初めてのお葬式 in スウェーデン 2 | Moose Nose ~スウェーデンから日本へ~

Moose Nose ~スウェーデンから日本へ~

8年のスウェーデン生活を終え、家族で日本に引っ越して来ました。

教会に着くと、一人1本薔薇の花が配られた。
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まず神父の話を聞き、
その後義祖父へ別れの挨拶をする。
祭壇には義祖父の棺があり、
その前に籠が置いてある。
そこに薔薇を入れ、義祖父の棺へと進む。
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私は義祖父とは、数えるくらいしか会ったことがない。
義祖父の妻、つまり義祖母とはパーティーなどで何度も会っているのだが、
持病がある義祖父は、そういう場には姿を見せなかった。
在住4年半で、5回は会っただろうか…。
本当にその程度しか会っていないのであるが、
言葉もわからない移民の私に、
初めて会ったときから、会えばいつもあたたかい歓迎を顔と体で表現してくれた。
言葉を一言も発さずとも、ニコニコと笑顔で、
そしてジェスチャーで、
「ほら、ここにお座り。」
とか、
お菓子を差し出して、
「ほら、これを食べて。」
と言ってくれた。
そんな優しい義祖父の笑顔を思い出したら、
あんまり会ったことはなくても自然と涙が溢れてきた。
私は心の中でこう言った。

おじいちゃん、おじいちゃんにとって私は得体の知れないアジア人だったでしょうね。
でも、そんな私をあたたかく迎えいれてくれて、優しく接してくれて、
本当にありがとうございました。


そして棺に手をあてて、小さな声で、
「Tack så jätte mycket.(Thank you so much.)」
と呟いたのであった。
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別れの挨拶をし、自分の席へ向かった。
ふと後ろを振り向くと、相方家族は勿論のことながら泣いていて、
それをパートナーが肩を組んだり、手を繋いだりして慰めていた。
よくよく見ると、他の人達もそんな感じで席に戻っている。
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対して私はと言うと、
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泣いている相方の後ろをただ歩いていただけ…。
お葬式で肩をくむ、手をつなぐ…なんて頭にもなかった私。
でもほとんどの人達がそうしているのを見て、
これは…手を繋いで相方を慰めてあげるべきだったのではないか…滝汗
と思った。
ちなみに相方ファミリーは私達以外、
パパママ、姉&旦那、弟&彼女はみんな手を繋いだり肩をくんだりして慰めあっていた滝汗
ボーちゃん、気の利かない妻でごめんよまっしろごめん

さて、葬儀では度々歌をうたう場があった。
(おそらく)プロのピアニスト&歌手が前に立って歌っていた。
その歌手の腕と首にはガッツリ、
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タトゥー。
海外暮らしをしていると、タトゥーなんて当たり前のことで、今更見ても驚きはしない。
看護師だって保育士にだって、タトゥーをしている人はいるのであるが、
日本だったら、無しだよなぁ…。
なんて思ってしまう私はまだまだ頭がかたいのかもしれない。

その後、親族を代表して、男性が前に出てきた。
挨拶をするのかと思いきや、
その男性はピアノがある場所に進み、
そして、
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歌った。
その歌唱力がまた半端じゃなくて、
プロ並みにうまいポカーンすごい
一瞬お葬式というのを忘れて、彼の歌に聴き入ってしまったほど。
彼は歌い終わると、特に挨拶をすることもなく、
また元いた席へと戻って行ったのであった。
なんか、こんなこと言っていいのかわからないけど…、
おシャレな親族代表挨拶だな…。

教会でのお葬式が終わると会食タイムとなった。
そこで2時間ほど食事をした後に、義祖父のお墓へと向かう。
私は棺を埋めるところまで見届けるのかと思っていたが、
私達がお墓へ着くと、既に棺は埋められた後で、
その上には綺麗な花束やリースが飾られていた。

「とっても綺麗。素敵ね!」
と皆。
そして…、
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写真を撮り始めたポカーンビックリ
お墓を撮るなんて、これも日本では考えられないこと。
しかし、皆の顔はとっても穏やかだった。
綺麗な花々に飾られたお墓、義祖父もきっと喜んで天国に旅立っていっただろう、
そんな風に思っているのが彼らから伝わった。
亡くなったあとも、悲しみではなく幸せな思い出として残す、これもスウェーデンスタイルの見送り方なのであろう。

沢山のカルチャーショックを受けた1日であった。
日本は色んな決まり事やマナーがあって、それはそれで日本独自の文化で良いところでもあるとは思うが、
ここスウェーデンでは、服装とかタトゥーとか関係なく、
一番大切なのは、故人を送り出す気持ちなんだな~、と感じた私であった。

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昨日、ソーセージパンを焼きました。
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作り方はこちらを参考に↓。

 

これこれ、この味。
懐かしい味にこキラキラ
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相方にも大好評!
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これから色んなお総菜パンにも挑戦していきたいと思いますパンハート