村井氏は「測量工学の知識を生かして地殻や地盤の動きを観測し、予兆をつかんでいる」と言う。
「観測のポイントは、主に
●『1週間に4センチ以上の週間高さ変動が複数点にまとまって現れるか』
●『4週間の単位で水平方向の変動がまとまって現れるか』
●『ある地域が、ある期間に連続して沈降傾向を示した後、隆起に転じるか』
の3点です。
今挙げたような変動があると、その土地に震度5以上の地震が起きる可能性が高いといえます。
このような変化が地震の予兆である証拠は、162個の地震を解析して証明済みです」
村井氏は、こうした地盤の動きのほか、さまざまな宏観異常現象も地震の前触れとしてとらえ、注視している。
「たとえば、ラドンガスが噴出したり人間の耳には聞こえない音が発生したりと、さまざまな現象が地震の前兆とされています。
私の地震予測の主流は地殻や地盤の異常な変動を観測することですが、あらゆる可能性を排除しないことで、より予測の精度を高められるのではないかと考え、研究を続けています」
このようにさまざまな観点から地震の予兆をつかもうとしている村井氏は、現在、新たな方法で予測に取り組んでいる。
「搬送波位相」という電波が、GPSやQZSSなどの測位衛星から地球に設置された受信局に到達するまでの時間に遅延がないかを見る方法だ。
「地震の直前、宇宙空間の電離圏が乱れることは科学的に証明されています。
そして、その乱れが影響し、衛星と受信局の間の電波の到達時間が遅れることがわかったのです。
実際、18年9月に発生した北海道胆振東部地震でも、4日前に搬送波位相の遅れが現れています」
搬送波位相の遅延を近年のM6以上の大型地震のデータと照らし合わせて検証すると、すべての地震で搬送波位相の到達時間が遅れていたことが明らかになったという。
今後、この方法を駆使すれば「予測」から「予知」まで精度を高めることもできるかもしれない。
「19年11月に伊豆諸島の青ヶ島で土地の異常な高さ変動を観測しました。
その変動差は、なんと81センチ。
4センチ以上の高さ変動で震度5以上の地震が起きる可能性が高いので、異常な数値といえます。
実は、2011年にも同じ観測点で76センチの高さ変動を観測しており、その2ヶ月後に東日本をM9の大地震が襲いました。
東日本大震災です。
もしかしたら観測エラーかもしれませんが、その一方で事実かもしれないという考え方も捨てきれません。
警戒するに越したことはないでしょう」
東北地方と青ヶ島は遠く離れているため無関係のようにも思えるが、大きい地震ほど、異常が観測された場所から遠くにまで影響が及ぶという。
東北は3.11で地盤が急激に沈降した地域が多く、現在は隆起している傾向にある。
周囲の地盤との境界にひずみが生じているため、そこが地震の発生源になり得る可能性もあるという。
「また、台風などによる気圧の変化も地震の発生を後押しすると考えられます。
とはいえ、予測は人間でいう健康診断のようなもの。
異常が起きそうな兆候をつかんでおくことは非常に重要です。
ゆくゆくは予知レベルの高精度な地震の発生予想を可能にし、ひとりでも多くの命を救えたらと思います」
進化を続ける「地震予測」は、今後「予知」のレベルまで発展するのか。
地震大国に住む我々には見過ごせない問題である。
<抜粋終わり>
観測エラーである事を願いたいですが、用心するに越したことはありません。
関東の地震が多くなっている事は確かなのです。
このくらいの地震なら、耐えることが出来るので、小出しに揺れて歪みを解放して行って欲しいと思います。
要石のある鹿島神宮の自信守(地震守)⬇︎
お守りをゆっきーさんからいただきました。