さだまさしさんのコンサートのMCばかりを集めたCD『噺歌集』から、私が大好きな話題を今日はお伝えいたします。
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<大ウケの新幹線内アナウンス 2000年>
ある時、大阪に新幹線に乗って行ったんだけど、その新幹線が5分前に入線してドアを開けておいてくれていたの。
だから、そこへ入って座っていた。
その間、ずっと車内アナウンスが流れていたんだけど、聞いてません。
お茶かなんか買いに行ったりして、全然聞いてない。
でも、座ってフッと気がついた。なんか耳引っ張られたんですよ。
それでよく聞いてみると、同じことを何度も繰り返してた。
「この列車、ひかり号新大阪行きです。こだま号ではございません。どうぞご注意くださいませ。
東京駅を出発いたしますと、名古屋駅まで停まりません。次の停車駅は名古屋です。
この電車、ひかり号新大阪行きです。こだま号ではございません。どうぞ、お手元の乗車券をお確かめください。
本日、土曜日の午後でございます。
土曜日の午後になりますと、小田原・熱海方面へお出かけのお客様が、こだま号と間違えて、ひかり号にお乗りになるケースが多々ございます。
ご注意ください。この電車はひかり号新大阪行きです。こだま号ではございません。
東京駅を出発いたしますと、どのような事があろうとも、名古屋まで停まるわけには参りません。
どうぞ、ご注意くださいませ。」
これはね、きたね!
どこに体温が乗ったか分かるでしょ?
どのような事があろうとも…停まるわけには参りません!
このくだりです!
ここに、この車掌の体温が乗っているんです。苦労したんだなって分かるわけです。
いそうだもの。小田原・熱海に行く人がひかり号に乗って車掌に泣きつくケース。
今まで、泣きつかれて苦労したのよ、この車掌。
「降ろしてください~(涙)」(綾小路きみまろ風。。)
そういう人は、きっといっぱいいたのねって思うじゃん。
するとこの車掌にスッと同情するわけよ。
そうすると、いったん人の耳を引きつけた人のアナウンスって言うのはね、その後も引きずりますね。
またこの人、面白いこと言わないかなって思うのよ。
こういう人は、絶対期待を裏切りません。
名古屋に着く頃に、
「まもなく名古屋~名古屋でございます。名古屋でお降りのお客様、お手荷物などお忘れ物のない様に、そろそろご準備のほどお願い申し上げます。
お出口、右側でございます。まもなく名古屋~名古屋に停車いたします。
え~、なお。。。出発前にわたくしが、あれほど申し上げましたのに、熱海までおいでになるお客様、本日も2名様お乗りでございます。
申し訳ございません、名古屋までお連れいたしました。
乗り換えのご案内をいたします。◯◯方面へお越しのお客様は、◯◯番線へ、◯◯方面へお越しのお客様は◯◯番線へお乗り換えをお願いいたします。
また、熱海へお戻りのお客様!!、この列車名古屋駅に着きましたなら、どうぞ反対側のホームへお周りください。
反対側のホームでお待ちになりますと、最初に入って参ります列車、ひかり号です。
ひかり号にお乗りになりますと、また東京駅まで停まりません。」
これはね~、大爆笑が起きた。
おそらく16両、全員笑ってた。これはウケるわ。
それでも傷ついてる人がふたりいるんだからね。
通りすがりの人が、笑いひとつで同じ体温になるんだ。
俺、忙しくなかったら絶対名古屋で降りて、反対側ホームに行くふたりを追いかけてるね。
言葉に体温が乗ると、こんなにも人を引きつけるパワーを持つんだね。
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このお話を私は大好きなんです。何度聞いても笑えます。
これまでさださんの言葉のパワーに、どれだけ助けられたか分かりません。
笑いあり、じーんとくる暖かいお話ありで、さださんは歌もステキですが、トークがたまらなく好きなんですよ。
だから私にとって、このCD集は宝ものみたいなものなんです。
久しぶりに引っ張り出して聴いてみました。。