「週刊ポスト」が測量学の権威である村井俊治氏の最新の地震予測を特集しています。
村井氏「11月中旬、東日本大震災の約2か月前と同じ兆候が現われました。震災以降初めての出来事で、2020年は東日本大震災と同規模の地震が起こる可能性があると危惧しています。」
ここのところ、全国各地で毎日のように沢山地震が起きていて、氣になってはいました。
測量学の権威が警鐘「東日本大震災の直前と同じ兆候出現」
「11月10日から16日までの1週間で『81cm』の高低変動が見られました。
これは、東日本大震災前年の2010年12月26日~31日の1週間に同じ青ヶ島の基準点で観測された『76cm』を大きく超える異常変動です。
青ヶ島と宮城県沖は600km以上離れていますが、遠く離れた基準点での異常変動が、大地震の引き金となるケースは珍しくありません。
さらに、秋田県の電子基準点『鹿角2』や『鳥海』でも7cm以上の異常変動が現われています」
この「異常変動」とは、全国1300か所に設置された国土地理院の電子基準点のGPSデータをベースに、1週間ごとの基準点の上下動を調べたデータだ。
それに加え、地表の長期的な「隆起・沈降」、地表が東西南北のどの方向に動いたかの「水平方向の動き」の3つの指標を総合的に分析し、地震発生との関連性を予測するのが「MEGA地震予測」である。
村井氏が「2020年に最も警戒すべき5つの地域」を危険度順に分析した。
❶ 東北地方警戒ゾーン
「東日本大震災以降、日本列島の大半の地域は南東方向に動いているが、それとは真逆の北西方向への動きが、北海道の根室・釧路地方、千葉県の房総半島南端などの一部地域で大きくなっている。
地表の動きが逆転する境目にあたる青森県、岩手県北部や福島県、茨城県、栃木県に歪みが溜まり、年末にかけて地震が頻発したと考えられる。エネルギーはまだ放出されきっていないと見るべきでしょう。」
昨年末に秋田県、山形県での沈降傾向が強まっている。
「隆起と沈降の境目となっている奥羽山脈に歪みが溜まっています。東北地方は震度5クラスの地震の常襲地帯ですが、隆起・沈降、水平方向、上下動のすべてを鑑みると、今年は新たな大地震の危険度が高いと言わざるを得ません」
❷ 首都圏・東海警戒ゾーン
伊豆諸島や伊豆半島に異常変動が集中している。
「10月以降、伊豆諸島と小笠原諸島は異常な変動を繰り返し、不安定な状態です。
特に隆起・沈降では、隆起傾向の三宅島と沈降傾向の神津島は約30km程度と近距離ですが、年末の両島の高低差は6cmを超えており、“危険水域”と言えます」
❸ 九州南部・南西諸島警戒ゾーン
九州南部も鹿児島県の電子基準点「垂水」の8.3cmを中心に異常変動が集中している。
「年末は鹿児島県の大隅半島と宮崎県南部で、地震発生前に見られることが多い大きな沈降が見られた。
2016年の熊本地震の余震ではなく、新たな地震が発生する可能性があります」
❹ 北陸・信越警戒ゾーン
長野県の「白馬」で9.5cm、福井県の「大野」で7cmの異常変動があった。
「長期的な隆起・沈降では、年末に福井県の『和泉』や『福井池田』、石川県の『白峰』が大きく沈降しており、ここも注意が必要です」
❺ 北海道東部警戒ゾーン
12月18日には、最大震度3の根室半島南東沖地震が起きているが、さらに警戒を強めるべきだという。
「『根室4』が沈降する一方、『阿寒2』は隆起しています。その差は1年前から10cmを超えており、依然として“危険水域”のままです。その境目に歪みが溜まっており、引き続き要注意です」
<転載終わり>