『战火狼烟』⑪~ダンルンカットその10 | 山楂(さんざし)の華流な日々

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前回記事はこちら↓(第20~22話)

 

ダンルンカットはこちらの動画から↓ 今回記事では第23話をご紹介です♪

 

 

①死んだような顔で高橋邸に帰宅し、父を殺そうとする?!(第22話ラスト)に続いて…

除夕は短刀を取り出し、父に突きつけるが、父は気づきながらも避けない。
除:どうして避けないんだ。怖くないのか?
父は、短刀を持つ除夕の手を自分の胸に引き寄せ、心臓の鼓動を聞かせる。「怖いが、避けない。お前が何をしようとも理解できるからだ。たとえ殺されても。」と受け止める父に、除夕の気持ちも少し落ち着く。
 
馬母は、除夕の様子が変わったことに不安で眠れずに中秋の帰りを待っていた。中秋は、除夕も大人になったのだ、実の父の元へ行き、別の教育を受けて変わったとしても、それが本来の除夕なんだと母を慰める。
 
②初めて実母の祭壇に参る除夕。
父:故郷とは育った場所ではなく母語の生まれた場所だ。父母とは育ててくれた人ではなく、血と骨を与えてくれた人だ。
除:2つの約束をしてほしい。中国で何をしても、決して馬家の家族を傷つけないでほしい。
父:約束しよう。もう一つは?
除:俺をあなたと同じ日本人にしてほしい。
父:生まれた時から、お前の体には大和民族の血が流れている。
除:体にどんな血が流れているかは見えない。心なら感じられる。自分が日本人だと知ってとても苦しくて、気が狂いそうなんだ。あなたと同じような人間になるしかない。あなたが思うように、あなたがするように。俺の言う意味がわかる?
父:わかった。
除:家にいる全員に伝えてくれ、これからは俺を馬除夕と呼ばず、本名で呼んでくれと。
 
梁は街中で亀田と同じ香水の匂いがする女性とすれ違い、香水の名前を聞き出し、入手して香りを覚える。
 
高橋は、段鉄を呼び出し、7日の午後3時に日本の横浜港から届く重要な貨物の受け取りをして、安全な場所に荷物を隠してほしい、と資料を渡す。決して失敗してはいけない、とのこと。←奉天へ運ぶようなので、前回の石原中佐の計画実行と思われる。
 
中秋は、谷雨の店に段鉄を連れて行って仲良く飲み会。お互いに仲間(兄弟)となったことを強調し合い、谷雨はけげんな顔。
 
③克也は針使いの小蝶に胸に父と同じ剣の刺青を入れてもらう。←同じような人間になるって、どこまでやるのか・・同じ痛みを味わい、家族の紋様を体に刻むことも同じ人間になることの一つ、という意味だろうけど。それにしても、なかなかセクシーなシーン💦

 

 

そして着物姿(短いけど)になり、高橋家の男として認められるか、刀のテスト。←いきなり真剣でこわい・・・亀田は手加減してると思うけど、合格。ところで亀田の体臭はだいぶきついはずなんだけど、いつも克也も高橋も全然気にしてない。

 

 

克:これで高橋家の男の資格はある?
父:いいだろう。
克:勝負しようよ。

父に向ける笑顔が爽やかになってきた。

 

今度は父と勝負。父に切りつける最初の勢いは、本当は殺す気かという表情にも見えたけど、あっさり抑えられる。

いつか私に勝てる日が来る、と余裕の父。

 
馬父の妻が谷雨と南燕の結婚の日取りを決めたがる。馬父は新居を準備。南燕はまだできるだけ先延ばしにしたい様子。
 
④今度は剣を持参して3日間食べていない飢えた猟犬のいる中庭に連れていかれ・・・(犬が父になついている風なのが気になる。かわいそう。)、「血の味を知れ」と、食われるか殺すかの勝負のために閉じ込められる。

 

 

⑤亀田が心配するくらいの時間が経過した後、克也が犬を殺して出てくる・・・剣から滴る血。
父:克也、血の味はどうだった?
克:甘かった。・・・どうしてこんなことを?
父:お前を私と同じような人間にするためだ。
克也の疲れた表情は何を物語るのか。優しかった除夕が追い込まれて犬を殺し克也になる・・・なぜこんなことをする必要があるのかと、不思議に思う。でもその気持ちも、父と同じ人間になるためには捨てていかなければいけない・・・やっぱりここも大きく変わる一歩なんだろうな。
 
金法医は見事暗号を解読。その内容は「横浜港 貨物 大川組 辽城港 7日の午後」というもの。どちらからどちらに荷物が来るのかはわからないが、中秋は横浜港から辽城に7日の午後に荷物が届くのではないかと推測し、わざと段鉄にその日に飲みに行こうと電話をする。
段鉄も重要な取引の日を指定してきた中秋を不審に思いながらも、あえて約束。トランクに何かを仕込み、中秋に車をプレゼントする。
 
⑥泣きながら除夕の前でバイオリンを弾く小柔。

どうしたのかと聞く除夕に、この曲は友達が亡くなる前にくれたものだと話す。あの時の男子だとわかった除夕は「どうして死んだんだ?」と。小柔は、彼は共産党で、兄が日本人の命令で殺したと説明。

除:それで兄さんを恨んでるんだな。・・・いつか僕が君の兄さんと同じになったら、僕を恨む?
柔:どうしてあなたが兄さんと同じになるの?兄さんは売国奴よ。お金のため、権力のためなら何でもする人なのよ。

除夕は黙って、小柔に背を向ける。

除:きっと選択肢がないんだよ。僕と同じだ。
柔:除夕、何言ってるの?全然わからないわ。
除:なんでもないよ。外へ出かけよう。
ここでも表情を変えながら、自分の置かれた立場や選択肢がない状況を感じている演技が見られます。そして、外で、二人で綿菓子を食べる甘い表情、つかの間の安らぎも。見ていて苦しくなる。

 

 

 

⑦小柔と別れて一人で歩いていると、こっそり二人の様子を見ていた段鉄がやってきて、妹の面倒を見てくれてありがとう、と礼を言い、すっかり大人になった除夕を褒める。

 

 

除:どんな選択をしても結果は自分で責任を取る。僕もあなたと同じだ。いくつかの重要な選択をしただけだ。

段:そうだな。人の一生は結局、自分の選択の責任を取るものだ。そうそう、小柔の前では、ずっと馬除夕でいろよ。高橋克也じゃなく。あいつは真相を知ったら、耐えられない。

小柔から兄を恨む理由を聞いて、小柔との関係にも不安が増していた克也。段鉄からはっきりと指摘されたことでまたも自分の置かれた立場に悩む。

 

第23話はここまで。
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除夕が克也になることを選んだ、その理由は、このままじゃ自分が壊れてしまうと思ったから。父のような人になりたいと言ったのは自分の血と内面を一致させることでしか生きられないと思ったから、ということで、生きるためのたった一つの選択肢だったのです。こんな気持ちは誰もが体験するものではないので、想像するしかないけど、牛の家で育った自分が虎だった、家族を傷つける存在だったとわかったら、もう牛としては生きられないし、虎になるしかない、ということなのかと。
さらに同化する相手=父が、日本人の中でも関東軍の、その中でも過激なグループの軍人だったので・・・除夕→克也の変化はますます激しく、つらいものになってしまいます😿
 
当初こんなに詳しく掘り下げるつもりはなかったのに、何度も見ているとものすごく深くて、いろいろ考えさせられるドラマです。続きもお楽しみに。