『战火狼烟』㉒~ダンルンカットその20 | 山楂(さんざし)の華流な日々

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前回記事はこちら↓(第38話前半)

 

ダンルンカットはこちらの動画から↓ 今回記事では第38話後半をご紹介♪

 

【第38話後半】(シーン番号は前半の続きです)

⑥久しぶりに家族そろって食事をするために、兄二人を招く。

先にやってきた中秋に、母がはりきって料理していることを伝える。中秋は、母がこちらでの生活に慣れたかを聞き、克也は、ここでは面倒を見てくれる人もいるから安心だと言う。

 

中:まだ母さんには言ってないのか?

克:父さんが死んだことは話したよ。でも身分のことは、まだ言ってないんだ。

中:じゃあ、今日は家族四人で楽しく食事しよう。母さんを手伝いに行くよ。

 

と、コートを脱いだ中秋から預かり、

コート掛けにかけて、何か企んでいるかのような表情。

 

以前は食事の支度など手伝わなかったのに、食器を並べたりして手伝う克也をからかう中秋。中秋は、食卓を眺めて「こうしていると光明鎮に戻ったみたいだ。」と言うが、克也は「家族が一緒にいるところ、それが家だよ。」と。馬母が、皆の好きな紅焼肉(豚の角煮のようなもの)を持ってきて、料理が揃う。

遅れてやってきた谷雨は、席に着くなり食べ始める。

谷:今日はおかずがいっぱいだな。母さん、俺、失業したんだよ。これからはしょっちゅう食べさせてもらうことになるかも。

母:どうしたの?ダンスクラブは順調だったんじゃないの?

谷:日本人に閉鎖されたんだ。おい(除夕)、今日はどうしてこないだの服じゃなくて、スーツに革靴なんだ?

中:こないだがなんだって?今日だって同じようなもんじゃないか。

谷:違うさ。こないだのあの緑の、カッコよかったじゃないか。

ちょっと気まずいムード。

↓谷雨のむちゃぶりに我慢している様子はちょっとかわいい。

母:ここ数年、うちもいろいろあってなかなか集まれなかったけど、今日はようやくそろって食事ができた。今日は、除夕が日本から帰って来てくれたお祝いよ。さあ、飲みましょう。

谷:母さん、違うよ。お祝いだなんて。除夕の父親が死んだばかりだぞ。

母:ああ、そうね。じゃあまず、お父さんの供養に・・・

母は、杯を除夕に向けて掲げるが、

谷:母さん、それはまずいよ。俺達三人は生まれも育ちも中国人なのに、日本人を弔うなんておかしいだろ。

母:谷雨、私達は家族なのよ。もう少し礼儀を知りなさい。

克:母さん、アニキの言うとおりだよ。僕の父さんを弔う必要はない。中国で日本人はひどく憎まれているし、死んでも惜しくないだろう。一人で飲むよ。

と、1杯飲み干す。

 

気分を変えて食事に戻る中秋と母。

 

食事の間に、小蝶が中秋のコートに小さなものを仕込んでいる。

 

中秋は食事中の会話で、克也に、これからどうするつもりなのかを聞く。

克:父さんが亡くなったばかりで、たくさん取引が残ってるから、それを引き継ぐつもりだ。

母:除夕、母さんは毎日毎晩ずっとあなたを想っていて、やっと帰って来てくれた。みんなで光明鎮に帰らない?

克:母さん、僕はこうして母さんを連れてきただろう。これからはずっと一緒だよ。

中:除夕、母さんが言ってるのは、俺も警察局長をやめて、谷雨も店をやめて、お前も親父さんの家業を継がないで、4人で光明鎮に帰って、落ち着いた暮らしができたらどんなにいいかってことだよ。

母:そうそう、中秋の言うとおりよ。それが私の気持ち。

克:僕は帰れないよ。父さんが残した仕事を放っておけない。

 

克也は立ち上がり、酒を注ぐ。

克:母さん、今日はようやくみんなで集まれた。母さんに捧げるよ。育ててくれてありがとう。僕も母さんをそばに呼び寄せられるまでになった。やっと母さんに孝行できる。飲み干すね。

母、涙ぐみながら酒に口をつける。

 

↓お母さんが見たかったのはこういう光景なんだろうなぁ。

克:二杯目は兄さんに。小さい頃からずっと、誰より僕をかわいがってくれた。今、僕たち兄弟は疗城で、僕は父さんの事業を継ぎ、兄さんは警察局の局長だ。二人の発展を祈って。

乾杯。

克:アニキ、三杯目は・・・

谷:いらない。

克:・・・自分で飲むよ。

 

谷:さっきの話だが、親父さんの事業は引き継がないといけないんだよな。でも母さんのお前を20年以上育てた恩はもう忘れちまったのか?こんな日が来ると知ってたら、母さんがお前を引き取った時に反対して、お前を捨てて死なせればよかった。

母と中秋が怒る・・・

谷:母さんと兄さんが、今、目の前にいる日本人・高橋克也を受け入れられたとしても、俺は無理だ。俺の弟は永遠に馬除夕だ。

そう言って、谷雨は席を立ち、母は怒って後を追う。←谷雨、態度は悪いけど、言ってることは一番普通なのかも。受け入れたふりをしたり、取り戻そうとしたりするから、関係が余計にこじれていくような気もする。

