人がいない空港② | Moose Nose ~スウェーデンから日本へ~

Moose Nose ~スウェーデンから日本へ~

8年のスウェーデン生活を終え、家族で日本に引っ越して来ました。

日本から一睡もできぬまま、予定より15分ほどヘルシンキ空港に着陸した。
さて、これから4時間半もの間、ここで過ごさねばならない。
時間はたっぷりある。
 
飛行機から降りてすぐにオムツ替えをし、
その後荷物検査、税関を抜けた。
大体40〜50分くらいはかかっただろうか。
それでもまだ、3時間以上もある待ち時間チーン
(ちなみに税関では、パスポートと移民カードを提示した後、スウェーデン語で目的地を聞かれたくらいだった。)
 
空港はと言うと・・・、
成田空港同様、人がほとんどいなかった。
 
いつもは賑わっているお店もご覧の通り、シャッター通りに。
 
 
最初に探したのは、サムを乗せる車椅子。
幸いすぐに見つかった。
姉からもらった携帯用の手ピカジェルで念入りに除菌。
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重い荷物も引っ掛けられたので、少し楽に移動できるようになった。
(それでも、アンをずっと抱っこしていなきゃいけなかったのは辛かったけれど。)
 
日本時間では夜の23時ごろだったのだが、
またまた初めての場所、窓からは飛行機が見えると言うことで、サムのテンションマックス笑い泣き
アンも眠さよりも興味が買ったのか、中々寝ない様子。
多分、外が明るかったのもあり、時間の感覚もわからなくなったのだろう。
 
そんなテンションの高い子供たちとは反対に、
人がおらず異様に静かな空港で、やはり緊張する私。
周りにマスク姿の人は半々。
アジア人はほとんどいない。
そんな中マスク姿のアジア人一家は目立つのか、人々の視線をやけに感じた。
 
しばらくするとサムは車椅子から降りたがるようになった。
しかし、どこを触るかもわからないし、一人で勝手に走りまわるのが目に見えている。
私の疲れも限界で、なんとか寝てくれないかと空港内を行ったり来たりしながら歩きまわったのだが、
サム、全く寝る気配なし・・・チーン
しかしこの徘徊でアンがようやく寝てくれたので、
とりあえずヨーテボリ行きのゲートまで行き、そこでしばらくサムには動画を見せることにした。
私もしばしの休憩。
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ここで1時間ちょい時間をつぶしたのだが、
ここまできても全く寝ないサム。
普通なら動画を観ながらウトウトするのに!!チーンナンデェェェ
 
動画に飽きたサム、再び車椅子から降りたいと連呼。
この声により、アン目覚めるチーン
なぜだ、なぜに寝ないのだ、子供たちよ!!えーん
 
再びぐずりだす我が子達。
ゲート周辺にはヨーテボリ行きの飛行機を待っている人が他にも10人くらいいて、
その中には横になって休んでいる人もいたので、
迷惑にならないようにとりあえずまた空港内を徘徊。
でも、私の体力も限界に近づいてきた。
もう歩けない・・・と、誰もいないベンチに腰をかけた。
サムも眠気が限界だったのだろう。
涙を浮かべて私にこう言った。
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少しすれば大好きなじーじの家に帰れると思ってこんなにも小さな体で頑張っていたんだろうな。
涙をボロボロ流すサムに、私も堪えている気持ちが溢れそうになる。
抱っこして欲しいに決まっている。
しかしアンを抱っこしているので、サムを抱っこすることはできない。
車椅子からおろすと、どこかに走って行ってしまう可能性があるので、安易に降ろすこともできない。
ウイルスから子供達を守らねばならないのだ。
「ごめんね、もうちょっと頑張ろうね。ごめんね。」
そう言ってあやすしかなかった。
そんな私にサムが言った。
「おかあさん、(胸を)トントンして・・・。
おうた、うたって・・・。」
 
胸を優しくトントンしながら、サムの好きな歌をうたった。
ヘルシンキ空港に到着してから3時間後、ようやくサムが寝た。
次の搭乗時間まで1時間もなかった。
 
続く。
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日本ーヘルシンキの機内では、一食分しか食べられなかったので、
ヘルシンキ空港で何か買って食べようかと思ったのですが、
やはり、そこで何かを食べるのは怖くて結局何も食べずじまいでした(コンビニでコーラだけ買いました)。
 
ヘルシンキ空港では子供達もすぐに寝るだろうと思っていたのが、
見事に期待を裏切られ、お腹も空いたし、疲れたし、眠いしで、私の心も体も限界に。
でも、子供達の方があんなに小さな体で、もっと頑張っていたんですよねぇ。
なんせ日本時間の夜中の2時まで起きていたんですから。
サムなんて、あんなにも乗り心地の悪そうな車椅子にずっと座ってなきゃいけなかったわけだし。
 
二人の顔に、薄らクマも出てきていました。
2歳児と0歳児の顔にクマって・・・。
中々見ないですよね・・・ゲッソリ
 
泣いているサムを見て、
こんなにも頑張らせて、こんなにも危険な目に合わせてしまって、
私の選択は間違っていたのではないか、とすごく後悔しました。
もっと強くボーに言えばよかった、そう思いました。
こんなにも子供達が頑張って、こんなにも私が葛藤している気持ちを、ボーはちゃんとわかってるんだろうか・・・。
行き場のない怒りが、ボーに対しての不満にどんどん変わっていきました。