社長の優秀さ発揮!でも…?(笑)

 

~ ウサギ@年下視点 ~

 

膝打ったから、ちょっと痛いな~。

うちの飼い主、嫉妬深くない?

さっきの店で店員のお姉ちゃんが、俺たちに色目使ってきたのはすぐわかったけど。

俺は「客として」ちょっと微笑んだだけなのに、なんで蹴ってくるんだよ。

いきなりだったから反射的に足が上に跳ねて、膝を思いっきりテーブルに打ちつけて。

置かれたばかりの熱いお紅茶のポットが倒れる羽目になったじゃないか。

 

まぁ、おかげで責任感じてくれたみたいなのはラッキーだけど(笑)

俺が怒らせちゃったことはうやむやになったからね。

 

しっかしまぁ、まさか手を一緒に洗うとは思わなかった。

それって普通やらな……あぁ、飼い主ならペットにはやるね(笑)

 

膝痛いから歩きたくなくて、でもそれ言ったらまた責任感じそうだったから、

あれ以上はちょっと可哀想だし、うまい言い方を考えて……。

 

試しに「歩くのやだ」って言ってみたら、なんか面白いことになった(笑)

俺から言わずして「言わせてあげた」しな!

俺って頭いい~^^

 

さすが俺より一回り体が大きいだけのことはある。

俺は細いってのもあるけど、あんな簡単に抱き上げてスタスタ歩けるなんて、ビックリだ。

 

かけてくれた毛布から手と目だけ出すと、あれ?彼がいない?

今いなかったっけ?

 

パッと立ち上がろうとして、膝が痛くて呻く。

ちょっとガクッとなっちゃったところへ、タイミング悪く彼がやってきた。

 

「どうした?」

 

駆けよって立たせてくれる。

それはそれでちょっと痛くて、顔がしかまるのに気づいたらしく、「足痛いの?」って。

 

「足っていうか、膝が痛い」

「……あ、さっきテーブルに思いっきり打った?」

「うん」

「ごめん」

 

彼はスッとしゃがんで膝を撫でる。

 

「どう痛いの?」

「ん~、さっきの今だから、とりあえず打ったってことで痛い」

「ちょっと見せてみな」

「え?」

 

あっというまにクルクルと裾を折って巻き上げるとか、素早すぎてコワい(笑)

 

「俺の飼い主、素早すぎて、手慣れすぎてて、こえぇ~~~!(笑)」

 

冗談めかして言ったら、ちろっと俺を見上げ、バッ!って音がしそうな感じで裾をおろした。

 

「ちょっとあざになったら大変だから、お風呂入ったら打ち身のお薬塗ろうね」

 

そう言うなりまた俺を抱き上げるから、なんだと思ったら「うがいして」だって。

 

「はやくうがいして?」

「そうだけど……」

「なに?」

「いや……」

 

あのね。

ひとがうがいするにあたって、隣から腕組して見てる人がいる?(笑)

落ち着かないだろーが!この暇人め。

 

「痛いなら、俺に寄りかかりながらでもいいよ」

 

いやいやいや!それ、どう考えてもオカシイって!

そういうことでも問題でもないし、そもそも人に寄りかかりながらうがいってするもんじゃないし!

っていうか、それでできるもんなの!?(笑)

 

鏡越しにガン見されながらうがいするって、超恥ずかしいだけなんですけど……

 

なんか視界の端で、隣人がニヤッとした気がする。

 

恥ずかしいのもあるし、さっさとうがいをすませると、また抱き上げる。

 

「子供じゃないんだから、毎回は……(呆)」

「おや?飼い主にわざと『俺の』って言わせたうさこちゃんは、

 確か『膝が痛いから歩くのやだ』なんですよねぇ?」

「……」

 

あの~、そんな至近距離で顔を覗き込まなくていいから!

 

「しかもさっき、膝痛くてガクってなってましたよねぇ?」

「うっ(汗)」

 

落ち着かないなぁ、もう!

 

「うさこちゃんは『俺の』ものなんでしょ?俺のって、そういう言葉なんだから」

「……」

 

なんでこんなにこいつドハンサムなんだよっ!

神様、この人だけ丁寧に力入れて作り過ぎて、ずるすぎんだろ!

 

「俺は『うちの』って言ってたの。それをわざわざ俺に『言わせてあげたいの!』って

 責任転嫁してまで言わせたぐらいなんだから、自分でもそれを『そう望んでる』し、

 『望んでた』んでしょ?」

「……」

「違う?はい、返事は?」

 

(くっそ~、正論すぎて何も言えない!)

 

数センチの距離のドアップな美しさに、思わず目がチカチカしてまばたきする。

 

「う……うん」

「つまり、もはや『俺が』何をどう決めてもかまわないってことでしょ?」

「……た、たしかに(汗)」

 

それはそうだけど……。

あ~墓穴掘ったな~。

 

認めたくなくて目をそらすけど、彼は嬉しそうに笑っちゃってる。

悔しいけど、落ちたら大変だから叩いたりできない。

 

(……あれ?)

 

なんかこの行先は……

 

「ソファーに戻らないの?」

 

首のうしろをぺしぺししたら、俺を抱きなおす。

 

「さっきくしゃみしてたし体冷えてるっぽいから、ちょっと寝んねするの」

 

強制的に俺は寝かされちゃうわけね(笑)

 

「寝んね?(笑)」

 

言い方に笑ったら、「また熱だしたいなら、べつにいいんだよ」だって。

 

「わかった。わかったよ、もう~!」

 

やけくそで声を出す。

 

ダメだこの人。

この俺をもってしても、こっちが墓穴を掘れど、勝てそうにない。

しかも記憶力異常にいいし……。

 

俺をベッドにおろしてくれる。

 

「わかったって何が?」

 

いや、布団をかけてくれながら、まだ聞く!?(笑)

嫉妬深いわ、記憶力異常に良いわ、やたら力持ちだわ、

器用すぎるわ、おまけにしつこいか!(笑)

 

なんか…… やられっぱなしすぎるんだけど。

どうにか反撃できないものかな……

 

「そのとおり過ぎるってこと」

「うんうん」

 

満足そうに頷いてるのを見て、ふと閃(ひらめ)いた。

 

(あ、これはどうかな?)

 

「!?」

 

ふふん。

 

彼はそこをおさえて体を硬直させてる(笑)

 

驚きすぎて固まってるのへ、

 

「自分だけだと思うな。確かに飼い主は飼い主だが、俺だって同じなんだぞ」

 

勇気を出してちょっと顎を上げて言うと、何か言われる前に布団の中にもぐってやった。

 

 

 

 

(続く)