上空からジャングルの密林の中を見通せる特殊なレーザーを搭載した飛行機が可能にしたこの画期的な調査が示唆しているのは、マヤの都市が従来考えられていたよりもはるかに巨大かつ複雑ということだ。
農業、かんがい、採石場、防御設備の跡が広範囲で確認された。
また大規模な道路網は、コミュニティー同士がこれまで知られていた以上に密接につながっていたことを示している。
米誌「ナショナル・ジオグラフィック」が最初に報じたこの大発見は、メソアメリカ文明の営みに関するわれわれの理解を根本から変える可能性がある。
あらゆる物が予想よりも多く存在し、規模もはるかに大きいことが明らかになっている。
かつてマヤ低地には、以前の調査で示された数の「数倍」の1,000万人が住んでいたと見ている。
マヤの考古学を30年以上研究してきたカヌート氏によると、
「熱帯地方は文明の存続に適さず、(熱帯気候は)複雑な社会の維持に寄与しないというのが過去100年間の一般的な考え方だった。
マヤの社会は人口が少なく、インフラは皆無で、各都市国家は小規模で独立しており、都市国家間の交流はほとんどなかったというのが従来の仮説だった。
しかし、この仮説が誤りだということが明らかになりつつある。
今回の調査で、この地域の多くの人々が住んでいただけでなく、彼らは地形の生産性を向上させるためにさまざまな方法で地形に修正を加えたことが分かる。
今発見されつつある多くの防御構造も、かつてこの地域に多くの人と資源が存在し、それらが多くの競争を生んだ可能性があることを示唆している」と語る。
中米のジャングルは非常に密生しているため、現地の史跡の大規模な調査は輸送面で困難なことが多かった。
しかし、「光検出と測距」の新技術により、考古学者らは上空から密林の中まで見通せるようになった。
空中写真図化(マッピング)は、底面にセンサーを装着した飛行機を使って実施される。
この装置は、自動運転車に使用されているのと同じ技術を使い、パルス状のレーザー光を発射し、その光が戻ってくるまでの時間を測定することにより景観のマッピングを行う。
この方法で極めて詳細かつ前例のない規模の調査が可能になる。
カヌート氏は「これは熱帯地方における考古学者らの調査方法を根本から変える技術だ」と指摘。
「太陽や星を肉眼で観察していた時に望遠鏡が発明されたようなもの」
この技術により、従来の考古学的手法に比べてずっと迅速な遺跡の発見につながり、「密林の下に何があるかを見るために、密林を切り開く必要はもはやない。」と話している。
<まとめ終わり>
古代遺跡は、密林の樹々によって長い間守られて来ました。
最新の科学技術のおかげで、密林を切り開かなくても調査できるようになったのは朗報ですね!
科学技術は、こんな分野にこそ使って欲しいものです。
お次は、アカデミズムを覆すようなあっと驚く発見があるといいですね!