『壁ドン』とやらであった。
壁ドンを知らない海外在住者の方々の為に説明すると、
壁ドンとは、男が女を壁際まで追い詰め、顔の横でドンと手をつき耳元で愛をささやく、
一瞬間違えればDVになりそうな行為を女子がキュンとするというものである。
テレビをまわそうものなら、壁ドンの嵐。
最近では壁ドンカフェとやらもできたらしい。
それがまた人形に壁ドンをされ何か愛を囁かれるらしいが、
「ホラーじゃん、これ。」
と引いた私である。
しかしテレビの向こうにいる壁ドンカフェを体験した女子たちは、
「とってもキュンとしました♥」
と言っているから、この感覚がまた不思議でしょうがない私。
実際されたらキュンとされるどころか引く。
全くときめく要素がない。
こんなこと、実際にやっている奴はいるのだろうか…。
などと思ってしまう。
オーストラリアにいた頃、まだ相方と付き合って間もない時のことである。
一緒のバックパッカー(安いホテルのこと)に泊まっていたのであるが、
夜に庭で色々と話していた私達。
ふと上を見ると、とても綺麗な満月が。
「わぁ、上見て!
月、めっちゃ綺麗!」
と私。
すると相方が一言。
「月よりも、ろびまろの方が綺麗だよ(^_-)」
こんなこと、実際言う奴いるんだ…。
と付き合いたてだと言うのに、一歩引いて相方を見てしまったあの日。
「ありがとう…。」
と言うのが精いっぱいであった。
こんなことを言う奴が実際目の前にいるのだから、
壁ドン+耳元で愛をささやく奴も世界中探したらきっといるだろうな。
壁ドンのどこに胸キュンポイントがあるのか、私には一生わからないだろう。