「宝泉院」は、「実光院」と同じく「勝林院」の僧坊の一つとして創建され、『声明目録』を著すなど声明の大家として知られる宗快法印によって1235年頃に創建されたそうです。
鶴亀庭園には樹齢300年の沙羅双樹が植わっています。
鶴亀庭園は江戸時代中期に造られた庭園で、池の形が鶴、築山が亀を表わしておりサザンカの古木が表わしているのは蓬莱山だそうです。
客殿の西側にある「盤垣園(ばんかんえん)」は、柱と柱の間を額縁に見立てて観賞するため、「額縁庭園」とも呼ばれているそうです。
盤桓は「立ち去りがたい」という意味なんだそうです。
樹高は11m、枝張りは南北11.5m、東西14mで、樹冠は、ほぼ扇形になっていて、金閣寺の「陸舟の松」、吉峯寺の「遊龍の松」と並んで、三大松のひとつに数えられています。
この「五葉の松」は、高浜虚子が俳句に詠んだことでも知られており、近江富士をかたどっているそうです。
宝泉院の拝観料には、お抹茶と和菓子が含まれていて、「五葉の松」を眺めながらいただくお抹茶は格別なものでした!
ほんのり甘い和菓子とお抹茶の味が絶妙にマッチしており、本当に美味しかったです。
静かで落ち着いた和の風情の中、ゆったりとしたひとときを過ごすことができました。
宝泉院に置かれた水琴窟は、理智不二(りちふに)と名付けられた珍しい二連式で、サヌカイトが使われているので、通常のものとは一風変わった音色が聴けます。
密教の教理を音色で伝えるものだそうです。
手水鉢の水琴窟⬇︎
こちらの「額縁庭園」は、秋の紅葉も冬の雪の頃も美しいようです。(画像をお借りしました)
囲炉裏の縁は珍しい陶板製になっています。
すっごく良かったあ!と感慨に浸りながら、客殿を出たのですが、これで終わりではありませんでした。
今度は入口の左手へと進むと、3つ目の枯山水庭園「宝楽園」に入れるのです。
「宝楽園」は、2005年に庭園作家の園冶(えんや)が造園し、山形や長野などから約300トンの石を運んで完成したそうです。
ここは、太古の海を想像した庭園であり、日本庭園としては珍しく上から見下ろせるような苑路を設けています。
心の内にある仏様や神の世界を岩組・樹花・白砂等で表わしているのだそうです。
平石で囲まれたユニークな手水鉢もありました。