注意(はじめに必ずお読みください)
これは福岡県からきた小宮氏と、鳥取環境大学の見上氏、楠本氏による学生食堂での雑談をほとんどそのまま書き起こしたものです。あくまでも若者たちによる雑談ですので、専門的な解釈に誤りがあっても悪しからず……。
また、これは前の記事「環境と若者の声 鳥取編 その1」と「環境と若者の声 鳥取編 その2」の続きになります。そちらを先に読むことをお勧めします。
ここからもはや本当に雑談でしかありません。それでも良いという方は、どうぞ。
~~~続き
小宮 凄まじく個人的な話ですけど、自分居なくなった生き物が好きなんですよ(笑)それこそアゲマキとかヒメモクズガニとか、あれは14年前に消えたとか1990年代から個体群がなくなったとか、まあ海外のそういうのでも何でもいいんですけど、居なくなったって言われているのを探すのがとても好きで。それがまだ見つかる段階なんですよね。それが何というか、ロマン……ロマンっすね(笑)
見上 ロマンの欠片っていうね。まだその様々な分野においてぎりぎり後戻りできる、後戻りというか要素を拾って。次の時代にどんどん移り変わっていってるんですけど、前時代、いや前々時代ですね。経済の仕組みとか建築様式とか生き物の生態系とかってものが拾える段階なんで、それを思うと最近楽しくて楽しくて。例えば建築法ひとつとってもそうですけど、昔ながらの建築というのは今の建築法上建てられないってなってて。これを詳しく話すと1時間2時間長くなるので話しませんけど、でもまあ日本の風土にあった非常に良い建築様式というのがそれこそ高度経済成長期の効率化のためだけにできた法律によってどんどん禁止されていって、耐震性能とかを測る機械が無かったんで古い方の耐震性能実験ってのは全くされないまま、新しい方ばかりの耐震性を上げる検査とか行われるようになって、こっちのデータばかりが豊富なので、古い方は潰して行きましょうみたいになってるところがあって。そういう古い建築様式がまだ残ってる街並みを歩いてスケッチをするのが楽しくてしょうがない。失われゆくものへのロマンですよね。
小宮 分かりますね……めっちゃありますね(笑)
見上 ただの懐古主義じゃなくて失われゆくものたちというものが、非常に世の中の間違ったことによって消されていってるということが
小宮 理不尽なんすよね
見上 理不尽に消されていく者達に対するロマンってありますよね
小宮 めちゃくちゃわかります、そこ分かります!分かりみしかないです(笑)
見上 分かりみですよね(笑)
楠本 そういうのってあれやもんな。これはこれこれこういう理由でやらないといけないんだって、いくら力説しても皆それがいいと思い込んでるから「なんで?」としか返さない
見上 そう。
楠本 今住めてるからいい、今俺たち困ってないからいいみたいな感じでしか思いませんもんね。
見上 本当ミクロでした世の中の利益を考えない人達が管理的な立場にいるから中々それは動かない。
楠本 お前らの口にセメント流し込んだらセメントの味分かるだろうがって言いたい(笑)
一同 wwwwww
楠本 お前らの足元のヤスデの気持ちになったことあるのかって(笑)
見上 まさにね、今の法律だと、土の上にコンクリートの平面な場所じゃないと家建てれない。だからもうあれなんですよ。だから極論でいうと大阪も山全部削って谷間を埋めて綺麗な平地を作って全部ビルでも立てればいいじゃないかって言いたくなるほど、全くもってその土地を殺す建築をやって。
楠本 それ言っちゃったら「あ、イイね!」って言われかねない。いや絶対言う。
見上 そう、言われかねない
小宮 ヤバいっすね(汗)
見上 それでイイね!って言われたのがまさにスーパー堤防ですよ。
楠本 あぁ!そうだ(笑)全部でかくしちまえって。
見上 大きくしたら問題は無いでしょうって。あれをやったせいで多分、自然に対する畏怖ってのはますます薄れて、あの地域の防災ってのにどれだけの罪を残したかというね。漁村地域の津波に対する波への恐怖が薄れかかっていた現代で、あの悲惨な事件が起きた。ただ先人達が記録していた神社とかに逃げた人は生き残った。だからそういう、実際に神様はいないにしろさ、土地の神様とか海の神様みたいに人が語り継いできたものの中にそういう教訓ってのはいっぱいあった。まさにあれですよ、神殺しに近いですよあの堤防は。
楠本 ま、殺されたけどな。
見上 殺されたね。それでいて、畏怖を失った人間達にあれ以上の津波が来た時に何が出来るかってところまで考えてないんですよね。だからあの想定内の自然の脅威にしか耐えられないし、こちら側の意識も減っていく。だから本当は湿地とかを残した状態で、周りに住む人達の啓蒙ってのをあの巨大な堤防を作る予算を全て投じてでもやるべきだったと思うんですけど、まあ出来ないんですよね(苦笑)
