中国ドラマ『ロング・シーズン 長く遠い殺人』 | 山楂(さんざし)の華流な日々

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『バッド・キッズ 隠秘の罪』の監督がメインスタッフやキャストと再タッグを組んだノワールドラマ(2023年)。豆瓣でも過去8年最高の9.5評価をマークし、「10年に1本の完璧ドラマ」と言われている鳴り物入りです。全12話。

 

これもWOWOWで、もうずいぶん前に完走(記録遅れがち💦)。現在(2016年)と過去(1997年・1998年)を行き来し、謎が少しずつ明かされながら進むので、ついつい夢中で見てしまう。さらっと見ても十分面白いけど、さらに、しばらくしてからもう一周すると、隅々まで仕掛けがあって、しっかり味わえる。確かに完璧ドラマかも。

 

日本上陸の完璧ドラマに私の解説やあらすじは不要なので、ネタバレしない程度に、いくつかの感想を。

 

1)秦昊の変身ぶりがすごい

バッド・キッズの時とも、ブラインドマッサージのときとも全然違う。中年以降の容貌は特殊メイク効果もすごくて、誰だかわからんレベル。見た目だけじゃなくて、演技がほんとにすごいしね。

今回は、めんどくさいダメンズだけど愛すべきキャラでした。

 

2)注目株は耳の聞こえない弟

『山海情』でも、黄軒目当てで見たのに一番気になったのは、ノーマークだった主人公の弟だった(白宇帆)ということがあったけど、このドラマでも中心人物の1人である薄幸の美少女・沈墨の弟がものすご〜くよかった。こちらの彼は、蒋奇明。独特の風貌に個性的な演技。耳が聞こえず、話もしないのに、その演技に持っていかれちゃう。他の役柄も見てみたい。

 

3)バッド・キッズの史彭元が健気

バッド・キッズで、危ない少年・厳良だった史彭元が美大を目指す青年として登場。せつないくらいいい子に成長してるのも見どころ(その境遇の説明はネタバレになるので割愛)。

 

さえないおじさん3人組を中心としたドラマ、どうなることかと思いきや、映像や音楽のピッタリ感が映画レベルであっという間に引き込まれます。

↑ 2016年の様子。皆さん老けメイク。

 

薄幸の美少女・沈墨を演じる李庚希の透明感あふれる演技も素晴らしい。

若者たちの距離感や戸惑い、親世代の子を想う気持ち、どちらもわかる年代の私としては、あちこちにリアルな心情を感じ、共感と理解がいっぱい。

 

毎回違うエンディング曲にも注目!

特に第9話以降はエンディング中にめちゃくちゃ気になる小エピソードがあったりもするので、見逃さずに見てほしい。

最終回もいいけど、私の1番のお気に入りは第10話。静寂からの美しく青きドナウの響き、音の効果や選曲が秀逸すぎる。そして、エンディング中の小エピソードも、とてもいい。

 

力いっぱいオススメです。

2周目で、よりじっくり味わって、より評価が高まりました。主役的おじさん→おじいさんの范伟の細かな演技の確かさも、二度目でますますじわじわ・・・とても素晴らしかったです。

↑ これも2016年のシーン。妻の手編みの水稲カバーでちびちび飲む姿とか本当に王響らしさを表している。この時代の時の歩き方とかもめちゃくちゃリアルで、かつ、性格が表れている歩き方。

 

バッド・キッズでもいい演技を見せてくれた刘琳も今回もバッチリ、三体でもイヤ〜なやつだった张帆も出ていて脇もガッツリ。細かなエピソードも含めてとにかく隅々まで行き届いたドラマです。

冒頭とラストシーンのつながりも映画的。

 

詳しい背景や撮影秘話は、敬愛するmangoさんのブログをご参照ください。