持つ=成功の証とも言えるのがギリシャ風な外観とキャデラックでした…

 

 「アテネの聖堂」以来、かつてのギリシャは、哲学、数学、政治、法、戦略、美、文学、悲劇も喜劇もおおよそ「人間」のあらゆることを定義してきました…「人間とは?」の全ての答えはギリシャにあったと言ってもいいでしょう…

 

○△‥□◎▽○…

 

 そのことがやがては「教養」「知性」となって彼ら西洋人=アメリカ人の心に沈みます…

いやキリスト教文明の基盤になったとも言えます…その象徴が神殿を飾った列柱です…

 

 建築史的にもあの「アメリカ独立宣言」で有名なT・ジェファーソンの私邸「モンテチェロ」には彼がヨーロッパで見聞した記憶が建築家だった彼自身の設計で残されています…G・ワシントン「マウント・バーノン」にも列柱があります…こうして重要な庁舎や裁判所、銀行や大会社などのグレコローマン風な列柱が見る人を威圧します…神殿風な列柱はこうして人々を権威主義に無意識に屈服させます…!

これも建築が持つ一面です…

 

 

 話は違いますが…

 一連の古代の謎に材を取った映画、例えば「インディジョーンズ」などには当時の遺跡が実録で出てきます…これらは今では屋根が朽ち落ちて大きな円柱だけが並んでいます…今日我々が想像するような天井を持った空間がありません…

石に頼ったグレコローマンでは大きな天井のスパンを確保できなかったということです…この矛盾を解決したのが、当時の東方の国々、異教徒たちの今で言うイスラム諸国のアーチ建築です…つまり彼らはアーチを使うことで広い空間をやすやすと作り出していますます…後のローマの「パンテオン」や水道のアーチ橋はここから学んだものです…強大なローマ帝国が周囲を次々に版図に取り込みながら、実は文化の優位性も自分たちのものにしていったようです…

 

△□○‥○□

 

 ついでですが…僕たちがよく知るアテネのパルテノン神殿・ユネスコのマークにもなっていますが、この列柱の上部にある三角形の破風=ペディメントの底辺と垂直線の関係は厳密に計算されています…この計算は神殿そのものの基部から屋根まで、さらに正面・側面だけでなく上面からの水平方向までが厳密に計算されて、バランスが取られています…

 

「黄金比」を考え出したギリシャ人たちは「人間の知覚の全て」にも「黄金比」=バランス感を求めていたのです…!

 

 

 この美へのバランス感覚は、それから数100年もあとの地の地の果ての日本の寺院建築、特に五重塔に生きています…普段何気なく見上げる塔の基壇と各階の屋根の出と高さ、最頂部にある法輪の長さまでが一体となって見上げる人にバランスの大切さを教えます…当時の棟梁たちは矩尺(かねじゃく)だけでこのバランスを刻みました…同時に人間の五感にも精通していたことにオドロキます…!

 

▽○□‥×▲○‥◎

 

 

 今日、この優れたバランス感覚を持った設計士がどれだけいるのでしょう…!

とってつけたようなハザードの三角形も、それぞれにおかしな比率を見せています…それは彼らが「古典」を学ばず、写真集の有名な建築のコピーだけを学び、その本質を学ばなかった結果です…

 

 あなたが家を作るということはこうした設計士にあなたが似ることを意味します…

これでいいのか?…と疑問がわきます…あなたが作った「家」が建てた時から続く問題点の一つです…!

 

 

 

 さてこのバンガロー・スタイルの特徴は、あのフランク・ロイド・ライトにも好ましいものでした…「プレイリー派」つまりアメリカ大陸の奥に広がる大草原に溶け合うような低くおおらかな屋根と、深い庇が作る陽の移ろいと影、水平が強調された建物は同時に垂直線も際立ちます…

 建築の「形態は機能のひとつだ」と唱えて、「自然と人間の調和」を目指したライトはこのバンガーロー・スタイルを「ロビー邸1906に提唱して民家の可能性を追求します…

 

 やがて「全ての人達により安価で、より良い住宅を提供する」という彼の考えは「ユーソニアン・ハウス」へと発展「ジェイコブス邸1936結実します…同時にこれは、より工業化=進化したパーツを組み合わせる「プレハブ」をも出現させました…「家」の大量生産化と均質化です…

 

 彼の建築の最大の特徴は、例えばよく知られた「旧帝国ホテル」では、日本原産の大谷石を多用しています…今でいう「地産地消」型で、さらに内部の照明器具やソファ、窓、壁面などインテリアの全てを彼自身がデザインして現地の職人に作らせていることです…この手作り感も彼の建築の特徴です…