 

克也と中秋が残り、乾杯して酒を飲む。

中:家族そろっての食事がこんな風になるなんて、お前も見たくなかっただろう。

克:もちろん見たくなかった。でも、僕にはどうしようもないよ。今日の食事は皆を悲しませたね。楽しく食事しようと思ってたのに・・・でも、僕は間違ってないと思うんだ。

中:なら、気に病む必要はない。さぁ、飲もう。

克:父さんが殺されて、とてもつらい気持ちなんだ。兄さん、警察局長なんだし、父さんのこと、力を貸してよ。

視線を絡ませる、微妙な、間。

中:ああ、もちろんだ。

克:僕がいつか犯人を捕まえたら、どう処罰したらいいと思う?←わざと聞いてますよね。

中:その日が来たら、どうしたらいいかは自ずとわかるさ。

時が止まったような表情合戦・・・

克:これからどこへ?

中:どこって、警察局に戻るよ。局長だから、行くも行かないも自分で決めるだけだが。

克:じゃあ、行かないで。一緒に行ってほしいところがあるんだ。

中:どこだ?

克:行けばわかるよ。

 

⑦中秋を連れて、共産党の疑いがあるとして捕まった庶民の処刑場に。←いきなり大雨・・・。なぜかこの日、この時だけ大雨。

中:この人たちは何だ?何の罪を?

克:商売人、大学の先生、学生、満州国の公務員、何の罪を犯したかはわからない。何もしていないかも。

中:じゃあ、なんで処刑するんだ。

克:みんな、多かれ少なかれ、共産党の疑いがある。

中:嫌疑だけで死刑執行か?

克:兄さん、父さんは共産党に殺されたんだ。だから彼らに対して、僕は全く憐れみを感じない。

中:除夕、父親を失った悲しみは理解できる。でもだからと言って白黒はっきりしないのに無実の人を殺してはいけないよ。

克:彼らを殺すのは、父の仇のためだけじゃない。今月中旬に共産党が疗城で秘密の任務を実行するらしいんだ。僕にはそれをぶち壊す役目がある。だから、共産党の嫌疑がある者はみんな死んでもらう。1000人を間違って殺しても一人も逃さない。

 

処刑開始の合図。

 

次々に射殺される共産党員…かもしれない人々。一旦止めて、最後の一人を自ら撃ち抜く克也。

克也が人を殺すのを目の当たりにした中秋。

 

克也、平然・・・

 

血だらけの雨の中・・・

 

警察署まで中秋を車で送る。←雨はすっかり止んでいる。

克:兄さん、今の僕は知らない人みたいかい?

中:俺の記憶の中の除夕は、決してこんな残酷なことはしない。

克:じゃあ、ゆっくり今の僕に慣れて。それじゃ、行くね。

 

かわいい表情をしても、この残忍さは怖すぎる。

 

自分のせいで共産党の嫌疑をかけられた人々が殺されたこと、除夕の残酷さに、吐き気を催す中秋。

 

⑧小蝶から、中秋のコートに盗聴器を仕掛けた報告を受ける克也。

小蝶は、克也が、父殺害の犯人は中秋だと知りながら復讐できずに苦しんでいるのではないかと案じる。

克:父の仇は必ず打つ。だが今ではない。共産党の動きを封じて大日本帝国のために手柄を立てるのが、俺の最も重要な任務だ。

蝶:いつか馬中秋と対峙したときに引き金を引けなければ、私がやります。

克也は小蝶のその言葉に、またまた不快感を示す。

↑ここまで周到に詰めてきて、でもちょっとは迷ってる?
 

中秋は、南燕に、克也が共産党嫌疑者を処刑する現場に立ち会わされた話をし、「善良な除夕を取り戻したいと思っていたが、もう無理かもしれない。」と嘆く。そして、日本関東軍がすでに共産党の特派員が疗城を通ってソ連に行くことを知っていること、除夕は父親殺害の犯人が自分だとわかっていて、自分から特派員移動の日時場所の情報を取ろうとしているのだと思う、と告げる。←やはり不死身の男・中秋は全てお見通し。

 

段鉄は、小柔のレコード店へ行き、小柔のためにどうすればいいのかと涙を流す。

 

***第38話の内容はここまで***

克也の残酷さが際立つ第38話後半でした😿処刑のシーンはつらかった・・・

自分を一番かわいがってくれた父のような存在だった中秋を、実父を殺した相手として復讐することは決めていて、あえて泳がせながら共産党の次の任務をぶち壊す予定・・・って、ほんとに実父にそっくり💦

母との食事に二人の兄を呼んだのも、谷雨の態度は予想通りで、それを母と中秋がたしなめたり、除夕を庇って気を遣うのもわかっていてのことでしょう。そうして馬家に波紋を起こしつつ、中秋に盗聴器を仕掛けたり、共産党嫌疑者を大量に処刑して揺さぶりをかけ、共産党員の次の任務の情報を得ていることもわざとに知らせて追い詰める・・・。

除夕がこんな人になるなんて。さすがの中秋も自分のやってきたことに自信を失う展開。

残り2話!