小宮 12月の時(第1回環境保全学生連帯会議)にちらっと言った、一つの湾だけ堤防を作らなかった場所があるじゃないですか。この前稚魚研究会でそこの研究結果が出てて、そこの市民が買い取ってなんとか残った塩性湿地と海の間は行政が埋め立てちゃったから、海と塩性湿地の間に埋立地があるんですよ。そして塩性湿地と川(海)を繋ぐのはこんな塩ビパイプしかないと。それで必要ない堤防を取っ払う、いや小さな入口を作る交渉だけで1年かかってるそうなんですよ。まあそこが辛うじて残ったことで、他は全部堤防じゃないですか、だから残したところとそれ以外の所の比較がようやく出来るっていう。だから向こうは今後、海は死んでいくのかもしれませんけれど。でも1箇所残っただけでも「ほら見ろ」って後で言えるんで。
見上 まさにそこなんですよね。ほら見ろ!としか言えないっていうね(苦笑)
楠本 それが一番、自然にも保護する人にとっても見せつけられる側にとっても許容できる落としどころっていうね。
小宮 某国みたいに、保全のために巨大な水門を爆破できるみたいな気概は無いですからね(笑)
見上 凄いですよね。あそこまでいくと面白いですよね(笑)
楠本 自然壊すのも作るのも、スケールがでかい(笑)
見上 やることがでかい(笑)
楠本 一つの森を牛のために切り開いたと思えば、一つの森を人すら入れないようにするじゃん?w
小宮 極端すよねww
見上 その実験ができる土壌というか、人の寛容さってのはあるよね。あの国の成り立ちからもあるのかなって思うけど、ただ面白いよね。
楠本 バッファロー皆殺しにしたあと、バッファロー殺した奴皆殺しにして。数年で鳥皆殺しにしたかと思えば……まぁあれはもう戻らんけど。他のやつガンガン守ろうとするし。
見上 捕鯨をするために開国させた国にクジラを捕るなって言いに来たりね。
楠本 あれはどうにかしろよ(笑)
見上 〇リーに責任を取ってもらわないとね
楠本 あれはwww
見上 なんて話を普段学生食堂とかで
小宮 良いですね、本当(笑)全国に散らばってる生き物屋って話す宛が無かったみたいで、この前集まった時に数時間愚痴の応報でしたね(笑)
見上 だから愚痴をいう場所っていうのは凄く大切でね。愚痴をいうことで見えてくることもありますから。
小宮 この前はやばかったですね、過激な方向に行き過ぎて(笑)
見上 人の醜さ認めないと物事前に進めないみたいなところがあってね、全ての正義を追い求めるともうなにもかもが進まなくなっちゃうっていう。
小宮 外来種問題に愛護問題が絡んでくると厄介ですよね。
楠本 とりあえず俺はラスカルが悪いと思う。
小宮 ラスカルってアニメの中でも凶暴だったんすよね?
楠本 凶暴だから捨ててきなさいって言われるっていう
小宮 あのアニメを見てどうして皆飼おうと思ったん出すかね?
見上 ラスカルが可愛いからじゃない?
小宮 www
楠本 そもそもアニメからして逃がすっていう。アメリカですらですよ。
小宮 それをなんで日本人は飼おうと思ったんでしょう、疑問でしかないんですけど(笑)
見上 何も考えてないんですよ、多くの大衆ってのは。
楠本 緑の亀カワイイ!
小宮 小さい亀こんなでかくなった捨てよう、ですもん。
見上 可愛い!可愛くなくなった!捨てる。でもそこで学ばずにまた別の小さい亀を買ってくるでしょ、小さい可愛い!って。
企業部の先輩 なんの話をしよるんや?
見上 今はあれですね。田んぼの話から環境問題から、何かもうやってやれませんよね、みたいな話を。
企業部の先輩 田んぼの話からやけくその話か(笑)
後略
このあとは、四時限目の授業のため解散しました。
おわりに
ことの発端は、発足して1年弱が過ぎた環学連ですが、せっかく繋がりを作ったのにも関わらず具体的施策が停滞しており、精力的に活動している鳥取の皆様にアドバイスを頂こうと思い私が鳥取に赴いたのが始まりです。
初めは思いつきでしか無かった鳥取訪問ですが、見上氏と雑談を通して「同い年なのにこんなに凄い奴がいるのか」と改めて実感するとともに、心強い仲間がいることを再認識させられました。対談という程のものではありませんが、軽い雑談から明日への活力を貰えた気分でした。最初は要点をまとめて記事にしようと考えましたが、これはそのまま公開した方が伝わるのではないか、と思いこのような形式で公開させていただきました。
とはいえ、これはあくまでも少し真面目に環境に取り組む若者たちによる愚痴と雑談です。雑談なので多少……?の暴言はありましたが、それでもこの会話を聞いてもらいたいと思い、ほとんど修正せずに公開しています。
私や見上氏がそうであるように、人間環境や自然環境も含めた環境問題に関心がある若者なら、少なからず共感できる点があったのではないでしょうか?
おそらくこれを読んで不快に思ったり、批判をする方が出てきたりもするでしょう。
しかし、これは本音でもあります。環境問題という大きすぎる問題を前にして、手遅れじゃないかという疑念を押し殺しながら、それでも取り組んでいこうとする彼らの想いを私はこの雑談の中から感じました。
真面目に取り組みつつ、時には愚痴を言い合いながら、それでも私たちはより良き将来のために努力していきたいと思います。
「あの頃はよかった」ではなく「あの頃は大変だった」と笑える未来を目指して。
環学連有明海支部 小宮