大飯原発 活断層 VS 地すべり | misaのブログ

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8日の「モーニングバード そもそも総研たまペディア」よりまとめました。

そもそも大飯原発下に活断層はあるの?ないの?

原子力規制委員会の田中俊一委員長は、9月26日時点で「黒か濃いグレーの時は、原発を止めて頂くことをお願いする」と発言している。

それを現在調査しているのが、こちらの4名の有識者の方々。

東洋大学渡辺満久教授
信州大学廣内大助准教授
産総研重松紀生主任研究員
立命館大学岡田篤正教授

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4名の中でもこのように意見が割れている。
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渡辺満久教授に話を聞いた。
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「この赤い線は地層を切っているので、明らかに断層だ。

緑の線の年代が9万5千年前だと分かっているので、それより古いのは間違いない。

青い線は、昔12~13万年前に海が削ったベンチと呼ばれる平らの地形だという事も、みんなで認識している。

12~13万年前から約10万年前の間の地層を、この赤い線の断層は切っているので、ここには明らかな活断層が存在すると言うのが私の結論だ。

まだ早いとか慎重にと言う意見はいらない。のんきな学術調査ではないので、この段階での決断をすべきだ。

追加調査をするなら、すぐに原発を停止して全てを調べ直す覚悟で調査するべき。

この赤で囲った部分が【地すべり】性のものではないかという可能性もあるが、向かって右側が海で左側が山なので、低い海の方から高い山の方に地すべりが起こる事は考えられない。」

溝を掘って調査した場所は、F6断層を延長した所にある。

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この検証場所を上空から撮影した写真。右側が海だというのが分かる。
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渡辺満久教授は続ける。

「我々に求められているのは、徹底的に学術的にこれが何かであるかという事が求められているわけではなくて、今まさに動いている大飯原発をこのまま動かしていいのかどうか、という判断だと思っている。

もっとはっきり言えば、白なのか白以外なのかという事が僕らに求められている事だと思っている。

黒と白の途中のグレーでも濃淡に関係なく、グレーはグレーだ。

なぜならば、そういう確率の高いとか低いとかそれを福島で失敗しているわけだから、そこで学習していないのか。

真っ黒あるいはものすごい濃いグレーだった宮城沖の99%が起きなくて、ほとんど白に近かった場所で、大きな地震が起きたという事を全く学んでいない気がする。」

つまり、渡辺教授は白かグレーかで判断すべきで、疑わしいんであれば原発を止めて調べなければならないと言っている。

それに対し2回目の有識者会合で、原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理は、こうまとめた。

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①止めて調べるかどうか検討するつもりはない。
②規制委員会で止めて調べるかを検討するかどうかは田中俊一委員長が決める。
③田中委員長に検討の場を作るべきだと提言するつもりはない。

つまり、原発を止めて調べるつもりは全くないようだ。

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さらに活断層ではないかと言われているF6という地層のずれ(黄色の線)がある。

F6が活断層だとすると、赤い線の破砕帯が動く事が懸念される。

また、F6が動くと非常用取水路(青い線)が破損するおそれもある。

この問題点を小出裕章助教に聞いた。

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「例えば、原子炉が止まってしまった、自分では発電が出来ない、そして外部の送電線もひっくり返ってしまい外部からの電気も受けられないという福島第一原発事故のような状況が起こった時、非常用のディーゼル発電機というものを動かして、電気を供給しなければならない。

非常用ディーゼル発電機というものは、巨大な発電機である。

それを動かすためには発電機そのものを冷却しないと動かない。

その冷却水も、緊急用取水路から供給されている。

だから、その水がなくなってしまえばディーゼル発電機を起動させる事も出来なくなる。

つまり、電気は供給出来ないという事になる。

ガソリンで発電するような小さな発電機は空冷で済むが、巨大な発電機となるとそうはいかない。冷却水が必要となる。

事故というものはどんなふうに起きて、どんなふうに進展するかという事を正確に予測できないからこそ事故と私は呼んできた。

どんな時でも必ず【大丈夫】というような事は、まず期待しない方がいいと思う。

わざわざSクラスの最重要施設と決めたものは、活断層の上には建てないという事はずっと原則できたわけであって、活断層かどうかが分からないと言うなら、まずは止めるというのが当たり前の事。

動かしながら調べるというのは言語道断だ。」

これに対し関西電力は「海水管から海水を供給できない状況になった場合、非常用ディーゼル発電機は使用出来ない。
その場合は、空冷式の非常用発電装置を配備している。」と答えている。

しかし、崖崩れで道が遮断された場合たど、うまく配備できるのか甚だ疑問が残る。

<まとめ終わり>

渡辺満久教授は、脱原発派の方ではなく、必要なら原発は動かすべきだと考えている方なのです。

しかし、原発付近の断層を調べるうちに、何も調査しないで危険な場所に建てたのか、あるいは活断層があってもないようにして建てたのではないかと言う事が段々と分かってきたようです。

その憤りからあちこちの原発を調べ、今回の訴えになっているわけです。

原発に反対していない方が、危険だとするのは信じられると思います。

渡辺教授や小出裕章さんのおっしゃる通り、活断層か疑わしいのであれば、まず人々の安全のために止めるべきです。

地震はいつ来るか分からないのですから。