そして極力壁の仕切りがない内部空間の一体感と連続性…これが彼が建築に求めた、人間に寄り添った「有機的な建築」=オーガニック・ハウスです…

 今日もてはやされるオーガニック…生き方も含めてあなたが「家」にも求める要素かもしれません…

 

 

 彼の手作りには19世紀の「アーツ・アンド・クラフト」 美術工芸運動の影響があるかもしれません…もともとはあのウイリアム・モリスが産業革命位以来工業化されて均質化される手工芸品を惜しんで始めた運動です…この運動がアールヌーボーや建築への影響もあったことはよく知られている事実です…

 日本でも見直された柳宗悦の民芸運動は「用の美」という、言ってみれば掌たなごころの美しさの再発見にも繋がります…

 

 ライトの手作り感」はその後も増え続けるバンガロー建築に携わった多くの職人たちに、それを表現する場を与えたようです…

「バンガロー・ハウス」建築を専門にする会社がいくつもあります…グレコローマンだけでなく、ティンバーフレームやログハウスの特徴を表現する職人たちがいて、それに呼応する建て主がいます…!

 

 さらに同じ列柱でも建て主の趣味でスペイン風のムーア様式の捻りのあるものから、古典的なバンガローハウスまで様々です…さらに内装は床や窓、棚ひとつまでが手作り感で溢れて、良質でしかもその家独特の、こンな空気に囲まれて暮らす家族は毎日が楽しいはずです…独特な美意識が育ちます…

 

 

 僕が住んでいる地域には今でも数件のバンガロー・スタイルの家があります…でも「銭湯」のように、ある日当然消えています…後にはまるでマグリット「光の帝国」のような無表情で無関心な「家」が建ちます…きっと住みにくさもあったのでしょう…

 こんな家を作った当時の建て主の憧れを思います…同時に情報がなかった時代に必死に建て主に応えようとした職人たちの心意気と労苦を思います…建物全体は今では黒ずみ、バランスも悪くなっています…周りも変わりました…あの「小さなお家」のようにそのお家のこれからが気になります…それでもその佇まいの良さをやはり僕は好きです…!

 

 

 日本は木の国と言います…木が見直されています…

人の一生を考えるなら、いずれは二階への登り降りが厄介になるのも時間の問題です…むしろ成長した子供との距離を取るための「堀」に思えなくありません…その「堀」もある場所では深くなっています…!

 

 そんな「堀」のある二階が必要か? 考えてみるのもいいかもです…

それとも「堀」をいつでも渡れる「はね橋」を持って子育てができるなら? 平屋が良いのか、二階屋が良いのか…この「当たり前」をまず考えてみてはどうですか…あなたは「家」「遊」べますか…

平屋建てだからできる、自由な行き来や、作り手の顔が見える家具に座って窓の外の木々を眺めてください…晴れた日にはポーチでお茶を楽しんでください…「暮らし」とは「家=家族」と楽しむものです…

何よりも作ったあなた自身が楽しむことを願います…

 

 

 

 そして良い「リノベーター」を目指すなら、「人間」「暮らし」への興味をたくさん持ってください…仕事=技術への後継者不足が言われます…仕事を必要とされてもどうやったらいいのかわからない、という二代目たち…情報を共有すべきではないですか?

同時に日本至上主義単眼なモノの見方を、世界と相対視する複眼指向へ変えるべきです…これも「リノベーター」であることの役目です…本当の意味の「グローバリゼーション」はそこから始まります…!

 

 

 日々生活をしていく中で、あなたの耳を「ダンボ」にして、いつも「?」にしてください…

 

 

 ややもするとキャンプ場でしか知らなかった「バンガロー」…とても日本的な「家」だと言えます…

 

 

 

 

 くどい文章をここまで読んでくれて、ありがとうございました! 

  次回は、ママにも考えて欲しい「子供部屋」のお話です…! 

 

 

「ゆうべ私はイエス!と言いました・でも今朝、私はあなたにノー!といいます…

ローソクの明かりで見るそれと、朝の光で見るそれとは違って見えますもの…」

…女性の感性は正直です…

「家」にまつわる事柄はどうしても多くなります…でもこれは「あなた」と「家」へのラブレター…

どうかご勘弁ください! 文章力がないとはいえ…毎回反省してマス……!

 毎回こんなブログにお付き合いくださる少数の方…ありがとうございます…お礼を言います!

 

 

 家」の基本はその本質を知ることです…情報を得て共有することです…

高い買い物です…当たり前といえば、当たり前なんですが…どうにも他人任せのようです…

あなたの「マイホーム計画」が成功することを願います…!

 

 Renovationには修理や修繕の他に刷新や元気回復という意味もあります…

「家」を新しい力で元気にさせる…「リノベーター」に応しい言葉ではありませんか…! 

 

くれぐれもインフルエンザにはご注意ください、風邪は「万病のもと」です!