~ 社長@年上視点 ~
おまえ、何かしたくなると、謝るのもせまるのも「三段活用」でやってくるのやめて?(笑)
三段活用ってそういうことに使うものじゃないでしょ。
それに「はい、ちゅーしますよぉ」って言いながら、いささか接近しすぎなんだよ!
すよぉ、の時にはもう、唇くっついてたじゃないか。フライングしすぎだ。
「まぁ、可愛いからいいんだけどさ(笑)」
俺の上で寝てる彼の背中を小さく叩く。
「なんでお前が俺のパジャマの上を着てて、持ち主の俺が上半身ハダカなんだよ。
俺が風邪ひいたらどうすんの」
そしたら、こいつは吹き出しながら目をパッと開いた。
「くれるって言ったじゃん」
「あげるとは言ってない」
「ケチ!」
「それは違わない?(笑)」
俺も可笑しくて吹き出したら、
「血が足りないから補給しちゃうぞ」
なんて言い出した。
補給しようと、また首を3秒も吸われちゃたまんないから、急いで違う方法を提案する。
「足りないなら鉄分飲みな」
「わざわざ飲みに行かなくても平気」
「……おい~!なんで俺の上をずり上がるんだ」
「ん?」
「こすれて痛いだろ」
「何がこすれてんの?」
「お前が着てるパジャマの胸ポケ!」
「……あぁ、そうなの?痛いの?」
「うん、ちょっと痛い」
「ふーん」
なにその変な声。
警戒して目を上げたら、彼は下を向いてて顔が見えない。
「……お坊ちゃん、上からどいてくれる?」
腰を掴んで俺の上から降ろそうとしたら、
「パジャマの柔らかい布が痛いって、どんだけ繊細……あ、違うか(笑)どれどれ……?」
どこかな?とか言って指をさまよわせるんじゃない!
どれどれってなんだよ!
「あ、ここかな?あ~、だいぶ腫れちゃってるから、聴診器当てないといけませんねぇ」
「なんで聴診器?それ、心臓でしょ?」
「聴診器で、腫れちゃってるところの音を聞いて調べないと」
真面目な顔して言うな!!
「ふざけんな!しかもちゃっかり、押すなバカ!(笑)」
「だってどれぐらい痛いのか、腫れてるのか触診しないと(笑)」
「どういう触診だよっ!このエロ医者!」
「ふふ、エロ医者で結構。あなたはたった一人の大切な患者さまですからね」
「たった一人」
いきなりそういうこと言うなんて、ずるすぎる。
「そうですよ。だから一所懸命、くまなく調べて診察してさしあげます」
「くまなく(笑)なんか違う気がするけど」
「全身、一分の隙もなく診てあげるからご安心を」
「ニヤニヤしながら、見てあげるって言われても」
「言われても……何ですか?」
「患者さまは見られたくないんですけど」
「診なきゃ診察できないでしょうに」
「……あ、そっちの診る、か(笑)見る、のほうかと思った」
「おやおや、すぐわかりそうなあなたなのに間違えるとは。これは頭も調べなきゃいけないですかねぇ」
ですかねぇ、ってなに?(笑)
っていうか、なんで今こうなってんの?
「あの、どうやって調べるんでしょうか?」
胸からこいつの注意を逸らさせないとな(笑)
「ん~、そうですね~。どうしてほしいですか?」
「あ、患者に聞くんですか?」
「そうですね。私は患者さまの要望を可能な限りは叶えたいと思っていますので」
添いたいではなく、叶えたいのな(笑)
明らかに医者が言う言葉じゃないわな。
そろそろお遊びはやめようと思ってるのに、こいつは視線で促してきた。
まぁ、明日は土曜だし、付き合ってやるか。しょうがないな~(笑)
「そうですか……。そうですねぇ。いきなり言われても、僕は患者なのでちょっとすぐにはわからないんですけど」
「あぁ、まぁそうですよね」
まぁ?まぁってなに(笑)
しかも「そうですよね」ってことは、おまえの中で勝手にすでに決まってるじゃないか。
「あの、先生はどうやって調べようと思ってらっしゃるんでしょうか?」
「私なら、こうやって」
「!?」
頭を両腕でそっと抱きかかえられてビックリする。
「しようと思ってます」
「……っ」
そう言いながら頭にあちこちキスするとか、やること素早すぎない!?
「先生の行動が素早すぎて、コワいんですけど(笑)」
「診察は早いほうがいいですからね」
「それはそうですけど、あの」
「すぐのほうがいいに決まってるでしょう」
「これ、診察なんですか?」
「私は好きな人から頭にちゅーされるのは、とても安心するから大好きなんですよ」
「は、はぁ(照)大好きなんですか?」
「はい。大好きです」
にこってしながら急にそういうこと言うの、可愛くて心臓に悪いからやめてくれないかな。
「だから、患者さまにも同じようにして、安心させてあげたいんです」
「……そうなんですね」
「どうですか?」
急に顔を覗き込まれて、可愛くて綺麗な顔にドキドキする。
「ど、どうですかって」
「はい」
(目だけ妙に真面目で圧かけて「俺に有無を言わせず」、それでいて返事だけはしおらしく「はい」じゃねぇぇぇ!!)
あ~もう、いいや。
そもそも、最初っからお前の顔に弱い俺がいけない。
この子が俺を大事にしようとしてくれてるなら、そうしたいなら、それが一番だもの。
「先生が一番良いと思うことならば、それをお願いします」
「わかりました♪」
そんな嬉しそうな顔されたら、もう何も言えない……☆
(続く)